転生とらぶる
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ペルソナ3
2061話
影から出ると、その瞬間部屋の中にいた者達……S.E.E.Sやコロマル、武治……それ以外にも、黒服を着ている、明らかに何らかの訓練を受けた物腰の男達が俺に視線を向ける。
数秒だけ部屋の中に強い緊張感が走ったが、影から姿を現したが俺達――俺、ゆかり、美鶴――だと知ると、すぐに皆が安堵して気を抜く。
黒服の者達も、他の面々が気を抜いたのを知り……何より俺達の中に美鶴がいると知り、警戒を解く。
「おい、アクセル。随分と遅かったじゃねえか。他の皆は夕方にはもう集まってたのによ」
順平の問いに、俺は苦笑を浮かべるだけだ。
……ゆかりと美鶴の2人が顔を真っ赤に染めて俺を睨んでいるが、取りあえずスルーしておく。
2人で協力して俺を倒そうとしたゆかりと美鶴だったが、俺はホワイトスターにいる時は毎晩のように10人以上いる恋人全員を相手にしているのだ。
まだそういう行為を覚えたばかりと言ってもいいゆかりや美鶴が、俺に敵う筈もなく……寧ろ、その行為や下着により俺の力が上がり……結果として、朝方まで2人の嬌声が部屋の中に響き続けていた。
そうして朝方に眠りに就き、体力を回復させる為に午後9時近くまで寝て、それから起きて昨夜の後日付をし……取りあえず風呂に入っている時は我慢する事に成功し、諸々の準備を整えてこうして巌戸台分寮に戻ってきたのが、午後11時30分前後。
運命の時間まで、残り30分といったところだった。
「まぁ、こっちも色々とあったんだよ。今日の為に英気を養う必要もあったし」
英気を養うという言葉が出た瞬間、ゆかりと美鶴の2人が俺をジト目で見たような気がしたが、これはきっと気のせいだろう。
「ほら、その辺にしておけ」
そう言って助け船を出してきたのは、予想外な事に荒垣だった。
もっとも、荒垣にしてみればこんなところでいらない騒動を起こすのは止めて欲しいというのもあったんだろうが。
ああ、それと俺達にとっては初対面になる黒服の連中に恥ずかしいところを見せたくない……といったところか。
「それで、武治。この連中は?」
「桐条グループの中でも、腕利きの者達だ」
その言葉だけで、この黒服の連中がどんな存在なのかを理解出来た。
恐らく、以前幾月が逃げた時に恥を掻かされた連中で間違いないだろう。
何故この場にいるのかというのは……それこそ、言うまでもなく、今日が運命の日だからだ。つまり……
「武治も戦いに参加するって事か?」
「私は参加せん。だが、この者達は参加させる。……もっとも、この者達の相手は基本的にタカヤ率いるカルト宗教の連中になる予定だが」
「……あいつらに? タカヤがこっちの動きを嗅ぎつけたのか? というか、カルト宗教の連中は、その性質はともかくとして基本的には影時間に適性のない人間だろう? まさか、桐条グループでもない連中が、影時間の中で動けるようになる道具を開発するとは思えないし」
黒服達の指に嵌まっている指輪が、それだ。
だが、そのような物を開発、製造出来たのは、あくまでも桐条グループだからこそだ。 何の後ろ盾も存在しないタカヤ達に、そのような真似が出来るとは到底思えない。
いやまぁ、もしカルト宗教繋がりでどこかの勢力が後ろ盾をする可能性は否定出来ないのだが。
「念の為だ」
結局そう言う武治に、それ以上は何も言わない。
実際、何かあった時にこっちの手数が増えるというのは、悪くないというのもある。
そうして話している間にも、時間は経ち……全員が戦闘準備を整え、準備万端になり……やがて、運命の時を迎える。
周囲の景色というか、雰囲気が一変し、いつもの慣れた影時間の光景に姿を変える。
だが、それもいつもの影時間と同じ光景でありながら、同時に今までとは全く別の影時間とでも呼ぶべき光景。
雰囲気が……そう、雰囲気とでも呼ぶべきものが、今までの影時間よりも明らかに濃いのだ。
それこそ、イレギュラーシャドウが出る時の雰囲気にも似ているが、同時にその何倍……場合によっては数十倍近い濃密な死の気配とでも呼ぶべきもの。
そして、同時に……
「やぁ、お待たせ」
不意に……本当に何の兆候もなく、望月の姿が俺達の近くにあった。
