転生とらぶる
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ペルソナ3
2053話
俺の正体を知らせてから、事態は俺を中心に動く事になった。
正直なところ、本来ならこの世界の主人公たる有里が具体的にどうやってこのニュクスを倒したのか……その辺りを出来れば知りたかったのだが。
残念ながらこの流れではそうはいかないらしい。
もっとも、この世界の人間では倒すのが無理だと言われたニュクスだ。どうやればそれを倒せるようになるのか、俺には全く予想出来ない。
可能性としては、ペルソナチェンジが何らかのキーになってると思うんだが、その辺は全く想像も出来ない。
ともあれ、望月も自分の事を思い出してからは姿を消し、学校からも完全に消え去った。
恐らく約束の日たる1月31日、もしくはその前日辺りまでは出てくるつもりはないのだろう。
そんな中でも、日々時間は流れていく。
例え1月31日にこの世界の命運を決める戦いに挑むのであっても、それを知っている者が殆どいない以上、日常生活は普通にすぎていく訳で……
期末テストが終わり、12月21日。
「うっそだろ……またアクセルが1位かよ!?」
順平が、廊下に張り出された期末テストの結果を見て、唖然とする。
ちなみに2位には有里の名前があって、それでもまた驚いている様子を見せていた。
「ま、実力だよ実力」
「ぐぬぬ……何でこんな……悔しい」
そう嘆く順平の成績も、かなり上がってきているのは間違いない。
一時期は赤点かどうかといったギリギリの場所を低空飛行していたのだが、赤点を取れば美鶴によって補修があるという点や、チドリに勉強を教える為に……そしてチドリの前で格好悪い場所を見せたくないからといった理由で必死に勉強した結果もあって、成績上位者とまでは言わないが、平均点前後を取れるようにはなっている。
チドリの方は……まぁ、生まれてから今までずっと学校とかに通った事がなかったらしいので、どのくらいの成績なのかは考えるまでもないだろう。
正直、進級出来るのかどうか、かなり不安なのだが……その辺は、桐条グループの方でどうとでも手を回すんだろう。
「いやいや、順平の成績の方が有り得ないだろ。くそっ、ちょっと前までは俺と同じく赤点ギリギリだった癖に」
友近が不満を露わに告げていた。
ちなみに友近は……ギリギリ、本当にギリギリで赤点を免れたらしい。
低空飛行ではあっても、一定以下に落ちないってのは素直に凄いよな。
「あー、もう、俺の仲間は宮本だけだ。なぁ、宮本」
「俺も成績は悪いけど、友近程に悪い訳じゃないぞ」
「……そう言えば、もうちょっとでクリスマスだけど、どうする? 皆で集まらないか?」
宮本の言葉に、露骨に話題を変える友近。
まぁ、旗色が悪くなったのを敏感に感じ取ったのだろう。
だが……俺はそんな友近に、首を横に振る。
「悪いな、俺は24日も25日も約束が詰まってるんだよ」
「は? いや、ちょっと待て。24日は分かるけど、25日もか!? 誰と一緒だ!」
「さて、誰だろうな」
友近の反応を見れば分かる通り、現在のところ俺が美鶴と付き合っているという話は全く知られていない。
俺とゆかりが付き合っているという話は普通に広まっているので、もし俺が美鶴とも付き合っているという事を知られれば、間違いなく大々的に話は広まるだろう。
それがないという事は、今はまだ話が広まっていないのは間違いない。
……もし下手にその辺りの情報が知られれば、間違いなく俺は美鶴のファンクラブの面々に襲撃を受けていた筈だ。
特に美鶴をお姉様と慕う連中は……うん、まぁ、美鶴が俺と付き合う事になり、ホワイトスターで暮らすような事にでもなれば、そういう方面にも慣れて、楽しめるようになる……筈だ。
「もしかして、2日連続!?」
「その辺りは何とも言えないな。……それより、クリスマスで独り身ってのは、友近だけじゃないか?」
「え? いや、待て。ちょっと待て」
俺の言葉にこれ以上ないくらい動揺しながら、友近はその場にいる者達に視線を向ける。
順平に視線を向けるもその視線はすぐに逸らされる。
順平とチドリの関係は、それこそ見れば分かるのだから当然だろう。
有里と山岸もそれは同様で視線を逸らされ、話題を振った俺は当然のようにスルーした。
そうなると、この場に残っているのは宮本しかいないのだが……
その宮本は、そっと視線を逸らす。
