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リング

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150部分:ラグナロクの光輝その四


ラグナロクの光輝その四

「ここでか」
「そうです」
 七人は宙に立っているようであった。玄室の中には宇宙があり、縦も横も感じられるものではなかった。七人の周りには銀河があり、彼等はその中でそれぞれ正対し合い、円を描いていたのであった。
 パルジファルもその中にいた。そして他の六人に対して言った。
「ヴァルハラ星系ですが」
「ヴァルハラは」
「まず、そこに帝国の本拠地があることはわかっています」
「それはな」
「我々も知っている」
 六人はそれに応えた。
「そこにクリングゾル=フォン=ニーベルングがいることも」
「そこまではわかっている」
「ではそこに双子の惑星があることは?」
「双子の惑星!?」
「そうです」
 パルジファルは彼等に対してさらに述べた。
「ヴァルハラ星系には。二つの惑星があります。まずそのうちの一つはノルン」
「ノルンか」
「はい、そしてもう一つは」
 パルジファルは語り続ける。六人はその言葉に注目していた。
「ラインです」
「ライン」
「そう、そのラインこそがニーベルングのいる惑星なのです」
 彼は穏やかな声で六人にそう語った。
「その二つの惑星がヴァルハラにあるのか」
「はい」
 パルジファルは述べる。
「ですがそこに辿り着く道はまだ判明してはおりません」
「何っ」
 六人はそれを聞いて銀河の中で眉を顰めさせた。
「モンサルヴァート殿、それでは」
「はい、我等はまだ帝国を討つことは出来ません。その首領であるニーベルングもまた」
 彼は言った。
「しかし」
「しかし!?」
「ここで一つ興味深いことがあるのです」
「それはアルべりヒ教団のことは御存知ですね」
「ああ」
 今までの戦いであの教団のことは知っていた。帝国と密接な関係にある一神教である。ジークムントは彼等の司祭と対峙したこともある。
「あの教団の最高司祭が十二月にムスペッルヘイムに姿を現わすそうです」
「ムスペッルヘイムにか」
 ノルン銀河でその星系の名を知らぬ者はいなかった。九つの恒星を持ち、生物はおろかコケですら存在しない魔の星系である。通称を炎の世界と呼ばれている。
「そこで。彼等を抑えれば」
「ラインの位置もわかる可能性があるか」
「そうです。ですがそれにはまだ」
「そこまでにある帝国の星系と艦隊を倒す必要があるな」
「左様です」
「わかった、では」
 六人はそれぞれ声をあげた。
「今こそ我々の力を合わせる時」
「そして帝国を討つ時だ」
「パルジファル殿」
 次にパルジファルにその目を一斉に向けた。
「我等卿と共に」
「帝国と戦おう」
「有り難うございます」
 まずはその言葉に対して一礼を述べた。
「ではまずは」
「うむ」
「わかっている」
 七人はそれぞれの腕を出した。そこに剣で傷をつける。
 パルジファルは闇の中から杯を取り出した。それは順番に七人の血を入れていく。
 
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