白き竜の少年 リメイク前
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中忍試験!
前書き
今回の話では年齢変更がある原作キャラが出ます
「出る人は明日の午後4時までにアカデミーの301に来てね」
中忍試験の説明を受けてリンからハルマ達は中忍試験の願書を受け取った。リンは既に立ち去り、そこにはは戸惑った様子のハルマとカナ。強い奴と闘えると高揚しているレツの三人がその場にいた
しかし、レツだけが乗り気な訳ではなく、自分の力を試せるチャンスとあって乗り気なのはハルマもカナも同じだ。自分達が試験を受けられる事に疑問を感じるものの、試験を受ける事自体にハルマも抵抗はない
しかし、カナはどうなのだろうかと考え、ハルマが問いかける
「それで、カナは参加するのか?」
「参加するけど・・・・ハルは大丈夫なの?私達が出るなら多分アズサも出るだろうし」
心配して、そう言うカナは暗に辛いなら出なくていいと言っているようにハルマには聞こえた。口が悪いところもあるが、優しいところもある彼女は実際にそういうニュアンスで言ったのだろう
しかし、ハルマには里人から認められたいという思いもある。口にしてそう言う事はなくても、その考えは常にある。このチャンスを棒に振りたくない。今更一つ二つの障害で止まる気は毛頭ないのだ
「あいつと俺にあるのは血の繋がりだけだ。気にする必要はないだろ。妹だと思った事もないしな」
二人はハルマに何も言えない。同じように何かしらの深い孤独を味わっていても、肉親との確執なんてないのだから。兄妹で対立するのとは違うとも思う。二人は異母兄妹であっても、兄妹と感じた事などないように感じられる
分かるのはお互いに自身が与えられなかったモノを持つ相手を一人は複雑な心境を抱き、もう一人は憎み、罪の証として見ているという事
「とりあえず明日だ」
だが、もう他人の家庭事情を心配している暇はないだろう。彼らの戦いはもうすぐ始まろうとしているのだから
木の葉に存在する演習場の一つに年若い三人の少女達がいた
黄色い浴衣を着た白い瞳 白眼と腰ほどまである長い黒髪が特徴の少女が青い浴衣を着ているショートの黒髪が特徴の少女に話しかける
「ねえ、アズサ。ハルマは中忍試験に出るの?」
白眼の少女 日向ハナビの問いかけにショートの黒髪の少女 千手アズサが苛立った様子で返事を返す
「知らないわよ!それとあいつの話をしないでっていつも言ってるでしょ!ハナビ!」
ハナビは気にした様子はなく、あっけらかんとごめんごめんと言って済ませているが、気弱い印象を受ける目元にかかるぐらいの前髪で、腰ほどまであるストレートの長い黒髪が特徴の黒目の少女 成宮ユウカがやんわりと窘めるように言う
「ア、アズサちゃん。そんなに怒らなくても」
「ユウカ!あんたはおどおどしない!実力はあるんだから、もっと堂々としていればいいの‼︎」
するとアズサはユウカの態度を注意するが、怒鳴るように言ってしまい、更にユウカを怯えさせる結果となってしまう
「う、うん。ごめんなさい!」
ビクビクした様子のユウカを見ながら、ハナビは話題を最初の話に戻す。呟くように言うハナビは最初の言葉を期待しているかのように。少しの間の後に呟いた言葉は少し暗い表情で話していた
「でも出るかなぁ。やっぱり・・・・・・後ヒナタ姉様も」
「ふう。あいつに興味を持つなんて物好きね」
「いいじゃない。別に」
溜め息を一つ吐いて、アズサがその場を締めくくる
「まっ。お互いに頑張りましょう」
三人がいる場所の近くには、忍装束の黒い服を着た男と短髪の黒髪と犬歯が特徴の男。そして刀を携えた女がいた。彼らはアズサ達を注視していた。ストラップのように付けられた女の額当てと男達の額に付けられた額当ては彼らが音隠れの里の忍である事を示している
「なあ。あれが木の葉の名家か?」
犬歯が特徴の活発そうなイメージを抱かせる男 家昌が彼女達を指差して問いかける。それには明らかな失望が含まれている様子で、刀を携えた女 朱里も三人を見て、己の見解を述べた
「我々の敵ではなさそうだが、一応警戒はすべきか」
そして、忍装束の男 将門が淡々と、しかし自信のある様子で言葉を返した
「問題はない。中忍試験、勝つのは我々だ」
「そうだな。しかし殺してはならないぞ。奴らの力。我らの為に役立ててもらわねばならないのだからな」
翌日 7月1日
ハルマ達はアカデミーの301に足を踏み入れようとしていた。受付終了時間まではまだ時間がある。そして三人の目の前にはリンが立っていた
「やっぱり三人で来たね!」
笑顔でそう告げるリンは満足そうに頷いていた
「リン先生!」
しかし、笑顔から一転。彼女は真剣な表情になると、改めて確認をするように三人に対して言葉を発する
「分かってると思うけど、この試験は遊びじゃないからね!」
その言葉にハルマが重々しく頷き、返事をする
「分かってるさ。忍としての覚悟はもう出来てる」
死ぬ覚悟も出来ていると暗に告げるハルマの言葉に補足するようにカナが言葉を紡ぐ
「もちろん、生きて中忍になるつもりではいますけど」
「見ててくれよ‼︎リン先生!」
レツの言葉に、リンは再度笑顔を見せ、三人を送り出す
「うん!応援してるよ!」
「(きっと、大丈夫だよね?)」
ハルマの背中を見て、そう感じたリンは、教室の向こうへと消えた彼らに向かって、エールを送る
「頑張ってね。みんな」
波乱に満ちた中忍試験が今、始まろうとしていた
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