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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第八幕その一

             第八幕  空海さんのお墓
 高野山には日本の歴史上の有名な人達のお墓が一杯あります、そのお墓の中を回って先生も目を瞠っています。
「いや、知っていたけれどね」
「それでもだよね」
「色々な人のお墓があって」
「先生も驚いてるよね」
「そうだよね」
「うん、このお墓はね」
 ある神社の社みたいな建物を指し示して言う先生でした。
「井伊直弼さんのお墓だよ」
「あの幕末の?」
「殺された人だよね」
「桜田門外の変だったかしら」
「あの時に殺された人よね」
「凄く偉い人で」
「うん、大老さんだったんだ」
 当時の幕府で第一の実力者でした。
「その人のお墓だよ」
「へえ、この人のお墓もあるんだね」 
 ホワイティはしみじみとして言いました。
「何か時代劇じゃいつも悪役の人だよね」
「というか凄く悪い人だよね」
「そうよね」
 チープサイドの家族は時代劇での井伊直弼さんを言いました。
「偉そうで沢山の人を処刑して」
「物凄く悪い人だよね」
「何かふんぞり返っていてね」
 こう言ったのはトートーです。
「人の話は聞かないしね」
「聞かないも聞かない」
 ポリネシアもかなり否定的です。
「自分が絶対に正しいって人でね」
「もう日本を変えようとする人を片っ端から処刑して」
 ジップも否定的です、それもかなり。
「日本を潰すところだったね」
「そんな人のお墓もあるんだ」
 チーチーは嫌そうな目でお墓を見ています。
「ここには」
「意外っていうかね」
 老馬も時代劇の知識から言います。
「こうした人のお墓は別にいいんじゃ」
「そうだよね」
「僕達この人好きじゃないし」
 オシツオサレツも二つの頭でお話をします。
「あのお墓を見てもね」
「どうでもいいかな」
「こんな不人気な人そうそういないよ」
 ガブガブも駄目出しです。
「時代劇で討ち取られる時僕いつもやったって思うし」
「それ私もよ」
 ダブダブもでした。
「こんな人はどうでもいいかしら」
「凄い不人気だね」
 王子も動物達の言葉を聞いて思いました。
「井伊直弼さんって」
「日本の歴史上有数の不人気人物かな」
 トミーも井伊直弼さんについて思うことを言いました。
「この人は」
「そうだね、不人気過ぎてね」
 それこそと言った先生でした。
「殆ど死んでやったってなる作品ばかりだね」
「時代劇でも漫画でも小説でも」
「凄い不人気ですよね」
「源頼朝さんとどっちが不人気かな」
 日本の歴史においてというのです。
「一体」
「そこまで人気ないよね」
「本当に愛されてない人ですよね」
「この井伊直弼さんは」
「もう死んでも自業自得ですし」
「幕府を必死に護ろうとしたけれど」
 それがというのです。
「裏目に出てかな」
「安政の大獄でしたね」
 トミーが言いました。
「あの時に」
「そう、沢山の人を処刑したよ」
「志士の人達をですね」
「そうしたよ、吉田松陰さんとかね」
 まずはこの人を挙げた先生でした。 
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