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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第十一幕その二

「やっていこうね」
「それじゃあね」
「お茶も飲んでね」
「羊羹を食べて」
「あとどら焼きもね」
「そしてお饅頭もね」
「そうしようね、しかし僕達はね」
 ここでふと思った先生でした、その思ったことは何かといいますと。
「日本に来てからお饅頭というものを何処でも食べているね」
「あっ、確かに」
「あちこちに旅行に行くけれど」
「それでお菓子を食べる機会も多いけれど」
「お饅頭よく食べるわね」
「神戸でもね」
「何かね」
 どうにもと言う先生でした。
「お饅頭は日本のあちこちにあるね」
「各地にね」
「日本のね」
「もうあちこちにあって」
「それで食べてるわよね」
「うん、何かね」
 さらにお話する先生でした、そのお饅頭を食べながら。
「何処でも美味しいしね」
「そうそう、お饅頭はね」
「どの場所にもあってね」
「しかも美味しい」
「そうよね」
「大抵はお菓子のお饅頭でね」
 日本のお饅頭はというのです。
「程よく甘くて美味しいんだよね」
「それでこの高野山でもね」
「楽しく食べてるね」
「いや、何ていうかね」
「日本で一番親しみの持てるお菓子かな」
「そうだよね」
「僕もそう思うよ、じゃあこのお饅頭も食べて」
 そうしてというのでした。
「そしてね」
「お庭も観ようね」
「いや、お庭も立派ね」
「何かこうしたお庭もね」
「日本ならではよね」
「日本の庭園は独特なんだ」
 先生はそのお庭のお話もしました。
「欧州やアメリカや中国だと左右対称だよね」
「そうそう、建物自体がね」
「大抵そうなるんだよね」
「宮殿もそうだし」
「お屋敷でもね」
「けれど日本のお庭は違うね」
 どう違うかといいますと。
「左右対称にこだわらないで」
「そうそう、むしろそうしないでね」
「中にお池を置いたりそこにお魚を買ったり」
「橋なんかもあったりしてね」
「草木もあって」
「石も一見ばらばらに置いていて」
「けれどそれが奇麗に置かれていて、実は」
「そうしたものよね」
「日本のお庭は」
「そう、それがね」 
 まさにというのです。
「日本のお庭なんだよ」
「そうなったのがね」
 まさにと言ったのはチーチーでした。
「日本の文化の一つだよね」
「左右対称にこだわらないでね」
 今度はトートーが言ってきました。
「自然の調和っていうかね」
「人の手を入れていても」
 ダブダブも言います。 
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