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転生×魔弾の王×萌えもん=カオス

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十七本目

ティグル達がロケット団を捕縛した日の昼。

ようやくリーグの治安維持部隊がマサラタウンへ到着した。

部隊が案内されたのは街の広場だった。

「なんと…これだけの団員を一人残らず捕縛とは…」

部隊を率いていたのはチャンピオンワタル。

彼の目の前には拘束されたロケット団数百名が並んでいた。

「おお、ワタル。遅かったのぅ」

「オーキド博士…これはいったい…」

するとオーキド博士はワタルを引っ張っていった。

リーグトレーナーがついて行こうとするもオーキド博士に手で止められた。

かなり離れた所でオーキド博士はようやく歩を止めた。

「オーキド博士?」

「ワタル。此度の一件。
解決したのはティグルじゃ」

「なんと!あの時の少年がですか…」

更に続いた言葉に、ワタルは驚愕した。

「それもあやつはポケモンの公国を引き連れてこの街を救ったのじゃ」

「こっ公国!?」

「馬鹿者声が大きい!なぜ離れたと思っておる!」

「は、申し訳ない」

ワタルは内心で訳がわからなかった。

公国。この世界にはポケモンだけの『国』がある。

だが、公国は人類と手を取り合わない。

リーグやジムの中でも一部の者しか存在を知らない。

そんな公国を味方につけたティグルにワタルは畏怖を抱いていた。

「して、対価は?」

「奴らはティグルを要求した」

「………どうされるのですか?」

「どうもせん。幸いティグルと戦姫の関係は良好じゃ。
もしかするとティグルには万全の守りとなるやもしれぬ」

「その『戦姫』は何処に?」

「ティグルの屋敷じゃよ」











マサラタウンの最奥。

そこにティグルの屋敷はある。

故にライトメリッツ兵達は邪魔にならないよう、屋敷の周囲にいた。

ワタルが現れた時、ライトメリッツ兵達は警戒を見せたが隣のオーキド博士をみて警戒を緩めた。

オーキド博士の前へルーリックが出る。

「オーキド博士。如何されましたか?
こちらの方々はどなたで?」

「ルーリック君。彼はワタル。
最強のポケモントレーナーじゃよ」

「はっ!失礼いたしました」

「いや、構わないよ。
ルーリック君と言ったかね?」

「はい」

「君もポケモンなのか?」

その問は、ルーリックが纏っている金属鎧に関してだった。

「ええ、そうです」

「わかった。ところでティグルヴルムド君に会いたいのだが」

するとルーリックは申し訳なさそうに答えた。

「ティグルヴルムド卿はお休みになられています。
一昨日から一睡もされてませんでした故」

「一昨日?」

「ええ、一昨日の夜、オーキド博士からの使者がライトメリッツへ来られました。
そして夜駆けし、昨日ここマサラタウンへ到着。
本日明朝、この街の北に拠点を構えていたロケット団へ夜襲をしかけ、諸々の戦後処理を終え、現在に至ります」

ルーリックが説明を終えたと同時に、屋敷の扉が開かれた。

「喧しいぞ貴様ら!ティグルが起きたらどーするんだ!」

出てきたのは言うまでもなくエレンだ。

「む。オーキド博士そちらは」

「彼はワタル。リーグからの救援だ」

するとエレンは顔をしかめた。

「……それでワタルとやら。何の用だ?」

「ティグルヴルムド君に会いに来た」

「生憎ティグルは寝ている」

「では貴女に話を聞きたいのだが」

「遅れて救援に駆けつける奴なぞに話す事はない」

それだけ言って扉が閉められた。

「嫌われたな。ワタル」

「ええ…そうですね…彼女が怒っていたのは…」

「お主の思った通りじゃよ」

ワタルはオーキド博士に連れられて、ロケット団を拘束している広場へ向かった。

「あぁ、ワタル」

「なんですか」

「夜になる前に帰った方がよい。
でなければ戦姫に追い出されるぞ」

「はぁ…?」

「戦のあとの宴、戦勝会じゃな」

「宴…ですか?」

「うむ。街の者からのささやかな礼のようなものじゃよ」

「なるほど、部外者がいては楽しめますまい」

「然り」

「では早速帰るといたしましょう」

ワタルはリーグトレーナー達に声をかけ、ロケット団を引き連れ、街から出ていった。
 
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