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ロボスの娘で行ってみよう!

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第40話 流血のウェディング

宇宙暦792年10月10日

■自由惑星同盟首都星ハイネセン ハイネセンポリス ホテル アヴィスタ

宇宙艦隊司令長官ラザール・ロボス大将令嬢リーファ・ロボス中佐とダスティー・コッパーフィールド提督嫡孫ダスティー・アッテンボロー大尉の結婚式が執り行われていた。

結婚式の支度はリーファやアッテンボローが忙しくてロボス夫婦とアッテンボロー夫婦が派手にしようと張り切ったために、とんでも無い状態になっていた。国賓でも無いのに3インチ野砲による祝砲や軍儀礼隊による小銃による祝砲まで行われた。更にゴンドラで式場へ降りるという凄く恥ずかしい事までさせられて、流石に2人とも真っ赤になった。

更に名家同士の婚姻であるから、列席者も著名人が非常多く成っていた。ジョアン・レベロ財政委員長、ホアン・ルイ人的資源委員長、アーチボルト・カスター国防委員長、統合作戦本部長シドニー・シトレ元帥、ライナー・エーデルガルト退役元帥

宇宙艦隊総参謀長兼統合作戦本部次長ドワイト・グリーンヒル中将、後方勤務本部長ニシナ・サトル(E)大将、憲兵隊総監サダ・フミオ(E)中将、第二艦隊司令官ドミトリー・コーネフ中将、第三艦隊司令官レオナール・ルフェーブル中将

第四艦隊司令官アーチボルド・クブルスリー中将、第五艦隊司令官アレキサンドル・ビュコック中将、第六艦隊司令官リチャード・パエッタ中将、第七艦隊司令官ニコラス・ホーウッド中将、第八艦隊司令官ホレイショー・アップルトン中将、第九艦隊司令官アル・サレム中将

第十艦隊司令官ウランフ中将、第十一艦隊司令官アーサー・リンチ中将、ヤン・ウエンリー中佐、マルコム・ワイドボーン中佐、ジャン・ロベール・ラップ少佐、スーン・スールズカリッター大尉、イブリン・ドールトン大尉、ヘルマン・フォン・リューネブルク准将

ワルター・フォン・シェーンコップ中佐、ジェシカ・エドワーズ、フレデリカ・グリーンヒル、同期生達、後輩達、家族や親戚など多数が集まっていた。残念ながら、イゼルローン方面パトロールのために第十二艦隊司令官セルゲイ・ボロディン中将は欠席であった。

式場ではアッテンボローがガチガチに固まりながら誓いの言葉とKissをしたが、リーファはどんと来いという感じで、早くもかかあ天下になるなと、参列者達からの笑いが起こったのであった。

リーファ自身、原作キャラとの婚姻という成果には思わずニヤリであるが、それはそれ、此からも平和な家族になれるように、肝を据えていたからこその態度であった。

式場での式の後、キャゼルヌ先輩の時と同じく、ガーデンパーテーが開かれた。
色とりどりの料理をバイキング方式で食べる方々と、親しい方々以外は、

宇宙艦隊司令長官令嬢の結婚と言う事で、列席していたために、新郎新婦よりシトレ統合作戦本部長、ロボス宇宙艦隊司令長官、ニシナ後方本部長に挨拶や話をしているばかりであったが、リーファ達にしてみればその方が鬱陶しくなくて良いやと思っていた。

新郎のアッテンボローは同期達に可愛がられていた。
「コン畜生のアッテンボロー、リーファ先輩を幸せにしろよー!!」
「アッテンボロー、浮気したら、俺達が先輩に速攻で連絡する手はずを整えたぞ!」

「「「「「胴上げだーーーー」」」」」
「「「「「わっしょい、わっしょい」」」」」
「お前等いい加減にしろー」

同期連中に担がれたアッテンボローが何回も宙を舞っている。
そしてお約束の様に噴水へ投げ込まれるのだ。
「「「「「「「「「「「「「いけー、ジャンプー」」」」」」」」」」」」」」」

