蒼穹のカンヘル
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二十三枚目
冥界 シトリー領
「だぁぁ!また負けた!」
「貴方は中盤までは優勢なのに終盤のツメがいつも甘いのです」
「はぁぁぁ…今回は勝てると思ってたのになぁ…」
今の状況を説明すると、’ソーナ・シトリーにチェスで伸された直後’だ。
「そこら辺の一般人よりは強いですが、私には敵いませんよ」
「そうかよ、つかアンタの姉上は?」
「あと二時間は帰ってきませんね。
ところで何故このような時間に?」
二時間って…
「アンタの姉に時間指定で来るよう言われて来たらアンタに絡まれた次第だ」
今朝、魔方陣から手紙と印章紙が送られて来た。
内容は指定の時間に印章紙で転移しろという内容だった。
「絡むとは失礼ですね。お姉様のクイーンがどんな男かと気になっただけですよ」
セラフォルーのクイーンになって五日、何の音沙汰も無かった所に急にアレだもんな…我が主様(笑)はフリーダムだなぁ…
「取り敢えず我が主様(笑)の目的俺とアンタを会わせる事って解釈でいいのか?」
「さぁ?お姉様が帰ってきたら直接聞いてください」
「そうさせて貰うよ」
「やぁ!少年☆元気だった?」
セラフォルーの持つ応接間(と聞いた)のソファに座って本を読んでいると我が主様(笑)が入ってきた。
コスプレ姿で…
「元気だぞ。あとあんなに早く呼び出しといて自分は遅れて来るって淑女としてどうなの?
ねぇ魔王様?」
「あれ?ソーナたんに会わせたかったんだけど…居なかったのかな?」
「居たよ?いきなりチェス挑まれたよ?」
「それは良かった☆」
「ウゼェ、いちいち"☆"をつけるな。
カンヘルで三枚に降ろすぞ」
「それは夜のお誘いかな?私の服を脱がそうっていう…」
「オーケー!お望み通り剥いてやんよ!」
掌に力(魔力光力聖力龍力が混じったなんかよくわからない力)を集める。
それをセラフォルーに叩き付けようとしたのだが…
「キャー☆カガリ君へんたーい☆」
ヒラリとかわされてしまった。
「ほらほら~どうしたの☆そんなんじゃ私の服を脱がせる事はできないZO☆」
UZEEEEEEEEE!!
「あぁ、もういいや…で、今日俺を呼んだ理由はなんでしょうかワガアルジサマー」
「うん☆君の忠誠心は一先ず置いとくとして…
君に領地をあげるよ☆」
領地?あぁ…原作でも劵族に領地を分割授与するっていう話があったな…
「ふーん…」
「いやー☆私魔王なんだけど領地が広すぎてちょっと手がまわらないんだよね☆」
「仕事しろ魔王少女」
「だからクイーンの君には沢山土地をあげちゃうよ☆」
「管理の押し付けの間違いだろ」
「さぁ?何の事だろうね☆」
すっとぼけたセラフォルーは一枚の地図を取り出した。
「えーとね…この範囲がレヴィアタン領ね☆
で、君にはこの範囲を治めてもらうよ☆」
セラフォルーが指差したのは湖がある島だった。
なんだ、案外小さいじゃないか。
「あ、一応言っておくと人間界のオーストラリア大陸くらいの広さね☆」
「治められるか!ガキに一国任せる気かテメェ!」
「テメェじゃなくってレヴィアたんって呼んで☆」
「知るか!」
「大丈夫だよ☆都市は無いから☆」
いや、確かにそれは楽だが!都市の有無の問題じゃねぇだろ!
「そういう話じゃねぇよ!」
「大丈夫☆」
はぁ…しょうがない…やるしか無さそうだな…
「どうなっても知らねぇからな?」
「いいよいいよ☆」
良くねぇけどな。
という訳で俺は広大な土地を受け取った(管理を押し付けられた)のだった。
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