サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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トキワの森にて〜
サトシ:「カラカラ、、、」
シンジ:「あの光はまさか、、」
白く煌びやかな光に包まれるカラカラ。
中のシルエットに変化が見られた時、
サトシとシンジは確信した。
そして光の中から姿を現したのは、、
ガラガラ:「ガラッ!!」
サトシの思いがカラカラに届き、
その力はカラカラをガラガラへと
進化させた。
その進化は大切なものを守るべく意を決した
トレーナーとその思いに応えようとした
ポケモンの2つの意思が重なり合い
生み出したものであり、その力の現れとして
ガラガラの両手には1本ずつの”ほね”が
握りられていた。
シンジ:「二本の”ほね”を所持だと?」
サトシ:「ガラガラ、、お前、、、」
(俺の思いに応えてくれたんだな、、、)
ガラガラ:「ガラッ!!」
ザングースの前に勇壮な姿で
立ちはだかる二刀流のガラガラ。
秘められた力を解放するかのように
ガラガラは”ボーンラッシュ”の態勢をとり、
二本の”ほね”は光の槍へと形を変えた。
シンジ:「馬鹿な、、そいつには
通常とは異なる力を秘めていたと言うのか、、」
サトシ:「ポケモンには無限の可能性がある!
こいつは弱くなんて無い、、。
どんなポケモンだって、トレーナーと
心を合わせればどこまでも強くなれるんだ!」
シンジ:「!!」
サトシ:「思い出したかシンジ!
これがお前の馬鹿にした、
ポケモンとトレーナーの信頼の力だ!
重なり合った1つの心は、
暴悪な力なんかに負けはしない!!
次の一撃でこのバトルを終わらせる!!
ガラガラ!!ボーンラッシュ!!」
ガラガラ:「ガラッ!」
シンジ:「ザングース!シャドークロー!!」
互いの技が衝突し会い、激しい衝撃とともに
周囲には土埃が巻き上がった。
乱れた景色が元に戻ると、
そこには地に伏すザングースを背に
横薙ぎの構えを取ったガラガラが居た。
シンジ:「馬鹿な、、この俺が
あいつに負けただと、、、」
サトシ:「シンジ、、、」
シンジ:「、、、くっ!!」
サトシ:「シンジ、覚えているか?
15年前、俺とお前がシンオウリーグの
試合後に交わした、階段での約束を」
シンジ:「!?」
サトシ:「”またバトルしよう”
、、あれが俺とお前が交わした約束で、
最後に交わした言葉だ」
歩み寄り久しい距離で言葉をかけるサトシ。
その言葉に、シンジは口を挟む事無く
耳を傾けていた。
サトシ:「その約束は、15年前の事件が
あって永遠に叶う事が無くなった。
あの日から何もかもが変わっちまって、
15年の時を経た俺とお前が対峙した時、
そこにあったのはバトルじゃなく
ポケモンを使ったただの殺し合い。
そう感じた時、俺は以前交わした約束さえも
忘れるところだった」
シンジ:「、、、」
サトシ:「でもな、シンジ、、。
今日ここでお前と対峙して覚悟を決めた時、
俺は全てを取り戻すと心に誓った。
失ったポケモン、失った世界、失った約束も」
シンジ:「、、、」
サトシ:「ただ、怒りや悲しみに満ちた
今の世界じゃ、何も取り戻す事が出来ない。
さっきのバトルも、俺とお前の約束を
果たすには場所も意味合いも違う、、。
思い出すんだシンジ。俺達が今やらなければ
ならないこと、果たさなきゃいけない約束を。
シルフなんて肩書きや人を傷つける罪を
背負ってちゃダメなんだ。もしお前が
あの約束を覚えているなら、
俺に協力してくれ、、力を貸してくれ!
人とポケモンが手を取り合って
生きていた時代、あの景色と平和を
取り戻すために!!」
サトシの思いを聞いたシンジは
ザングースをボールに戻すと、
サトシに背をむけ距離をとった。
そして、、、
シンジ:「貴様に協力、、か」
サトシ:「シンジ、、」
シンジ:「ならば、今ここで俺を殺せ」
サトシ:「!!」
それは、サトシにとって衝撃的な答えだった。
サトシ:「何の冗談だよ、、
お前を殺すなんて、、」
シンジ:「、、言葉通りだ。協力して
欲しいのなら、俺の言った通りにしろ」
サトシ:「お前、、」
その時だった。
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