ロボスの娘で行ってみよう!
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第5話 馬鹿が学校にやって来た
フォーク参上。
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第5話 馬鹿が学校にやって来た
宇宙暦786年7月
同盟軍士官学校では786年度新入生が入校してきた。
リーファも3年となり成績も10番をキープしていた為、
新入生の手伝いを頼まれ世話をしていた。
「あー面倒くさいー、やる気ねー」
「リーファまあそう言わずに頑張ろう」
「あいあい」
あーーーーー、そう言えばこの年は馬鹿《フォーク》が入ってくるんだ!
何処に居るんだあの馬鹿《フォーク》!
「ハハ、良いですね私の門出に相応しい快晴の空ですね」
「おい、フォーク何言ってるんだ?」
「天才たる、アンドリュー・フォークが士官学校へ入校した記念に天も祝福してくれていますな」
うわー、みんな引いてるよ。馬鹿《フォーク》はこの頃から自意識過剰で馬鹿だったのか。
「おい、リーファ。ありゃなんだ?」
「阿呆じゃない?」
「まあ、彼処まで行けば馬鹿とか通り越しているよな」
「まあ天才と何とかは紙一重と言うしね」
「そうだな、変なの居るな786年度新入生は」
「784年度生には敵わないんじゃない、我らがリーファが居る限りね」
「フフフ、どの口が言うのかな」
「リーファ元帥閣下のお陰であります」
新入生を見ながら、リーファ達が駄弁りまくっている所へ、
気がついたのか馬鹿《フォーク》がやって来た。
「ロボス提督の御令嬢、リーファ・ロボスさんですね」
「ええそうですけど、貴方は?」
一応知っているが、此処は知らない振りをして。
「おーお噂道理にお美しいですな、私アドリュー・フォークと申します、
お父上のご高名は幼年学校でも有名でございます。
御令嬢たる、リーファ様と今日この時にお会い出来るとは感嘆の極みでございます、
此からの2年間宜しくご教授と、お付き合いお願い致します」
はぁ?何言ってんだこの馬鹿《フォーク》、此処まで頭のネジがすっ飛んでいる奴とは思わなかった。
「まあ頑張りなさい」
「はは、照れ隠しですな。宜しくお願いしますぞ」
式場に行ったが、なんか馬鹿馬鹿しいの。
「ねえ、リーファの知り合い?」
「カスミ。知らねー」
「何なんだろうね、あの新入生は?」
「そこを調べるのが、カスミの仕事だろう?」
「まあね、任しておけ調べてくるよー」
「頑張れや」
さて、校長に頼まれた新入生の案内を再開しますか、仕方ないやい。
士官学校のカリキュラムを教えるのは面倒くさいー。
まあ仕方が無いから教えようぞよ。
入学式では、士官学校トップ入学のあの馬鹿《フォーク》が総代とは世も末だね。
確か2番手がスーン・スールズカリッターだったよな。
彼の方がよほど優秀なのに何故あの馬鹿《フォーク》が主席なんだ。
戦時中にも関わらず。同盟の士官教育って旧大日本帝国陸軍の幼年学校から士官学校そして陸軍大学へ向かう、教育形態によく似てるな。旧大日本帝国海軍の様に完全なハンモックナンバーでその後が決まるし、参謀は平面でしか作戦を立てられないし、補給軽視だし、行き当たりばったり作戦だし、教育方法を考え直すべきだけどね、今はどうにもならない状態だね。校長ですら直せないんじゃどうにもならないかね。
それから、馬鹿《フォーク》がしょっちゅうちょっかい出してきたので、
適当にあしらいながら、過ごしまくりですが余りにしつこいので、
親父《ロボス》にチクリに来ています。無論ダスティーも引っ張ってきましたよ。
「リーファ先輩、今回は俺関係無いんじゃないんですか?」
「あら、彼女がストーカーからの被害を受けてるのに彼氏が何もしないのは問題じゃない」
「未だ引っ張りますか。俺の人生は決まっているんですか、
最近姉達が先輩を連れて来いとヤンヤヤンヤなんですよ」
「あら、それじゃ早めにご挨拶に行かなければ成らないわね」
「マジ勘弁して下さい」
スゲー嫌そうな顔をするアッテンボロー、よほど姉が苦手なのであろう。
結局はリーファに引っ張られて、アッテンボローはロボス提督夫婦の待つレストランへ連行された。
「リーファ、此処だ」
「お父さん、お母さん、お待たせしました」
「お久しぶりで有ります」
「アッテンボロー君そんな畏まらずに」
「そうですよ、家族なんですから」
アッテンボローはロボス家の立ち位置が、いつの間にやら、家族にランクアップしていた。
頭を抱えたいアッテンボローで有ったが、此処では抱えるわけには行かないので、
にこやかに挨拶をしているのだ。
「はい、宜しくお願いします」
「さあ、座ってくれたまえ」
ロボス提督も夫人もにこやかに着席を進めてくる。