転移してきたとか、何らかの手段で見えないようにして入ってきた……というのではなく、純粋にここで実体化したかのような、そんな姿。
今の望月は俺も知っている、それこそ月光館学園にいる時と同じ姿だ。
以前アイギスとの戦いで見せた、刈り取る者を思わせるような、シャドウとしての姿は見せていない。
「いよいよ、今日だよ。……準備はいいんだよね?」
「ああ」
尋ねてくる望月に、短く答える。
そんな俺を見て満足そうに頷いた望月は、次に有里に視線を向ける。
「湊君、君は大丈夫かな?」
望月は学校に通っていた頃から、有里と仲が良かった。……まぁ、その度にアイギスに邪魔されたりもしていたけど。
その理由も、望月がどのような存在で……今までどこにいたのかを考えれば、それこそすぐに納得出来たけどな。
そして、有里が頷くのを見て、望月は心の底から嬉しそうに……そして、悲しそうにする。
今の姿を取るまで、ずっと有里の中で眠っていたのだ。
望月にしてみれば、有里に対して思うところが色々とあるのだろう。
とはいえ、今はそれを言ってるような時ではない。
それは望月も分かっているのか、改めて俺を……そして、この場にいる全員に視線を向ける。
黒服の何人かは、望月の姿を見て意表を突かれたような表情を浮かべている。
何も知らないのであれば、望月を見て危険な相手だとは到底思えないだろうし、それも当然だろう。
これがホワイトスターの幹部陣……いや、精霊の卵に所属している者であれば、望月が非常に危険な相手だという事を理解出来るのだろうが。
……それでも黒服達が望月に向かって銃を構えたりといった攻撃的な態度を取らなかったのは、武治からその辺りの事情を知らされているからか、それとも今の状況でそのような真似をするのは危険だと判断しているからか。
出来れば後者であって欲しいとは思うが……ともあれ、黒服達が暴走するような事がなかったのは、俺にとっても幸運だった。
ここで妙な行動をされたりして、変な展開になったりしたら色々と困るしな。
「さて、もう言うまでもないけど、今日は運命の日だ。以前聞いた話の通りだと、アルマー君がニュクスをどうにか出来る……そういう話だったよね?」
「そうだな。今までにも……同じような経験をしてきたことはある」
黒服達に俺が他の世界からやって来たという話をしてもいいのかどうか分からない以上、取りあえず誤魔化しておく。
まぁ、ニーズヘッグを出すような事になれば、それこそ俺がこの世界の人間ではないと、そう理解されるのかもしれないが。
「そうかい。なら。期待させて貰おうかな。君達はタルタロスを254階まで到達してたよね?」
「よく知ってるな」
「ふふっ、僕も色々と勉強はしたから。君達が到着した階から、タルタロスの頂上まではもう少しだ。だから、僕は……頂上で待たせて貰うよ。そこでアルマー君の力を見させて貰う。それでいいかな?」
確認の言葉を俺にしてくるのは、俺がニュクスに挑むからだろう。
「ああ、それはこっちとしても問題はない」
毎日のように影時間にはシャドウが街中に出現するようになっていたにも関わらず、タルタロスを攻略していた甲斐があったというものだ。
もしタルタロス攻略を疎かにしていた場合、望月のいるタルタロスの屋上に到着出来ない……という事はなかっただろうが、それなりに時間をロスしていた可能性は高いと思う。
「そう。なら……タルタロスの屋上で待ってるよ。ニュクスの復活を察知しているから、シャドウもかなり凶暴になっているから、気をつけてね」
そこまで言うと、望月は玄関から出ていく。
……姿を現した時はどこからともなく出て来たのに、出ていく時は普通に玄関から出ていくんだな。
望月らしい演出って奴か。
ともあれ、望月が消えたところで、俺は武治に視線を向ける。
「俺達はタルタロスに行くけど、そっちはどうする?」
そう言い、俺の視線が向けられたのは黒服達だ。
黒服達がペルソナ使いではない以上、シャドウとの戦いでは全く戦力にはならない……とまでは言わないが、殆ど役に立たないのは間違いない。
それこそ、囮くらいになるだろうが……死ぬと分かっている戦いに連れていくのはちょっとな。
「私はここに残る。他の者達は……影時間だが、街中に出て貰う。カルト宗教の者達が何らかの行動を起こさないとも限らないからな」
