転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ペルソナ3
2044話
ゆかりと旅館を抜け出し、夜の京都のデートをした翌日……結局美鶴が手を回していたのか、それとも単純に運が良かっただけか、俺とゆかりは特に見つかったり叱られたりせず、そのまま自分達の部屋に戻って眠る事が出来た。
そんな夜を楽しんだ翌日、今日は自由時間となる。
一応建前としては、班で行動する事になっているのだが、多くの者は別のクラスの友人や、もしくは恋人と2人で……といった具合に、まさに自由に行動していた。
当然のように俺も順平達と行動しようと思ったのだが……
「その、なんだ。今日は1日、よろしく頼む」
何故か、俺は美鶴と2人きりで自由行動をする事になってしまった。
本当に、何でこうなったのかは分からない。分からないが……ゆかりが後ろで糸を引いてるのは確実であり、そうである以上はこちらとしても迂闊な真似をする訳にはいかない。
ましてや、俺にとって美鶴というのは決して嫌いな相手ではなく、寧ろ好意を持っている存在なのだから。
「ああ、よろしくな。それでどこに行く?」
「ふむ、そうだな。もう1度清水寺に行ってみないか? 幸い、今日は天気も良い。この天気の中で、清水寺をしっかりと見てみたいと思う」
そう言われ、空を見上げる。
そこに広がっているのは、まさに秋晴れという言葉が相応しい好天だ。
修学旅行の自由行動の日にこうして天気がいいのは、俺の日頃の行いが良いから……という事にしておこう。
ともあれ、美鶴の言葉に頷いて俺達は清水寺に向かう。
当然のように、移動するのは影のゲートを使ってだ。
電車やバス、タクシー……そして歩き。
そういう移動速度とは一線を画した移動方法で、移動しようと思えば次の瞬間には、俺達の姿は清水寺の近くにあった。
「こうして天気が良い日に清水寺から眺める景色は……素晴らしいな。ブリリアント!」
「ちなみに、清水寺から飛び降りる云々って話をよく聞くけど、何気に生存率は高いらしいな。3人に1人くらいは生き残ったとか何とか」
綾瀬が以前そんな風に言っていたのを覚えている。
「ほう。アクセルは物知りだな。……それにしても、意外と生存率が高いのだな」
「らしいな。もっとも……俺達なら、飛び降りても全く問題はないだろうが」
「それは否定出来ないが、私達は色々と特殊だろう?」
美鶴達はペルソナを使えば、ここから飛び降りても何とかなるだろうし、俺は言うまでもない。
……まぁ、清水寺云々というのは、あくまでもネギま世界での知識で、このペルソナ世界でも通じるのかどうかは分からないが。
そもそも、ネギま世界の住人は色々な意味で人間とは思えない身体能力を持つ者が多い。
そうである以上、3人に1人が清水の舞台から飛び降りて生き残っていても、実はその中に神鳴流とかがいたのでは? と思ったりしないでもない。
そんな風に思いつつも、まさかその辺りの事情を美鶴に話す訳にもいかず……黙って、美鶴と共に清水寺からの景色を楽しむ。
そうして清水寺の観光が終わると、次に向かったのは青蓮院庭園という場所。
かなり立派な竹林がある場所で、ここもまた風情を感じさせる。
「これは……凄いな。正直、これ程とは思っていなかった」
竹林を見ながら、美鶴が呟く。
どこまでも続くかのように、太い竹が生えている様子は、見ている方にかなりのインパクトをもたらす。
……この竹を見て、タケノコがどうなっているのかといった感想を抱くのは、間違っているんだろうな。
「これぞ。日本庭園って感じだな」
「……いや、これは別に庭園ではないだろう」
美鶴が俺の言葉に突っ込んでくるが、その言葉にも未だに目の前の竹林に目を奪われている様子が伝わってくる。
「なら、庭園じゃなくて和風の光景とかか? わびさび的な」
「それなら、まぁ……理解出来ないでもない」
そう告げる美鶴だったが、ぶっちゃけ俺の方がよく分かってはいない。
そのまま暫く竹を眺め……そうして満足したところで、次に向かう。
「映画村? いや、その……うん、いいけど」
美鶴の要望に、そんな声が出る。
いや、だって京都で映画村となれば……うん。
もっとも、この世界では何か特に問題が起きたりはしないと思うので……多分。
そんな風に考えつつ、俺と美鶴は映画村に行く。
そうして中に入ると、当然のように着替えるのだが……美鶴はとても日本人には見えない顔立ちだし、髪の毛も赤い。
