繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ
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01.三匹の迷い猫
Prologue
前書き
きっとまたリメイクするので、その時はまた読んでくださいお願いしますぁあああ‼‼
と言うか、初めまして(?)エギナです。
可笑しなテンションで申し訳ございませんが、此れから本当に宜しくお願いします‼‼
私は、ね。学生、だか……らね?不定期、ね?更新、ね……だけど、ね?
宜しくお願いしまァァァアアアっす‼‼‼
そしてコメントくださァァァアア((殴
高評価もくださァ((殴
暗闇と静寂に包まれた街。
道路脇に立ち並ぶ高層ビルの灯りは消され、街灯の灯りも消されている。
一歩路地裏に踏み入れば、其処は漆黒の、闇の世界。無事帰って来る事が出来る保証は無い。
―――否、外に居るだけで、明日が来ると言う保証は無かった。
紅い雲に覆われた空。仄かに光を放つ濃い霧。〝不気味〟としか言えない場所だった。
銃で武装した、白い外套を羽織った男が五十、街の至る所に居る。無くした物を探すように、男達は街の中を歩いていた。
そして、妖しげに空に浮かぶ月は、雲の隙間から〝彼等〟を照らしていた。
「はいはーい、こちら指令係―。聞こえてますかー?」
交差点の一角にある高層ビルの屋上に、独り携帯電話を耳に軽く当て、喋る少女が居た。
所々が解れたり、汚れていたりして、ぼろぼろになった黒い外套の裾を靡かせ、少女はもう一度携帯電話に向けて喋る。
「元気にしてる? 響也、千尋」
口の端を吊り上げ、喉の奥でクツクツと笑う少女は、そっと屋上の柵に腰を掛ける。
この都市のビルは雲の高さを超える。万が一柵から落ちたら確実―――いや、必ず死ぬ。
だが、少女は足をぶらぶらと揺らし、躰を前後に揺する。死を恐れていないとしか思えなかった。
その時だった―――街の外れにひっそりと建っていた廃工場が、大きな音を上げて爆発したのは。
街の人々が家から出てくる事は無い。此処には人が住んでいないのだから。
『オイ、馬鹿琴葉。こっちは終ったぜ』
携帯の向こうから、初めて声が返って来る。それは低くも高くも無く、苛立ちを含んだ声だった。
「りょーかぁい。じゃ、そのまま街を突っ切ってね。で、出来れば白猫の司令官と相討ちになって死ね」
『死ぬかボケ‼』
画面越しでも分かる、かなり苛立っている様子。今電話の相手と会ったらどうなるか分からないと想像し、少女は苦笑を浮かべた。彼女の頭には、割れた地面に血を流して倒れこんでいる、自分の姿が映っていた。
すると、ブオォンと重低音が街の中に響き渡った。
「うふふ……存分に暴れ給え、響也」少女が呟く。その視線の先には、一人の少年が居る―――。
一台の単車に跨り、静かに目の前のビルを眺める少年。前髪の奥から覗く瞳が、古くなったビルを綺麗に映し出す。
カチッ。少年は腰に付けたポーチから球体の〝それ〟を取り出し、〝それ〟をビルに向けて放る。そして、単車のスロットルを乱暴に回して、その場から去っていく。
直後―――先程、少年の目の前にあったビルが一つ、大きな音を立てて崩壊した。
瓦礫が地面に落下し、大きな音を立てる。鉄骨が道路に落下し、放射線状の罅が入る。破片が砲弾の様に辺りに飛び散る。
『琴葉。今そっちに五人向かった。そろそろ柵から降りて居ろよ?』
また通話口の向こうから声。今度は先程とは打って変わり、荒立っていない声。優しい声だった。
少女は柵から降り、屋上の床に立つ。その後ろでは、また一つ、また一つとビルが崩れて行く。