その言葉に、何人かの黒服達は微妙に不満そうな表情を浮かべるも……結局何かを言う事はない。
自分達が戦力にならないというのは、理解しているのだろう。
「分かった。……なら、行くぞ」
そう告げ、俺、ゆかり、コロマル、そしてS.E.E.Sの面々全員が俺の側に近づいてきて、影のゲートに沈んでいくのだった。
「……これは……」
「厄介ね」
山岸の言葉に、チドリが淡々と呟く。
探査系の能力を持っている2人だからこそ、タルタロスのエントランスからでも、シャドウがどれだけ暴れているのかが分かっているのだろう。
「そんなにか?」
そう尋ねる美鶴の言葉に、2人は頷く。
いや、美鶴のペルソナだってこの2人には劣るが探査能力は持ってる筈なんだけどな。
もっとも、2人の方が探査能力は上である以上、美鶴がわざわざ探査する必要もないんだろうが。
「となると……さて、どうするか。山岸達をここに残すとなると、やっぱり何人か護衛は必要になるよな」
いつもであれば、エントランスにいればペルソナに襲われるような事はない。
だが、それはあくまでもいつもであればの話で、今日のようなニュクスの復活する日は、とてもではないがいつものような日とは言えない。
「俺が残る」
そう言ったのは、順平。
……まぁ、チドリをこの場に残す事にになるのであれば、その恋人の順平が護衛として残ると言ってもおかしくはないか。
正直、順平は戦力としてもそれなりに期待出来るだけの力を持っているんだが……まぁ、この2人の安全を考えると、それがいいのか。
それに、ここで下手に順平の提案を却下して、有里が……恐らく、この世界の原作の主人公が残ると言うような事になれば、色々と不味いかもしれないし。
確認を求めるように美鶴に視線を向けると、美鶴もそれに異論はないのか頷いてくる。
「分かった。なら……順平、ここを頼む。タカヤやジン、もしくはカルト宗教の連中がやって来る可能性も捨てきれないが……」
「大丈夫だって。チドリは俺が守るから」
「あの、順平君。一応私も……」
そう告げる山岸に、順平が言い訳をしていた。
いやまぁ、うん。バックアップは山岸がメインなんだから、山岸を守る必要があるのは間違いないよな。
「アクセル。……後は頼んだ」
「ああ」
順平も、当然のように望月と親しい。
それだけに、今の状況には色々と思うところがあるのだろう。
そんな順平の言葉に頷き、俺は254階まで転移するのだった。
「結局、アクセル達に追いつく事は出来なかったな」
254階で、美鶴が呟く。
250階までは来ていたらしいが、12月、1月と無気力症の患者……シャドウの被害者が増えた事もあり、そこまでタルタロスに集中出来なかったのが痛いのだろう。
「まぁ、あの状況じゃしょうがないと思うけどな。……それより、先を急ぐぞ」
「だが……先を急ぐと言っても、これから先の階に出てくる敵は強いだろ?」
真田の言葉に、俺は問題ないと笑みを浮かべる。
「基本的に、敵と戦う必要はない。今日が人類最後の日となるかもしれず、ラスボスとの戦いもあるんだからな。卑怯な手段を使って、あっという間に移動するよ」
「あー……」
俺の言葉に皆が理解出来ないといった表情を浮かべていたが、唯一ゆかりのみは俺が何をしようとしているのかを理解したのだろう。若干だが呆れの表情すら浮かべていた。
論より証拠という事で、次の階に向かい……
「出ろ、スライム」
そう言った瞬間、空間倉庫から銀色のスライムが姿を現し、見る間にタルタロスに広がっていく。
幾らタルタロスが迷路になっているとはいえ、スライムがあれば問題ない。
……実際、この階にいるシャドウはスライムが即座に倒し、宝箱を回収し……綺麗さっぱりと、この階を掃除する。
「アクセル、お前……」
荒垣のそんな声が聞こえてきたが、取りあえずスルーし……階段を見つけては、またスライムを出すという方法を重ねていく。
『これって、私……意味がないんじゃ……』
『そうね』
山岸とチドリのそんな会話が聞こえてきたが、取りあえずスルーしながら進み……やがて、258階まで到着し……
「待てや!」
不意に、そんな声が周囲に響くのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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