転生とらぶる
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ペルソナ3
2033話
美鶴のペルソナが進化してから、数日。
……どのような状況で美鶴のペルソナが進化したのか、ゆかりに話してからは、ゆかりが美鶴と色々と話し合うといった光景があったり、それ以降は美鶴先輩、ゆかりと呼び合うようになったりと、微妙に色々とあったが……ともあれ、満月の日を迎えた。
イレギュラーシャドウ最後の1匹にして、影時間を解決する為の最後の敵。
もっとも、最後の敵という意味では幾月やタカヤといった連中がまだ残ってるんだが、影時間になっても全く姿を現さないんだよな。
一体どこで何をしてるのやら。
スライムで探せばいいのかもしれないが、荒垣達を探した時と同じように山岸、チドリ、美鶴といった面々にスライムを見られてしまう事を考えると、気軽に使う訳にもいかないだろう。
ともあれ、幾月やタカヤが何か行動を起こすとすれば、恐らく今日。
具体的にどのような行動を起こすのかと言われれば……考えられる中で一番可能性が高いのは、単純に俺達を皆殺しにして、影時間を解決しないようにさせる、とかか。
もっとも、そのような真似が可能かどうかというのは、俺と直接戦った経験のあるタカヤが一番よく分かっているのだろうが。
敵対した相手の中に俺という存在がいる以上、その時点で戦ってどうこうするという選択肢はなくなるのだから。
そうなると、直接戦うのではなく何らかの罠を仕掛ける……とかか?
だが、並大抵の罠であれば、俺の場合は正面突破でどうとでもなる。
普通、こういう時は、それこそ知恵を振り絞って罠を潜り抜けていくのだろうが、幸か不幸か――俺達にとっては幸運で、幾月やタカヤ達にとっては不幸な事に――力ずくでどうにかなるだけの力がある。
そんな俺達に罠を仕掛けるような真似をするのであれば……さて、どんな罠を仕掛けてくる?
そもそも、罠を仕掛けられるのかと問題も出てくる。
何故なら、罠を掛けるにしても時間は当然必要となる訳で、つまり俺達よりも先にイレギュラーシャドウのいる場所を特定し、俺達よりも早く移動し、そこに罠を仕掛ける必要が出てくる訳だ。
だが、タカヤ達のチームで探索を担当していたチドリは、今やS.E.E.Sに所属している。
つまり、そもそもタカヤ達はどこにイレギュラーシャドウが出たのかを見つけるだけで精一杯となる。
おまけに、向こうは美鶴のバイクのように影時間でも動く移動手段がない可能性が高い。
つまり、偶然イレギュラーシャドウの存在を把握しても、影のゲートという転移魔法がある俺達と比べて到着が遅くなってしまう訳だ。
……逆に言えば、俺達がイレギュラーシャドウと戦っている時に姿を現して妨害してくるという可能性はあるのだから、その辺は気をつける必要があるのだろうが。
「見つけました! イレギュラーシャドウの反応です! 場所はムーンライトブリッジ!」
巌戸台分寮の1階に、山岸の声が響く。
その横ではチドリも同じように頷いていた。
2体の探査型のペルソナを持つという点で、S.E.E.Sは明らかにタカヤ達を上回っていた。
そして、上回っているのはそれだけではない。
「分かった、全員準備を整えたら寮の外に。すぐに移動するぞ」
そう、徒歩で移動しなければならないタカヤ達と違い、俺達には……いや、俺には転移魔法という存在があった。
「ここが、ムーンライトブリッジ」
天田の呟く声が聞こえてくるが、別にここに来るのは初めてって訳でもないだろうに。
「向こうも、こっちを待ちくたびれているみたいね」
ゆかりの視線の先には、イレギュラーシャドウの姿がある。
今まで戦ってきたような場所とは違い、開けている場所だ。
そうである以上、イレギュラーシャドウがこっちを待ち受けているのが十分に理解出来る。
大小の丸い輪が二つ空中に浮かび、その下に鉄骨で作ったかのような十字架があり、そこから操り人形のように糸のような物があって、本体と思われるシャドウに繋がっている。
まさに、操り人形と呼ぶに相応しい姿。
ちなみに、空中に浮かんでいるイレギュラーシャドウの下、地上には、何故か石像が存在している。……見るからに、あれもシャドウなんだろうな。
ちなみに周囲の気配を探ってみたが、やはりという、当然というか、タカヤ達の気配は存在していない。
まだこのイレギュラーシャドウに気が付いていないのか、それとも気が付いて現在こちらに向かっているのか。
その辺りの事情は俺にもよく分からないが、ともあれ余計なちょっかいを出されるよりも前にイレギュラーシャドウを倒すのを優先したいところだ。
もっとも、視線の先にいるイレギュラーシャドウを前にして、違和感がない訳ではない。
最後のイレギュラーシャドウにして、倒せば影時間が終わるイレギュラーシャドウ。
そのように思っていたというのに、こうして見たところ……そこまで強そうには思えない。
勿論これまで戦ってきたイレギュラーシャドウに比べれば強そうだとは思うのだが、言ってしまえばそれだけだ。
とてもではないが、倒せば影時間が終わるような存在である、とは思えない。
本当にこれがラスボス的な存在なのか?
