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ランス ~another story~ IF

作者:じーくw
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第0話 始まりの夢

 
前書き
~一言~

い、いやぁ…… もーーしわけ無いですっっ!!! ランスシリーズのSSを書いてて、まだランス03……。ランスの結末までは、4、4.x、5D、6、戦国、クエスト、9とあるのに…… ランスX第二部をしてたら ウズウズしちゃって…… 涙

なので、めっちゃ飛ばしで書いちゃいました……苦笑

一応便宜的にIFを付けたのは、大まかな流れは変わらないものの あくまで正史はランス ~another story~なのです。変わっちゃう可能性が大なので 言い訳予防で《IF》を付けたしました!

多少なりに第二部のネタバレになっちゃうので その辺りはご了承ください!!

最後にこの小説を覗いてくれてありがとうございます! ……正史世界もここまで来られるように頑張ります…… 

                             じーくw 

 


―――どうだ……? 今回はお前もこればかりは予想外だったんじゃないか?


 そこは果てしなく白い世界。否光に包まれた世界。
 何人たりとも立ち入る事の出来ない聖域……神の領域。

 そこには比較的陽気とも言える声が響いていた。


―――まさか、あの男の内にいたのが私だった事。お前は予想出来ていたか? くくっ ラサウムの事は彼奴は判っていた様だが どうやら私の事までは感知できなかった、と言っていたぞ。


 目も開く事の出来ない程の光。それが少しずつ失われていき、軈て巨大な白い何かが現れた。
 ゆらりゆらりと浮かび、その巨大な何かはぐるりと回ってこちら側を見た。あまりに途方もなく巨大な何かは一見しただけでは 生物……いや、神とさえ思わないだろう。白い何かの一部が大きく開いた。そこは 瞳だ。瞳がぎょろりと動き、()を捕らえた。


―――後、誤解はするなよ? あの戦争の結末。そしてこれまでの絶望とも呼べる戦いの末。全て私は切っ掛けを与えたに過ぎない。判るだろう? もし私が存分に力を出し、お前達がそれを知り、人が栄えたら、全力でお前達は私を止める。……そして我らの本気の衝突は世界そのものを終わらせる。全てを無に帰す。……残るのは私とお前だけ。それは私にとっても好ましくない。


 その白い巨大な何かを前にしても、臆するどころか対等に話しているのは1人の男。こちら側は見ただけで判る明確な姿だった。


―――随分と長い間、私はお前を憎んだ。その原因は判っている。長く、長く……私は触れすぎた為だ。私は時のメインプレイヤー達に触れすぎた。あのククルククルから始まり、ドラゴン、そして人間。……触れすぎ、温かい気持ちが芽生えた。


 それはまるで ついこの間の事だった、と言わんばかりに呟く。
 途方もなく長い歴史を視続けた事を。


―――そして、それらを壊し、嬲り、苦しめる。それを楽しみ、悦とするお前達をいつしか私は強く憎んだ。楽しませる事にそれを、その手段を選んだあの3人を 私は強く恨んだ。そしてその決定打は、ドラゴン達の消滅から……だったか。


 憎しみを口にしていると言うのに、その口調は雰囲気は穏やかなものだった。思い出話に花を咲かせるかの様に。本当に憎んでいるのかさえ分からない程に。


―――ふふっ……。さぁ、どうする。いや もう判っているだろう? お前はずっとゲームをしていただけに過ぎない。そして、他人がするゲームを、多少弄りながらも上から眺め続けるのは飽きてきた。そうだろう?


 男は宙を飛びゆらりとした動きでその巨大な瞳の前へと出る。
 そして、その後ろにはもう1人いた。


―――伝えるのを忘れていた。今日ここへ来てるのは私だけじゃない。ふふ。この娘は気配断ちが得意の様でな。それで気付かなかったか。


 宙を歩く様に、1人の女性がやってきた。そして更にもう1人。


「法王特典……。彼女は貴方様に付いていく為にその権利を使った。ふふふ。私も驚きました。いつものただの謁見。ただの暇潰しとさえ思っていたのに。……法王と一緒に まさか貴方様に会う日が来るなんて……」

 
 それは 神々しい光を放ち、宙に浮く無数の剣を従わせている女神ALICE。
 白い巨大な何かの傍らへと降り立った。




「貴方様が姿を消して幾星霜……。私も一目お会いしたいと思ってました。……貴方様が姿を消した理由も知らずに。なのに私はお会いしたいと望んでいました。……本当恥知らず、ですね」


 敬意を示す様に首を垂れる女神ALICE。完全な主従関係がその場に見えてとれる光景だった。普通であれば、驚くべき所だが もう1人の女性…… 法王は取り乱した様子も驚いた様子も見せない。全ては知っていたから。……すべて教えてもらっていたから。

 だからこそ、少し(・・)早くにここへ来る事が出来た。
 此処とは違う別の世界で、別の自分がいたとするならば……早くどころじゃなく ひょっとしたらここへ来られなかったかもしれない。全てを知る事が出来なかったかもしれない。

 でもそれは自分自身にも、恐らくこの場の神でさえも知りえぬ事だろう。



―――自身の本能に、役割に従ったまでの行動だ。恥じる事など無い。そこから抜け出す様な者は相当な変わり者……。ふふ。言うならば同級のあの娘だろうな。


 向けていた視線を女神ALICEへと向けてそう微笑む。ただのそれだけで身体全体紅潮する思いだった。


「……ええ。その通りだと思います。今の私であれば、彼女の気持ちは判ります。………心から惹かれた相手の傍にいたい。と言う強い願い。そして想いを」


 その結末がどうなるのかはわからない。ただ苦しむだけなのかもしれない。だけど、前に出て進まなければ何も得ない。だからこそ、彼女は動いた。自分の気持ちに従って……。その後の結果は誰も知らなかった。知ろうと思えばできた事だが、誰もしなかったと言うのが正しい。


―――あの娘は きっと大丈夫だろう。地上には 心強き者達が多い。最早私がいなくとも………。いや、それは不味いか。


 『私がいなくても良い』と言いだそうとする前に男の傍らにいる女性がその脇を少しだけ突いた。


―――精神は兎も角、今の肉体は我が主の物。……還さない訳にはいかないか。この話も聞いているしな。懐かしい顔ぶれに会う為だからと私に譲ってくれたのを忘れていたよ。私の影響で主も……、そしてその父親の代も神を心から恨み貫いていたと言うのに、心穏やかになってくれている。


 自身の身体の内側を見る様に、視線を身体へと向け、笑みを浮かべた。そして改めて視線を戻すと高らかに言った。





―――さぁ、今日の本題に入ろう。……お前を退屈させない提案を、この娘が。……法王が持ってきてくれたぞ。


   
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