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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第六十九話 徐庶、徐州に来るのことその八

「数は少ないが天下無双の顔触れじゃな」
「例え何があってもね」
「そうだな。乗り越えられるな」
 ユリとキングが笑顔で話す。
「この顔触れなら」
「充分にな」
「何かまた大変なことになりそうだけれど」
 リムルルもだ。それでもだというのだ。
「やっていけそうね」
「鬼でも蛇でも出て来いなのだ」
 張飛の顔も明るい。
「絶対にやっつけてやるのだ」
「そうだな。人だ」
 趙雲も微笑んで話す。
「人こそが最も大事だからな」
「そうだよね。人が駄目だったらどうしようもないよね」
 馬岱も笑顔で趙雲の言葉に頷く。
「今だってそうだし」
「宮廷なあ。そこだよな」
 馬超は少しぼやいた感じだ。
「とにかく。こっちに何時来るかだよな」
「そうだ、絶対に来るな」
 関羽はここで顔を顰めさせた。
「董卓殿の性格からは想像できないが」
「あの、思うんですけれど」
「ひょっとしたら」
 孔明と鳳統はぼやきながら話す。
「十常侍はまだ洛陽にいるんじゃないでしょうか」
「それで董卓さんと関わっているんじゃ」
「黒幕じゃな」
 厳顔は二人の言葉からそれを察した。
「それで董卓殿を操っておるか」
「その危険はあるわね」
 黄忠も難しい顔になっている。
「宦官達は謀略が仕事だから」
「はい、何をしてきてもです」
「おかしくないです」
 軍師二人はまた言った。
「やがて私達にも」
「仕掛けてきます」
「私達以外にも」
 徐庶も来た。そのうえでの言葉だった。
「仕掛けると思います」
「他の牧達にもか」
「はい、そうです」
 その通りだとだ。徐庶は公孫賛に対して答えた。
「その通りです」
「むっ、私のことをわかっているのか」
 公孫賛は徐徐が自分に反応を見せたことにだ。いささか驚いた。
 そしてだ。あらためて笑顔になって彼女に問うのだった。
「まさか。本当に」
「公孫賛さんですね」
 笑顔で応える徐庶だった。
「かつて幽州で牧を務めておられた」
「そうだ、そして乗る馬は」
「白馬ですね。弟さんおられますよね」
「その通りだ。私のことをそこまでわかってくれているか」
 そのことがだ。公孫賛にとってはだ。何より嬉しいことだった。
 それでだ。公孫賛は思わず徐庶の両手を自分の両手で握り締めてだ。こう告げるのだった。
「嬉しいぞ、私のことを知っていてくれていたとは」
「あの、有名ではないんですか?」
「誰も知らないのだ。宮廷でさえもだ」
 こうだ。泣きながら話すのだった。
「袁紹も曹操もだ。二人の軍師の連中もだ」
「誰もなんですか」
「そうだ。知らなかったんだ」
 そうだったというのである。
「だが。御主は知っていてくれたか」
「あの、牧を知らない人がいるんですか?」
「何故か私だけはそうなのだ。桃香でさえも」
 その幼馴染のだ。彼女でさえもだ。
「真名を間違える始末だ。それなのに御主は」
「ううん、何か随分と」
 徐庶はだ。そんな彼女の泣く姿を見て話すのだった。
「苦労されたんですね」
「苦労というものではない」
 それ以上だというのだ。
「私は。本当に誰からも知られていなかったのだ」
「むしろ中の方がでしょうか」
「知られていると思います」
 孔明と鳳統がそれを話す。
「あと別の世界の方は」
「かなり知られていますが」
「それとフガフガですね」
「そちらもですけれど」
「だが私はそうではないのだ」
 彼女自身はだ。違っていたのだ。
「何故だ、私の何が悪い」
「特徴がないからでしょうか」
「そのせいで」
「うう、確かに私は他の牧達まで個性は強くない」
 流石にだ。あの面々と比べるとだった。
「しかし。私には特徴がないのか」
「そ、それはまあ」
「御気になされずに」
「だが。それでもだ」
 しかしなのだった。公孫賛は再びだ。徐庶を見る。そうしてだ。
 
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