「御機嫌よう、正義に生きる白猫達」
少女は静かに呟く。その声は、澄んだ空に響き、消えて行く。〝一つの銃声に掻き消されながら〟。
パァン!乾いた音が街中を駆け巡った。―――直後、少女は前方に躰を倒した。が。
「……僕の前で此奴の心臓を撃ち抜くなんて、未だ未だ甘い考えだな」
夜空と同じ色をした外套が宙を舞う。少女も何時の間にか躰を元の状態へ戻している。そして―――
「いきなり突き飛ばすなんて酷い!もう、千尋ってば私の扱い雑過ぎ」
頬を膨らませ、現れた少年にビシッと指を向ける少女。対して少年は冷ややかな表情で、少女を見返していた。
「貴様等……死ねッ‼」
少年と少女の姿を見て、ギョッとした表情を浮かべた白外套の男は、直に銃を構え、引き金を引いた。
―――が、少年に向けて放たれたそれは、一瞬の内に跡形も無く消え去った。
「そんな幼稚な玩具、僕には届かない。死ぬのは…………君達だ」
少年がそう言うと、急に男は倒れこんだ。何かに苦しむようにもがき、そして動かなくなる。
ガチャッと連続して音が鳴る。
「全員撃て‼」白い外套を纏った男達の司令塔らしき者が指示を出す。構えられた銃が暴れる。それと共に、背後でブォンと重い低音が腹の底に響く。
放たれた銃弾は少年と少女へ向かって真っ直ぐに進む。そして銃弾の幾つかが躰に突き刺さる―――筈だった。
「……後で何か奢れよ、馬鹿琴葉‼」
少年と少女の後ろに一つの黒い影が浮かぶ。それは一人の少年と、一つの単車だった。何もない空中でスロットルを乱暴に回し、体重移動をして単車を少女の方に向ける。そして、まるで獲物を狙う獣の様な視線が少女に向けられる。
直後、発砲がピタリと止んだ。
「ホラ、終わったぜ?」所々が血に染まる黒い外套。血に染まる白い肌。薄く開いた口腔の色もまた血の色。血の色に染まった少年は笑みを浮かべて言う。
背後での爆発が視界を明るく染め上げる。少女が恐る恐る振り向くと、そこには一台の単車が派手に炎上していた。
「何やってんの……」引き攣った笑みを浮かべながら少女が呟く。対して、単車を破壊した少年は、明るい声で「助けに来てやったんだ。感謝しろ」と返す。
「声が聞こえたからビルの壁を登っただけだ。他の何にもしてないだろ?」単車を破壊した少年が、こてんと言う音が付きそうな程軽く、首を傾げる。「何か問題でもあったか?」
「んー、まぁ問題は無い、かなぁ……?落下死でもしてくれればよかったのに」
曖昧な返事を返す少女。返事とセットで送られた嫌味に反応し、少女に掴みかかる少年。そして、二人の取っ組み合いを少し離れた所から見守る少年。
―――落下死なんてヘマするか‼―――イヤイヤ、御前なら遣りかねないって。まず、単車でビルの壁を垂直に走るとか有り得ない―――俺にはそれが出来るんだよ‼―――イヤイヤイヤ、知らないし。能力使ったって重力を無視するとか有り得ないし―――俺には出来る、それだけだ。御前、自分が出来ないからって嫉妬してんのか?―――な訳ないじゃん。ただ、そんな怪物みたいな事、どうやったら出来るのかなぁと。あ、御前は阿呆だからできるのか―――なんだとッ‼―――ほらぁ!そうやって直に掴みかかってくる‼〝単細胞〟って言葉がお似合いね―――テメェ‼―――うふふふ。殺せるものなら殺してみなさぁい、馬ぁ鹿―――くっそ……―――あれぇ?殺せないのー?―――うるせぇ‼体力温存だ‼―――どうしてぇ?―――判ってんのに聞くなボケェ‼
少年は少女の後ろに広がる、街を見ながら言った。
「俺達は白猫を打っ殺すんだ」
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