「お前等、冷てーぞー!!」
その姿を見て、提督達は笑い始める。
場が和みまくりである。

アッテンボローが同期や後輩に揉みくちゃで遊ばれている中、リーファの方は同期とシンミリ話すなんて事は無く、騒ぎまくりで提督達を引かせていた。

「いよっ、リーファ、馬子にも衣装だね。すっかり花嫁してるじゃないか」
「軍報道部ですが、アッテンボロー氏に引導を渡したご心境を一つ」
「カスミ、巫山戯てないで、まともにいけよ」

「嫁さん募集中だー!!」
「関係ないジャン!」
「パストーレの馬鹿野郎!!」

「ドーソンのアホったれー!!」
「ロックウエルはロリコンだ!!」
「ガハハハ、関係ないこというんじゃねーぞ!!」

最早支離滅裂な状態で有り、新郎新婦そっちのけでの同期会状態で有る。
その枠から、リーファは離れて、人生の先輩と後輩達の輪に囲まれる。

「リーファさん、ご結婚おめでとうございます。今後とも夫共々宜しくね」
「オルタンスさん、ありがとうございます。先輩が浮気したら速攻連絡しますね」
「お願いね」

「おいおい、リーファ俺はオルタンス一筋だから、浮気はしないぞ」
「キャゼルヌ先輩は優良物件ですから。女の方から来ますよ」
「全く、お前の毒舌は相変わらずだな。黙っていれば美人なモノを、まあ結婚おめでとうな」

そう言われてにこやかにリーファは返す。
「キャゼルヌ先輩、ありがとうございます」
隣では、父のグリーンヒル中将のエスコートで来ていた、フレデリカ・グリーンヒル嬢が驚いた顔で見ている。実際はヤンに会わすために呼んだのであるが。

「ロボス中佐、ご結婚おめでとうございます」
「グリーンヒル嬢、ありがとうございます。それとリーファで良いわよ」
「ありがとうございます。私もフレデリカで」

にこやかに握手する2人である、そこへリーファが耳打ちをする。
「所で、ヤン・ウェンリーに興味が有るようね、彼の元へは行かないのかしら」
いきなりの話しにフレデリカが驚きを隠せない。

「ななんですか・・」
「式の最中ズーッとヤン先輩の姿を追っているんだもの気がつかない訳が無いわよ」
嘘である、原作知っているからカマを懸けただけなのに、見事にフレデリカが引っかかった。

「ええええ、ヤン大佐を尊敬していますし、エル・ファシルで助けられたので・・・・」
真っ赤になって慌てるフレデリカ。中々みられない姿である。
「それで、尊敬が敬愛になった訳ですね」

ニヤニヤとしながらリーファが話す。
「ははい、私が士官学校に入ったのもヤン大佐を追いかけたいから・・・・・・・です」
「ニハハ。良い事ですよね、オルタンスさん」

「そうね。ヤンさんはだらしない所は有るけど、悪い人ではないわよ、私も応援しますわ」
「そう言う事、フレデリカさん、頑張るのです」
フレデリカはそう言われて、赤くなりながら、モジモジしている。

「少し話してきなさいな、エル・ファシルの事とかを切っ掛けにすれば良いのよ」
そう言われて、覚悟を決めたのか、フレデリカはヤンの元へと歩いて行った。
リーファ曰く、此でヤンとフレデリカの再会が早まったね、でもグリーンヒルパパがどう言うかだね。

その後は、色々な友達や親戚なんかと話しまくりであった。






■自由惑星同盟首都星ハイネセン ハイネセンポリス 軍官舎

アンドリュー・フォーク中尉の枕元のTV電話が鳴る。彼はその電話を受けると、突然目が虚ろになった。「フォーク、お前は天才だ。天才たる、お前を排除する、シトレ、ロボス、ヤン、カスターを排除するしかお前に道はない。フォークは天才、あんたが大将」

