ベル・クラネルが魔剣使いなのは間違っているだろうか
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3話
ベルはギルドを出ると自身が出せる最高速度の速さで拠点へと戻っていった。
「換金も済ませてあるし、早く戻って神様にも報告しないと」
ベルが走っている先に見えてきたのは古びた教会だった。そこの地下には自身が生活する場所と彼のファミリアの主神がいる。
「ただいま帰りました。神様」
「おっかえりー。ベルくーん!」
この童顔ロリ巨…ツインテールを激しく揺らしている少女こそこの地上に下界してきた神でありベルに恩恵を与えたヘスティアである。
「もう、心配したよ。無理して潜ってるんじゃないかって気が気じゃなかったよ」
「あはは、大丈夫ですよ。あの神様、報告しなくちゃいけないことがあるんです」
「なんだいなんだい!このボクに話してごらん」
「その…すいません!魔剣を使ったところを他のファミリアの人に見られちゃいました!」
「な、な、なんだってええええぇぇぇぇぇぇ!」
ヘスティアの叫び声が教会内に響き渡った。
「どうしてだい!まさか、ダンジョンで使ったのかい!?」
「その、五階層にミノタウロスが現れまして戦っていたらナイフが折れてそれで…」
「なんで逃げなかったんだ!」
「僕が今逃げたら他の冒険者の方が被害に遭う。そう考えたらいてもたってもいられなくて」
ベルの返答にヘスティアはため息をつくしかなかった。
「君は本当にどうしようもないお人好しだね。まあ、見られちゃったものはしょうがない。でも、これ以上他のファミリアの人間にはばれないようにしておくれよ」
「はい!」
「うん、いい返事だ。それじゃあ早速ステイタスを更新しよう」
その言葉を聞いてベルは服を脱いでうつ伏せになる。
「それじゃあ早速…」
ヘスティアは声が出せなかった。
ベル・クラネル
Lv.1
力I86→H130
耐久I79→H105
器用I65→H100
敏捷I95→H140
魔力H120→G200
(トータル200オーバー。この成長の仕方は異常だ。魔法やスキルもその例外じゃないけど…)
【魔法】
《愚かなる卑怯者の鍵( ワールドイズマイン)》
・契約した魔剣の使用
・鍵の使用によるステイタス強化とソウルの使用可
・詠唱 『魔剣、解放」
【スキル】
《魔剣の英雄》
・早熟する
・魔剣の使用によりステイタスの補助
・魔剣の使用により晩成する
(普段から早熟するのに魔剣を使っただけで晩成するなんて。しかも魔法なのにステイタスの強化って……でも、気になるのはこのソウルってやつだ)
ヘスティアは共通語に直した紙を見て考え込む。
「あの、神様そろそろ降りてもらっていいですか」
「ん?ああ、ごめんよ!ベルくん。ボクとしたことが君がしたにいることを忘れてしまっていた」
ベルの苦痛の声に正気に戻ったヘスティアは素早くベルの上から降りた。
「はい、これがステイタスだよ」
「す、凄いですね。トータル200オーバーじゃないですか」
「まあ、今回は魔剣を使った弊害とも言えるけど、でも無茶しないでくれよ」
「はい、そうだ。今日はミノタウロスを倒してそれなりに稼げましたし何処かに食べに行きますか?」
ベルの提案にヘスティアは首を横にふった。
「いいや、今日は止めておこう。ボクは気分的にはベルくんの手料理が食べたい気分なんだ!」
「あはは、それじゃあ作ってきますから待っててくださいね」
そのままベルはキッチンがあるところへと向かっていったのであった。
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