それとも、やっぱりあのイレギュラーシャドウ以外にもラスボス的な存在がいるのか。
「タカヤや幾月はいないけど、どうする? まさかこのまま待つ……なんて事はないよな?」
一応、念の為に美鶴にそう尋ねてみるが、返ってきたのは当然といったような笑みだ。
「このまま攻撃に入るとしよう。上手くいけば、理事長……いや、幾月達が来るよりも前に勝負をつける事が出来るかもしれないからな」
「分かった」
美鶴の言葉に満足し、改めてイレギュラーシャドウに視線を向ける。
あの場所から動く事が出来ないのか、それとも単純に自分の方が立場が上だと判断してこっちが近づいてくるのを待っているのか……もしくは、それ以外の何か別の理由か。
ともあれ、イレギュラーシャドウは俺達が見える位置にいるにも関わらず、影時間の中でただじっとこっちを見ているだけだ。
……そうだな。これだけの広さがあるのなら……
「こっちの方からも、タカヤや幾月達が知らない隠し球を1つ出させて貰うか」
「隠し球? 何だアルマー、その隠し球というのは」
真田が不思議そうにこっちを見て尋ねてくるのに、俺は自分の影を軽く蹴る事で示す。
影から姿を現したのは、俺の召喚獣となった刈り取る者。
もっとも、刈り取る者だけであれば、他の者達も何度も見ているので、最初こそその迫力に驚くも、それだけだ。
それに続いて、俺にとってもう1匹の召喚獣を召喚する。
『我と盟約を結びし者よ、契約に従いその姿を現せ!』
その呪文を唱えると同時に空間が裂け、グリフィンドラゴンのグリが姿を現す。
「ギャアアアアアアアアアアアッ!」
姿を現すと同時に、雄叫びを発するグリ。
その迫力は、離れた場所でこっちを待っていたイレギュラーシャドウですら、身じろぎした程だ。
今まではイレギュラーシャドウと戦う時は、街中だったり、地下だったり、タルタロスの中だったり、モノレールの中だったりと、とてもではないがグリを召喚するような空間的な余裕はなかった。
しかし、このムーンライトブリッジでは違う。
それこそ、周囲に橋はあるものの、グリが自由に空を飛ぶ事が可能な場所だ。
であれば、ここでグリを召喚するというのは寧ろ当然だろう。
ちなみに、タカヤや幾月がグリを警戒して余計なちょっかいを出してこないようにする……という意味もある。
グリは、明らかにシャドウとは別物の存在だ。
それはグリを見れば、誰でも理解出来る。
つまりこの状況でグリという見知らぬ存在を目にし、様子見をしてくれれば、こっちはイレギュラーシャドウとの戦いに専念出来る訳だ。
そしてイレギュラーシャドウとの戦いが終わり、影時間の一件が解決した後であれば、それこそタカヤ達の相手は幾らでもやれる。
そんな訳で、タイミングさえ間違わなければ……そして俺の予想通りに事態が進んでくれれば、運が良ければ今日だけで一気に面倒が片づき、明日にもホワイトスターと連絡が出来るようになる可能性があった。
そうなると、この世界のどこにゲートを設置するのかも、そろそろ決める必要があるか。
もしこのペルソナ世界が、それこそ何の変哲もない一般社会であれば、わざわざゲートを設置するような事はなかったかもしれない。
いやまぁ、産業廃棄物とか粗大ゴミとか、そういうのでもあればこっちとしてはキブツに投入出来るのでありがたいが、それは別にこの世界でなくても問題はない。
だが……この世界にはペルソナがあり、シャドウがあり、それに関連したマジックアイテムが普通に存在している。
シャドウミラーとしては、そういうマジックアイテムは是非欲しい代物だ。
そうである以上、ゲートの設置は必須事項だった。
もっとも、俺はこの世界では別に何か地位がある訳ではない。
そうなると、やっぱり桐条グループにその辺を用意して貰う事になるんだろうが。
「うおっ! グリだ!」
俺と真田の話を聞いていた順平は、召喚されたグリを見て大きな声を上げていた。
まぁ、グリはかなり大きいしな。
俺がこの世界に来る前に呼び出した時よりは、明らかに大きくなっている。
……これ、どこまで大きくなるのやら。
いや、ここまで大きくなってしまえば、もうタルタロスの中のようなダンジョンの中で召喚する事は基本的に不可能なんだし、そう考えれば寧ろいっその事、大怪獣と呼ぶに相応しくなるくらいまで大きくなってくれた方がいいのか?
