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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第五幕その十一

「なりたいね」
「ああ、そうなんだね」
「どうかな、この考え」
「面白いね、王様になる勉強もだね」
「その為の色々な学問もね」
「全部だね」
「息をする様にしてね」
 それこそしていないと苦しい位にです。
「なりたいな」
「ううん、そうなれた時王子はね」
「凄くいい王様になれるかな」
「なれると思うよ」
「吉宗さんみたいな、明治帝や昭和帝みたいな」
「王様になれるだろうね、もう昭和帝になるとね」
 この方のことを心から思ってお話する先生でした。
「君主としても私人としてもあまりにも立派だからね」
「何ていうかレベルが違うよ」
 昭和帝はというのです。
「君主としてね」
「王と皇帝の違いじゃないね」
「ううん、意識はしてるよ」
 王子にしてもというのです。
「王と皇帝の違いはね」
「同じ君主でも違うからね」
「そうそう、王様は一つの民族、一つの宗教でね」
「その上の君主だね」
「皇帝は違うんだよね」
「複数の民族、複数の宗教の上にあってね」
 先生は王子に皇帝についてお話します、天皇陛下は英語ではエンペラー、皇帝となるので先生も王子も天皇は皇帝と考えています。このことはトミーも動物の皆も同じできその通りというお顔で聞いています。
「一つの文明の上にもあるんだ」
「それが皇帝だね」
「ローマ皇帝もそうだったね」
「そうだね、ローマ帝国っていうね」
「多くの民族、多くの宗教が存在する国家を治めていてね」
 先生はそのローマ皇帝のお話もします。
「そして欧州の文明の上にあった」
「皇帝だね」
「中国の皇帝もそうだったね」
「うん、インカ皇帝もムガール皇帝もね」
「トルコもそうだったよ」
 オスマン=トルコのことです、あまりにも強大でとても広い領土を持っていた大帝国として知られています。
「そういえば」
「それが皇帝でね」
「日本の天皇陛下もね」
「日本は実はね」
「日本人の他にだね」
「アイヌ系の人もいるしね、そもそも僕が思う日本人は」
「縄文人と弥生人の混血だよね」
 それが今の日本人だとです、王子も言います。
「そうだよね」
「そう、そしてね」
「そこに渡来系の人も加わって」
「元々多民族でね」
「混血もしているね」
「それが日本人で勿論アイヌ系の血も入っているよ」
 この人達とも混血しているというのです。
「一緒に住みながらね」
「それで多民族だね」
「混血しつつね」
「その混血がかなりだよね」
「日本人はそういうことはおおらかなんだ」
 別に差別はしないというのです。
「だからね」
「混血も進んでいるんだね」
「そうなんだ、そして宗教はね」
「仏教と神道がね」
「一緒にあるからね、今はキリスト教も入っているし」
「天理教や大本教もあるね」
「だからね、宗教はね」
 こちらはというのです。 
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