俺にいたっては、アクセル・アルマーである以上はこちらも当然のように外国人だ。
そうなると、間違いなくコスプレは似合わない。似合わないんだが……周囲をよく見れば、侍の格好をしている外国人は特に珍しくもない。
考えてみれば、この映画村は気軽に――相応の料金は掛かるが――侍になる事が出来る場所として、観光名所になっているらしい。
それこそ、日本好きな外国人にしてみれば、ここは非常に面白い場所だろう。
そんな訳で、俺と美鶴も仮装をする事になる。
俺は何故か新撰組で、美鶴はお姫様。
……何か既視感があるけど、気にしないでおこう。
どこぞの戦闘狂が襲ってきたりはしない筈だ。
「その……何だ。どうだ?」
「似合ってるぞ」
照れたように呟く美鶴に、俺は素直にそう言う。
実際、美鶴のコスプレ……いや、仮装という表現にしておくか。お姫様の仮装は、かなり似合っている。
美鶴の目立つ赤い髪は束ねられて黒い髪のカツラを被っているので、ちょっと見には美鶴に見えないけど。
「そ、そうか。アクセルもその……似合っているぞ」
俺の方を見て、嬉しそうに告げる美鶴。
そんな美鶴と共に、俺は2人で映画村を見て回る。
そんな中でも特に興味深かったのは、実際に時代劇を撮る時にも使われているという、セットだ。
普通に見る事が出来るようになっており、俺と美鶴は2人でそのセットを見て回った。
時代劇に使われているだけあって、かなり力を入れて作られているのが分かる。
もし江戸時代とかにタイムスリップしたら、恐らくこういう光景だったのは間違いないだろう。
……タイムスリップか。
普通に考えれば夢物語だが、この世界はペルソナというファンタジー要素が存在する。
もしかしたら、ペルソナの力でタイムスリップして過去に戻る事が可能だったりするんだろうか。
もしそれが出来なくても、シャドウミラーにいれば、いつか似たような体験をしそうな気がする。
もしくは、戦国時代とかが原作の世界にゲートが繋がる可能性も、ない訳じゃない。
もっとも、そういう世界に繋がってもシャドウミラーに利益があるかどうかは微妙なところだが。
何らかの、それこそファンタジー要素のある世界……剣圧を飛ばしたりとか、そういう世界なら、生身の戦闘という意味でシャドウミラーに取り入れる事が出来るかもしれないが。
もしくは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった歴史上でも有名な人物を、シャドウミラーの人員として引き抜くとか。
……それが引き抜けるかどうかというのは、別にして。
実際問題、織田信長とかはシャドウミラーとかには強い興味を持つだろうが、自分がトップでなくては嫌だとか考えそうだしな。
「次はどこに行く?」
「忍者屋敷とかあるみたいだけど、行くか?」
「忍者屋敷か。ちょっと興味深いな」
そんな訳で、俺と美鶴は映画村の忍者屋敷に行ったり、お化け屋敷に行ったり、トリックアートの館に行ったり……といった具合に、色々と見て回る。
そうして、そろそろ次の場所に向かおうという事になり、折角なので仮装の衣装を返す前に写真を撮って貰うことにした。
「はい、いいですよ。2人とももうちょっとくっついて下さい。そう、侍が姫を守るように! 肩を抱いて下さい、肩を!」
撮影係の女に言われるように、俺は美鶴の肩を抱く。
……肩を抱くのが、姫を守る侍に見えるのか? という疑問もあったが、撮影係が言うのであれば、恐らく問題はないのだろう。
てっきり美鶴も嫌がるのかと思ったが、こうして見る限りでは……うん、恥ずかしいのか、照れているのか分からないが、美鶴の頬は赤く染まっていた。
それがまた、撮影係にしてみれば面白かったのだろう。
笑みを浮かべ、美鶴が恥ずかしがるような事を言いつつ、写真を撮る。
結果として、写真に写っていた美鶴は、頬を真っ赤に染めた状態だった。
「ほら、これ」
「うむ、悪いな」
映画村を出た後、少し休憩するという事になり、ちょっと離れた場所にあった公園で休む事になった。
そんな美鶴に、俺は空間倉庫から取り出した、ペットボトルの紅茶を渡す。
秋となってそれなりに寒くなってきているのだが、今日は秋晴れで結構暖かい。
おかげで、こうして公園にいても特に問題なくベンチでゆっくりとする事が出来ていた。
「それで、どうだった?」
「……色々と面白かったのは認める」
不承不承といった感じで、美鶴がそう言う。