だが、俺は宮本と同じ部活の順平から話を聞いて知っている。
最近宮本は西脇という幼馴染みの女と急接近しているらしい。
勿論正式に付き合っている訳ではないが……友達以上恋人未満。しかもそれの割合はかなり恋人側にあるらしい。
「な……な、何でだあああああああああああああああああああああっ!」
友近の慟哭が、廊下に響き渡るのだった。
もっとも、友近にも幼馴染みの女がいるらしいので、宮本を嫉むのはどうかと思うのだが。
「アクセル、待った?」
そう言い、ポロニアンモールでゆかりが声を掛けてくる。
クリスマスイブのデートに相応しい、気合いの入った格好。
もっとも、今日も学校で授業があったので、放課後になってから俺がゆかりを寮まで影のゲートで送っていって、俺も一度部屋に戻ってから着替えて、こうして改めてゆかりと待ち合わせをしたのだが。
「いや、俺も今来たところだよ。……ってのが、様式美だったか?」
「あのね。……ま、いいわ。それより、どう?」
そう言いながら、ゆかりは着てきた服を自慢げに見せる。
「ああ、似合ってる」
「もう、それだけなの? もうちょっとこう……上手い表現をしてもいいと思うんだけど」
そう言うゆかりは、間違いなく現在ここで一番目立っていた。
実際、クリスマスイブの夕方という事で、ここで待ち合わせをしている者の数はかなり多い。
だが、そんなカップルであっても、男がゆかりに視線を奪われて、それを見咎めた女の方が抓ったり足を踏んだり……酷いのになるとビンタをしてその場で帰っていったりしているのだから。
それ程の魅力があるのだから、間違いなくゆかりは可愛い……いや、この場合は美しいと言った方がいいだろう。
正確には、可愛いから美しいに羽化している……という表現が相応しいのか?
「それより、早速だけど行くか。このままゆかりがここにいれば、折角のクリスマスイブのデートを楽しんでるカップルを、破滅させてしまいそうだし」
「……あのね……」
少し不満そうにしているゆかりだったが、俺を見る目には自分の美しさが褒められたといったような、満足感もある。
「それで、どこに行くの? 折角のクリスマスイブなんだし、ロマンチックなデートをエスコートしてくれるのよね? クリスマスは美鶴先輩に譲ってあげたんだから、しっかりと楽しませて貰わないとね」
クリスマスとクリスマスイブ。どちらが恋人同士で一緒にすごす日かと言われれば……イブの方がそれらしいと思うんだけどな。
まぁ、ゆかりがこう言うって事は、多分ゆかりの中では俺と違う認識なのだろう。
「そうだな、取りあえずクリスマスツリーでも見ていくか? 折角ポロニアンモールまでやってきたんだし」
人の集まる場所という事で、当然のようにポロニアンモールにも目玉となるように巨大なクリスマスツリーが用意されている。
折角ここで待ち合わせをしたのだから、それを見ないという事はないだろう。
「そうね。じゃあ、ちょっと見て行きましょうか。本当なら、もっと暗くなってからの方がイルミネーションも綺麗なんでしょうけど」
そう言いつつも、ゆかりは結構嬉しそうな様子を見せている。
2人で腕を組み、クリスマスツリーの前まで移動する。
「不思議よね。本当なら、私がこうしてアクセルと一緒にクリスマスツリーを見ているなんて事は絶対になかった筈なのに」
「だろうな。俺がこの世界に来なければ、ゆかりは……」
そこまで言った瞬間、組んでいる腕を抓られて強制的に言葉を止めさせられる。
「あのね。私が好きなのは……その、アクセルなんだから。他の男とこうやってクリスマスイブにデートをするような真似をしてると想像されるのは、面白くないわよ」
「あー……うん、悪いな。ともあれ、他の場所にでも行くか。パリ辺りに行ってみるか?」
普通なら冗談か何かだと思うだろうが、俺の場合は普通に影のゲートで転移が可能なんだよな。
それこそ、1日で何ヶ国もの国に行くのも難しい話ではない。
もっとも、パスポートの類がないままの移動なので、実際には入国管理法とかの違反ではあるのだが。
「それも面白いけど……その、今日はポロニアンモールで一緒にすごしましょ」
「そうか? まぁ、ゆかりがそう言うのならそれでもいいけど。……となると、映画は……普通のデートっぽい感じで、今日はあまり相応しくないか。ああ、そう言えばプラネタリウムが最近出来たらしいけど、そこに行ってみるか?」
この時季にオープンしたのは、当然のようにクリスマスが近くなっているから、それを見越しての事だろう。
