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オズのトロット

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第十一幕その三

「電車ですぐの場所です」
「そうなのね、実際に」
「私神戸生まれでよく行き来してまして」
 子供の頃からというのです。
「それでなんです」
「大阪のこともよく知ってるのね」
「串カツも結構食べてました」
 海老の串カツを食べつつトロットにお話します。
「昔から」
「そうなのね、じゃあこの串カツはどうかしら」
「大阪の串カツですね」
 まさにそれだというのです。
「おソースも」
「それもなのね」
「はい、美味しいです」
 ちゃんとソースが入れられている容器も置かれています、皆そこにちゃんと串カツを一回だけ入れています。
「本当に」
「それは何よりよ」
「ううん、大阪はね」
 キャプテンが言うには。
「わしも知らないんだよね」
「賑やかで楽しい街だというけれど」
「オズの国の日本街にあるかな」
 教授とモジャボロも首を傾げさせています、とても美味しい串カツを食べながらこのことを思うのでした。
「大阪は」
「どうなのかな」
「若し大阪があったら」
 それならと言うトロットでした。
「行きたいわね」
「オズの国ならあるんじゃないですか?」 
 カルロスは豚肉の串カツを食べつつ言いました。
「大阪みたいな街も」
「アメリカには日系人の人も多いから日本もあるけれど」
 トロットは考えるお顔でカルロスに答えました。
「それでも日本全体でね」
「大阪自体はですか」
「どうなのかしら」
 それはというのです。
「一体」
「そこはですか」
「わからないですか」
「ちょっとね、ただオズの国はお伽の国だから」
 それでと答えたトロットでした。
「日本人街もあってね」
「大阪もひょっとしたら」
「あるかも知れないわ、そうした日本人街も」
「日本人街もオズの国に幾つかあるよ」
 キャプテンも言ってきました。
「中華街もあるしね」
「それで日本人街の中には」
「大阪みたいな街もあるかな」
 こうカルロスにお話しました。
「わし等がまだ行っていないか行っていても気付いていなかったか」
「そこが大阪だとですね」
「そうかも知れないね」
「イッソスの国の南、ギリキンの北にも日本人街があるわよ」
 トロットがこのことをお話しました。
「だからね」
「この帰りにですね」
「行ってみようかしら」
「それじゃあ」
「ええ、行ってみましょう」
 是非にと言ってでした、そのうえでです。
 皆は串カツを食べてからまた歩きはじめました、そうしてその王宮のある街に来るとそこはといいますと。
 街を囲む城壁は全て鏡です、カルロス達はその鏡を見て言いました。
「鏡の国だからね」
「城壁も鏡なんだね」
「それで全部囲んでいる」
「そうした街なのね」
「とても眩しいわ」
「そうでしょ、鏡の国の都だからね」
 まさにとお話したトロットでした。 
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