フラフラと礼服に着替えると、ポケットには小型ブラスターを入れて自動地上車に乗り込み、ホテル・アヴィスタへと向かうのである。




■自由惑星同盟首都星ハイネセン ハイネセンポリス ホテル アヴィスタ

アッテンボローが相変わらず揉みくちゃ中で遊ばれている中、リーファはローゼンリッターから参加のリューネブルク准将とシェーンコップ中佐と話を始めていた。

「ロボス中佐、ご結婚おめでとう」
「リーファ嬢、人生の墓場へようこそ」
リューネブルクが真面目にシェーンコップがおちゃらけで挨拶をしてくる。

「リューネブルク准将、ありがとうございます。シェーンコップ中佐も取りあえずはありがとう、本日は来て頂いてありがとうございます」
ニヤニヤ顔の3人が和気藹々としている姿は些か変な感じで有った。

「なんの、中佐にはカプチェランカとか色々助けて貰っているからな、喜んで参列させて貰うよ」
「そうですな、リーファ嬢のウエディングドレスを見るのは感無量ですからな」
「ありがとうございます。それと遅くなりましたが、ご昇進おめでとうございます」

「ありがとう。特進の前渡しかと思ったが違うようだからな」
「小官は、死ぬ気はありませんからな、未だ未だ冷たい土の上より、女性の上の方が恋しいのでね」
「相変わらずですね」

「今月の人事でローゼンリッターが連隊から旅団編成に改変されることが決まり、小官が初代旅団長に任命されましたから、准将になっても此奴等のお守りですよ」
リューネブルクが笑いながら、シェーンコップを指さす。

「心外ですな、准将閣下のお守りをするのが小官の職責ですぞ」
「シェーンコップは第二大隊長だろう。ヴァーンシャッフェが第一大隊長でな」
「未だ編成も始まっていないですからな」

「仲が良いことで」
「フフ」
「まあ面白いことですからな」

時間はあっという間に過ぎて、式の終了の時間になり、列席者が帰るために、リーファ達はガーデンの出口で両親や家族と共にお送りするためにそこへ集合していた、するとホテルの出口から一人の礼服を着た男が近づいてきた。

別段ホテルに礼服を着た人物は全く怪しくなかったのうえに招待状を持参していたために、ガードマンも気にしなかったが、その事で大惨事が起こったのであった。

それはシトレ本部長が新郎新婦に挨拶を行った直後に発生した。
礼服を着た男がシトレに近づいてきて話しかけて来た。

「本部長閣下、私です、フォークです」
「・・・・・ほう、貴官は入院していると思っていたが」
「病院は昨日退院しました。今日は閣下に参謀として復帰をお願いに参上したのです」

「参謀として復帰?」
シトレは、あれほど馬鹿をやって未だに参謀としての復帰を求めてくる姿に些か苛つきを見せる。
「そうです、小官の見識は参謀職こそ相応しいからです」

「貴官は、自分を特別扱いする傾向が未だに直っていないようだな、私の見たところ、未だに病気としか思えない。貴官の協調性の無さは何れ貴官にとっても周囲にも不幸をもたらす。悪いことはいわない出直したまえ」

フォークの顔が強ばり、元々血の気の乏しい皮膚が殆ど土色になった。
「閣下、小官こそ参謀に相応しいのです。それを拒否するとは、利敵行為も甚だしい!!」
次の瞬間フォークの右手がポケットへ滑り込むと、閃光が白く輝き音もなく統合作戦本部長の右脇腹を貫いた。

シトレ本部長の表情が空白になり、幅と厚みのある黒い巨漢がバランスを失ってよろめいた。
驚きと悲鳴が会場に響き渡る、更にフォークは手に持ったブラスターで、シトレが撃たれたことで、一瞬呆然としたロボス宇宙艦隊司令長官も撃ち倒した。

「ううっ」という声と共にロボスの腹部から鮮血が吹き出し仰向けに仰け反った。そして次のターゲットはヤンであった。彼はシトレ狙撃時にワイドボーンと共にシトレの元へ駆けだしていたが、そこをフォークに狙われ、左大腿部に被弾し鮮血を吹き出しながら倒れ込んでいった。

 
 

 
後書き
ボロディン中将について、加筆修正しました。
ヤンとワイドボーンの階級を間違えていました。
大佐→中佐
 
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