クリスマスのデートでプラネタリウムに行くのが一般的なのかどうかは分からないが、ともあれ、ゆかりもそれには賛成のようだったので、俺達はプラネタリウムに向かう。
当然だが、恋人同士、夫婦同士といった連中がそれなりにいたが、幸い俺達は上手い具合に並ばずに入る事が出来た。
その後はイルミネーションで飾られているという並木道を歩いたり、クリスマスメニューを出している喫茶店で紅茶とケーキを楽しみ、今日と明日だけやっている映画があるというのを喫茶店のマスターから聞いて、ゆかりがそれを見たいというので結局映画を見る事にして……と、何だかんだとゆかりとデートしていると、やがて8時近くになる。
「ね、アクセル。今日の夕食は予約しておいたお店があるんだけど……いい?」
「……ああ、だから外国じゃなくてここでって言ってたのか。エスコートは任せるって言ってなかったか?」
「ごめんね。ただ、ちょっと……その、今日は特別な日にしたいから」
自分で言っていて照れ臭くなったのか、ゆかりの頬が赤く染まる。
寒さで……という可能性もあるかもしれないが。
ともあれ、ゆかりがそう言うのであればと食事する場所は任せたのだが……到着したのは、予想外な事にホテルだった。
いや、クリスマスなんだしホテルで食事をするというのは珍しい話じゃないし、俺達の稼ぎから考えれば、こういうホテルでの食事は全く問題ない。
……夜景を見ながら食事をするという意味では、寧ろクリスマスらしいのか?
そうして予約をしていたホテルのレストランで、窓際の席での食事となる。
「凄いわね」
「……ああ」
窓際だからか、窓から街の夜景がしっかりと見える。
クリスマスという事で、イルミネーションによって飾られているという関係もあり、まさに幻想的と表現するのに相応しい光景だった。
勿論、夜景を楽しむという点で考えれば、これよりも美しい夜景は幾らでもあるのだろうが……
「ああ、そう言えばいっそ火星とか月とかでクリスマスディナーを楽しむってのも思い出になって良かったかもしれないな」
「思い出にはなりそうだけど、何かを食べるのが大変そうね。それに、もし食べる事が出来ても美味しく食べられるかどうかは微妙だし」
そんな風に会話をしながら、俺達はコース料理を食べていく。
食事の量としてはそこまで多くはないが、別に大食いチャレンジをしている訳でもないので、このくらいの量でおかしくないのだろう。
それに、多くないというのはあくまでも俺が感じる事であって、一般人にしてみれば十分満足出来る量だった筈だ。
そしてクリスマスらしくデザートのケーキが出され、そのケーキに舌鼓を打つ。
イチゴを始めとした果物がたっぷりと載っているショートケーキ。
ただし、コース料理だけに大きさそのものは普通だ。
「美味いな」
「うん、生クリームなんだけど、イチゴとかの酸味と喧嘩してなくて、しっかりと舌を楽しませてくれるわ」
グルメリポーターのようなコメントを残すゆかりだったが、実際、その言葉は決して間違ってはいない。
ケーキを持って来た人によると、今日の為にこのホテルでは世界的なパティシエを呼んだらしいし。
そうしてデザートも食べ終わり、俺とゆかりは夜景を見ながら食後の紅茶を飲みながら話をする。
そうした会話の中、不意にそれが途切れたその時、コツ、という硬い音がする。
何だ? と視線を向けると、テーブルの上に置かれていたのは鍵。
それもこのホテルの部屋の鍵。
そして今日がクリスマスイブとなれば、それが何を意味しているのか、俺にも分からない訳じゃない。
「いいのか?」
「……うん。アクセルなら大丈夫だと思うけど、もしかしたら……本当にもしかしたら、これがアクセルと一緒にすごす最後のクリスマスになるかもしれないもの。なら、私にアクセルの爪痕をしっかりと残して、アクセルに……抱かれたいの」
そう笑みを浮かべたゆかりは、照れからだろう。顔を赤くしている。
料理の中にアルコールの類が入っていなかったので、そっち関係ではないのは確実だ。
「本当は、高校を卒業するまでは……ゆかりに本格的に手を出すつもりはなかったんだけどな」
そう言い、俺はゆかりと共にレストランを出て……ホテルの部屋に消えていくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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