照れ隠しにそう言っているが、美鶴が映画村を思う存分楽しんだというのは、あの写真を撮った時の光景を思い出せば明らかだろう。
それに、本人もつまらなかったではなく、面白かったと言ってるのだから、その辺は間違いない……と、思いたい。
「楽しんで貰えて良かったよ。……それで、今日はまた、何で俺と一緒に回りたいなんて事をゆかりに言ったんだ?」
「その……もしかして迷惑だったか?」
いつもの、自信に満ちている美鶴とは思えない程に気弱な表情。
そんな美鶴の様子を珍しいと思いつつ、俺は首を横に振る。
「いや、そんな事はない。俺も美鶴と一緒に色々と見学出来て嬉しかったしな。ただ、純粋に疑問だっただけだ。まさか、一緒に回る相手がいない訳でもないだろうに」
美鶴は、俺が知ってる限り月光館学園でももの凄い人気を持っている。
人気という意味では有里も相当のものだが、有里の場合はやはりまだ転入してきてから1年も経っていないというのが影響している事もあって、どうしてもその人気は美鶴に及ばない。
だが、美鶴は中学生の頃から月光館学園にいたという事もあり、その名前は広く知られている。……そう、まさにネームバリューの違いと言えば、分かりやすいか。
それだけに、美鶴が自由行動で誰からも誘われなかったという事は有り得ない。
そんな美鶴が、何故わざわざ自由行動の日を俺と一緒に行動しようとしたのか。
勿論、俺と美鶴の関係が悪いとか、そういう事はないので、こちらとしても全く問題はなかったのだが……それでも、何故? と、そう疑問に思ってしまうのは間違いない。
「なぁっ!?」
そして意外な事に……本当に意外な事に、美鶴は俺の口から出た言葉を聞くと、あからさまに動揺した。
いや、何でそこで動揺する?
そう疑問に思うも、ここで何かを言えば余計に美鶴を動揺させる事になるだろうと判断し、落ち着こうとしている美鶴の様子をただじっと見つめる。
そうして、数分……やがて美鶴も落ち着いたのか、座っていたベンチから立ち上がり、俺の前に立つ。
真剣な様子で俺を見ている美鶴に、俺もこのままベンチに座っているのは色々と不味いだろと判断し、立ち上がる。
そうして俺達以外に誰もいない、秋晴れの公園で俺と美鶴の2人は向かい合う。
落ち着いた様子を見せた美鶴だったが、こうして向き合った状態になると、再び顔を赤くして緊張し始め……そこまで美鶴を見た時、俺はようやく、もしかしたら……と、現状を理解する。
「アクセル。その……こういう時に何と言えばいいのか、私は経験がないから、何とも言えないのだが……その、だな」
何と言えばいいのか、非常に迷った状態で周囲を見回し……そして美鶴は、やがて意を決したように口を開く。
「アクセル。私はお前が好きだ。愛している」
「……そうか」
やはり、そういう話だったのか。
そう思いつつ、何故こうなったのかと一瞬疑問に思う。
俺としては、それなりに美鶴と友好的な関係を築いていたつもりだ。
だが、まさか美鶴が仲間や戦友ではなく、女として俺に好意を抱くというのは、完全に予想外だった。
しかし……それでも、こうして美鶴に愛の告白をされた以上、誤魔化すような事は出来ないだろう。
また、俺自身が美鶴に対して好意を抱いているのは事実だ。
……普通なら、ゆかりと付き合っている以上は美鶴と付き合う事は出来ないと言うべきなのだろうが、幸か不幸か――いや、この場合は幸運にもか――俺は何人もの恋人を持つという事に慣れている。
それどころか、10人以上の恋人と同棲しているのだ。
「俺がゆかりと付き合っている。それを知っているのか?」
「うむ、その……この前、ゆかりにその話を聞かされた」
「それを知った上で告白してきたという事は、それが何を意味しているのか……分かってるよな?」
「ああ。それに、ゆかりから聞いたぞ。アクセルは、ゆかり以外にも大勢付き合っている女がいると。その……どのような相手なのかはまでは、聞かされていなかったが。だから……私も、その中の1人にして下さい」
いつもの強気な口調ではなく、女らしい口調で頭を下げる美鶴。
赤い髪が秋の風に揺れ、どこか幻想的な美しさを俺にもたらす。
そんな美鶴に近づくと、美鶴もそれが分かったのだろう。下げていた頭を上げ、俺を潤んだ瞳で見つめてくる。
そんな美鶴の顎に手を伸ばし、軽く上を向かせ……俺は答えの代わりに、そっと唇を重ねるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
ページ上へ戻る