ただ、そうなるとネギま世界の魔法界で、グリが食べる食料がなくなりそうな気がするな。
賞金稼ぎとか、そういう連中にも狙われるようになる可能性も高くなるだろうし。
やっぱりホワイトスターに連れて来た方がいいのか?
でも、そうなるとグリが好きに動けなくなってストレスが溜まるだろうしな。
この辺り、難しい問題だよな。
「さて、ともあれこれが最後のイレギュラーシャドウとの戦いだ。張り切って戦うとしようか」
その言葉に皆が頷き、全員がイレギュラーシャドウに向けて近づいていく。
……グリのみは、空を飛びながら、明らかに俺と敵対しているだろうイレギュラーシャドウとの間合いを詰めていくが。
イレギュラーシャドウの方も、自分よりも巨大なグリの姿はどうしても気になるのだろう。こっちを警戒しながら、それでいてグリの方にも視線を向けていた。
「おいおい、そんなに甘く見ていていいのか?」
呟き、まだ十分に間合いがある状態ではあるが……折角の大舞台という事だし、遠慮なく行かせて貰おう。
『燃える天空』
その魔法を発動した瞬間、イレギュラーシャドウを中心にして莫大な炎が生み出される。
もし今が影時間でなければ、それこそすぐにでも消防車がやって来たり、TVのスタッフがやってきたり……といった事があってもおかしくないだけの爆炎。
その爆炎に、イレギュラーシャドウと……地上にあった3つの石像と思われる存在が燃やしつくされる。
「ギャアアアアアア!」
炎によってイレギュラーシャドウが包まれたのと前後し、上空にいたグリがカマイタチブレスを吐く。
その名の通り、そのブレスに触れた者は吹き飛ばされつつ、風の刃によって斬り裂かれるそのブレスは、グリの姿が大きくなった為だろう。間違いなく以前俺が見た時と比べて強力になっていた。
その一撃により、空中に浮いていたイレギュラーシャドウは地上に落下する。
「開幕の花火は上がった、行け!」
そんな俺の言葉に、いきなりの炎とカマイタチブレスに驚いていたゆかりや美鶴達は、一斉にイレギュラーシャドウに攻撃を開始する。
刈り取る者もその攻撃に協力していたのだが、ここまで大勢が入り乱れるような戦闘では、刈り取る者が得意としている広範囲魔法攻撃は使用出来ない。
……うん、俺にしろ、グリにしろ、刈り取る者にしろ、基本的に広範囲に攻撃する魔法が得意なんだよな。
勿論、単独に相手を攻撃出来ないって訳ではないが。
実際、刈り取る者は銃身が異様に長い銃を使ってイレギュラーシャドウに銃撃を加えているし、グリもブレスではなくて手足を使って空中からイレギュラーシャドウに対して的確にダメージを与えていく。
ペルソナ使い組も、当然のようにそれを黙って見ている訳ではなく、自分の武器で攻撃したり、ペルソナを使って攻撃したり……といった具合に。
これだけの人数から集中攻撃をされてしまえば、イレギュラーシャドウといえども、どうしようもないのは明らかだ。
ましてや、ペルソナが進化している者達も多いのだから。
その様子を見ながら、俺はこっちに近づいてくる気配を察し、ゲイ・ボルグを手に横やりの攻撃に備えるも……何故か、こっちに攻撃してくる様子はなく、近くで動きを止めていた。
そうしてイレギュラーシャドウが消滅し……順平が喜びの声を上げようとした瞬間、拍手の音が聞こえてくる。
「おめでとうございます。これにて、イレギュラーシャドウを全て倒すことに成功した訳ですね」
そう言いながら姿を現したのは……タカヤとジンの2人だった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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