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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第四幕その四

「同じ寒い場所でも物凄く離れてるからね」
「地球で一番離れてるからね」
「北極と南極じゃね」
「それでも同じサファリにいるなんて」
「凄いことよ」
「普通に考えたら」
「全くだよ、何ていうか」
 皆にさらに言うホッキョクグマでした。
「これは凄いことだよ」
「全くだね」
「動物園やサファリならではだね」
「こうしたことがあるって」
「しかも寒い場所の生きものだけじゃないね」
 さらにお話するホッキョクグマでした。
「アフリカみたいに暑い場所の生きものが多いね」
「ここは特にそうだね」
 今度は先生がホッキョクグマに応えました。
「ワールドサファリだからね」
「そうだよね」
「さっき僕と王子がお話したサーバルキャットもそうだし」
 ここでもこの生きもののお話をした先生でした。
「アフリカ、そして海の生きものがメインだね」
「僕も海の生きものに入ってるね」
「北極に大陸はないからね」
 海と氷だけがあります、それが北極です。
「だからね」
「そちらになっているんだ」
「ペンギン君達も一緒でね」
「南極は大陸あるって聞いたけれど」
「そうだよ、ただペンギン君達は海の中で魚を獲って食べるからね」 
 それでいつも泳いでいます、南極の海を。
「そうなるよ」
「同じ海の生きものだからかな」
「ここに一緒にいるんだ」
「そうなるんだ」
「それに君達は人気があるから」
 ペンギン達もホッキョクグマもというのです。
「日本の多くの動物園にも一緒にいるよ」
「そうだったんだ」
「人気者だからね」
「北極も南極も関係なく」
「そうだよ、確かに不思議なことだけれど」
 北極の生きものと南極の生きものが一緒にいることはです、自然のことから考えるとやはり不思議なことですが。
「それでもだよ」
「人間の都合なんだ」
「一言で言うとね」
 先生も否定しません。
「君達には迷惑かもね」
「まあ僕はここでいつもお腹一杯食べられて色々安全で快適だからね」
 それでと答えたホッキョクグマでした。
「いいと言えばいいけれどね」
「そうなんだね」
「まずお腹一杯食べられる」
 それもいつもです。
「これが大きいよ」
「何といってもね」
「そう、だからね」
「君はここにいてだね」
「快適だよ、だから人間の都合でもね」
「いいんだね」
「それはどうでもいいね」
 笑って答えたのでした。
「僕としてはね」
「違う考えの子もいるね」
「そうだよ、けれどね」
 それでもというのです。
「僕はそうだから」
「それでだね」
「いいと思うよ、ここにいて」
「それは何よりだよ、ただ気をつけることはあるね」
「太り過ぎだね」
「そう、いつもお腹一杯食べているとね」 
 笑ってです、先生はホッキョクグマにこうも言いました。
「僕みたいになるよ」
「太り過ぎかな」
「僕は日本に来てかなり痩せたけれどね」
 それでもというのです。
「気をつけないとね」
「うん、食べ過ぎにはね」
「お腹一杯食べてもね」
 いつもそうしていてもです。 
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