サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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サトシ:「カラカラ!ほねこんぼう!」
シンジ:「ザングース!カウンター!」
ザングース:「ザン!!」
ざわついたトキワの森の中で
2人のバトルが始まった。
ザングースがカラカラの技を躱して
背後に回ると渾身の蹴りを入れ、
カラカラは吹き飛んだ。
サトシ:「カラカラ!」
シンジ:「覚悟を決めたはいいものの、
バトルの実力は変わらぬままか、、。
今の貴様に興味は無い。昨夜見せた
もう一つの姿を見せろ」
サトシ:「他人に任せてたまるかよ、、。
俺は俺自身でバトルをする!カラカラ!
ほねブーメラン!」
カラカラ:「カラッ!」
ギュルルル!(ほねブーメラン)
シンジ:「下らん意地だな、、。
ならば無理やり引きずり出すのみだ。
ザングース!そんな技、お前の爪で
弾き返せ!」
ザングース:「ザン!」
ガキィッ!
パシッ(ほねをキャッチするカラカラ)
サトシ:「あなをほる!」
シンジ:「地中に身を潜めたか」
サトシ(素早さはザングースの方が上だ。
だったら地中から奇襲を仕掛けて
ザングースの動きを制限するしか無い)
シンジ:「ザングースの素早さを
封じるつもりか、、判断は的確だが
詰めが甘いな。跳べ!ザングース!」
ザングース:「ザン!」
サトシ:「何っ!!」
カラカラ:「カラッ!」(地上に出るカラカラ)
シンジ:「シャドークロー!」
カラカラが地上に出るタイミングを計り
宙に跳ぶザングース。真っ直ぐ
空中へ跳んだザングースは爪を突き出し
カラカラの頭上をとらえた。
ドガァァ!(シャドークロー)
サトシ:「カラカラ!!」
シンジ:「貴様の敗因は貴様自身が
掲げているその下らん意地と、
使うポケモンの選択だ。
もう一つの姿になれば少しは
まともなバトルが出来たと言うものの、、。
そして貴様と同様、そのポケモンは弱い。
いくら覚悟を決めようと、使うポケモンを
誤れば勝てるバトルも勝てない。
15年前の貴様とのバトル、あれはどうやら
まぐれだったようだな」
サトシ:「勝ったつもりになるのは
まだ早いだろ、、カラカラ!
ほねこんぼう!!」
カラカラ:「カラッ!」
シンジ:「自分の未熟さを
認めないとは、憐れだな。
ならば貴様のバトルに付き合うのは
これで終わりだ!ザングース!
そいつを仕留めろ!」
ザングース:「ザンッ!」
サトシ(勝ってやる、、絶対に、、)
カラカラ:「カラッ!」ブンッ
サトシ(誰かが傷ついたり、、誰かが
泣いたりするのはもう、、)
一部の組織とその組織によって
傷つく街の人々、日常を失い
親とはぐれ涙を流す子ども、、
シンジ:「シャドークロー!」
変わった時代と、変えられた友、、
カラカラ:「カラッ!」スッ(回避)
失ったものと、それを取り戻す為に
再び得た、かけがえの無い存在、
そして仲間、、、。
、
悲しみと怒りが積もる中でサトシは今
これまで見てきたものを振り返り、
シンジとのバトルで自分が背負っている
ものが何なのか、その答えに気付いた。
サトシ(俺は絶対負けない、、。
変えなきゃいけないんだ、、この現状を、
この世界を!!人が、ポケモンが!
手を取り合って生きる時代へと!)
シンジ:「とどめだ!シャドークロー!」
ザングース:「ザンッ!」(シャドークロー)
サトシ(現実を変えて、俺は全て取り戻す!)
ガシィッ!
シンジ:「!?」
(攻撃を防がれただと!?)
森のざわめきが更に激しさを増していく中、
吹き荒れる風が2人のトレーナーの間を
通り抜けた。
そして、、
カラカラ:「、、、」
サトシ:「、、、」
シンジ(なんだ、、急に奴らの様子が
変わった、、)
サトシ:「シンジ、、俺はお前を倒して、
この現実の先に行く!!大切なものを守る為、
大切なものと一緒に!!」
カァッ(光に包まれるカラカラ)
この時、サトシの強い想いが
カラカラの新たな力を引き出した。
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