「リーファ今日はなんなんだい?」
「アレかしら、いよいよ婚約かしら?」
「おう、それならば、ご両親に早くご挨拶に行かねば、不義理になってしまう」
「あー父さん母さん、未だ未だだよ」
「んではどうしたんだね?」
「いやね、私今ストーカーに悩まされて居てさ」
話を聞いたロボス提督が眉間に皺を出しはじめた。
「なんだと、リーファを狙う奴が居るのか!」
「まあ、貴方落ち着いて」
「で何処の何奴なんだ!軍の関係者か?学校の生徒か?」
ロボス提督は湯気を出しそうな勢いで聞き出す。
「今年入った新入生で、アンドリュー・フォークとか言う奴なんだけど」
「なに、新入生だと!リーファをストーキングするとは、おこがましいわ!!」
「まあまあ貴方落ち着いて」
「此が落ち着いて居られるか」
「リーファちゃん、なんでストーキングされるようになったの?」
「母さん、実は」
『天才たる、アンドリュー・フォークが士官学校へ入校した記念に天も祝福してくれていますな』
『おーお噂道理にお美しいですな、私アドリュー・フォークと申します、
お父上のご高名は幼年学校でも有名でございます。
御令嬢たる、リーファ様と今日この時にお会い出来るとは感嘆の極みでございます、
此からの2年間宜しくご教授と、お付き合いお願い致します』
「て言う感じで、父さんの権力狙いなのはバレバレなんだよね、
どうやら幼年学校から士官学校へストレートで入学して軍の勉強ばかりで社会性とか適応性とか社会通念とかを忘れてきたみたいなんだよね。自分を天才だって言う痛い人物なんですよ。
それで居て、ペーパーテストは良い点でだけど、独創性の欠片もない詰め込み型人間なんだよね」
「うむ、リーファを出世の道具に使おうと言うのか許せんな、その様な輩は碌な人間にならんな。
幾ら天才だと言っても、人の心の機敏が判らん様な人物では使えんな、そのフォークとか言う候補生に対しては儂がシトレに頼んで監視して貰おう。余りに目に余るようなら、シトレならわきまえてくれるだろう」
ふふふ。親父殿此で馬鹿《フォーク》を信用することも無くなるのではないかな、
順次修正して馬鹿《フォーク》が出しゃばらない様にしないとだね。
しかし、ライバルでもシトレ提督をかってるんだね、頼もしそうに話してるよ。
「父さん、気を付けてね、父さんの権力にすり寄ってくる有象無象が此から一杯来るはずだからね」
「うむ、そうだな。目先だけの馬鹿共に惑わされぬようにしなければいかんな」
ロボス提督、リーファ、アッテンボローの3人で頷き合うのである。
「さあさあ。真剣なお話は此処までで、お料理を食べましょうよ」
「ああそうだな」
「そうね」
「はい」
「ダスティー君、まあ一杯」
「はっ、頂きます」
「まあまあ、堅くならなくて良いのよ」
ロボス提督は食べながら、フォークの阿呆の事が気になり、
士官学校教育のあり方に疑問を持ち始めていた為に、リーファに質問をしてきた。
「リーファ、士官学校で使える生徒は居るのかい?」
「そうね、まずは4年生のヤン・ウェンリー先輩で、成績は1900番台だけど戦略、戦術に柔軟に対処出来る人だよ、次はジャン・ロベール・ラップ先輩700番台だけどヤン先輩に次ぐ戦略戦術眼の持ち主だね。上の方の方は、ペーパーテスト詰め込み型が多いから柔軟さが足りないんだよ。
良い例が学年主席のマルコム・ワイドボーン先輩だね、10年に一度の天才と言われて、戦略戦術眼は結構あるんだけど柔軟さが足りなくて、シミュレーションでヤン先輩に負けてるからね。
それに損害がダブルスコアだから、その辺を直せば名将になれる素質はあるよ」
「ふむふむ。昔からリーファの人物眼は確かだからな、ダスティー君も優秀なのだろう」
「ダスティーは成績は1000番台だけど、戦略戦術眼と疑似敗走とかは凄く上手いわよ」
「ほー。中々疑似敗走はそのまま本当の敗走に成りかねんのだが、やはり提督のお孫さんだな」
「はあありがとうございます」
「まあまあ。食べて食べて」
食事の時間はあっという間に過ぎ、帰寮の時間になった為、2人して挨拶後帰寮するのであった。
「ダスティー君、今日は楽しかったよ。リーファを宜しく頼むよ」
「はい、誠心誠意いたします」
「リーファ、ストーカーの事は任しておけ」
「ありがとう、父さん」
「ダスティーさん、また会いましょうね」
「はい今日はご馳走様でした」
「いやいや良いと言うモノだよ」
「お父様、お母様、それでは戻りますね」
「失礼します」
「気を付けてな」
「気を付けなさいね」
寮に帰ってきて、アッテンボローはまたキスをされて、戸惑うのであった。
けど段々それが癖に成りつつあるのであるが、本人は未だ気がついていない状態であった。
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