レーヴァティン
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第四十九話 八人目のことその七
「ここで聞けるかも知れないだろ」
「だから今はか」
「じっくりと聞いていこうな」
「そういうことだな、飲んで食って街の中を歩いてな」
「あと何でもな」
ここでだ、正は一杯飲んでそれからこうも言った。
「娼館に行くとな」
「あそこか」
「結構以上に情報が集まるらしいな」
「飲み屋で飲むみたいにか」
「ああ、そうらしいな」
「あそこも人が行き来するからな」
飲み食いとは別の目的でだ、久志もこのことはわかった。
「だからか」
「ああ、それでな」
「ああした場所に行くのもいいんだな」
「情報を集める為にな」
「そうそう、お客さんが女の子にベッドの中で話してね」
淳二も言ってきた、彼もそうしたことについての知識はある様だ。それも酒のことよりもそちらのことで上機嫌になって話していた。
「女の子に聞いてもね」
「いいんだな」
「そうだよ、ここにも娼館はあるしね」
コペンハーゲンにもというのだ、大きな街というか人が集まる場所にはそうした店もつきものということだ。
「だからね」
「積極的にか」
「入ろうね、病気には気をつけてね」
「かかったら術か」
「これもあるよ」
淳二は笑って久志にあるものを手に取って見せた、それは彼等の世界にもあるそうした時に男が使うものだった。
「ちゃんとね」
「こっちの世界にもあるのかよ」
「うん、そうなんだ」
「それは知らなかったな」
「お店に普通に売ってるよ」
「どんなお店だよ」
「だからそうしたお店にだよ」
まさにというのだ。
「あとお薬屋さんにもね」
「そこは俺達の世界でも一緒だな」
「薬局では売ってるしね」
「それでそうした店とか薬屋でか」
「普通に買えるよ、お店の方も女の子が病気になったら大変だからね」
例え術で治癒が出来てもだ。
「だからね」
「お客さんにはか」
「その時に使ってもらってるんだよ」
「成程な」
「それでね、おいらもね」
「持ってるってことはか」
「そういうことだよ」
つまり使っているというのだ。
「そうしているんだよ」
「御前もそうしたことはか」
「あっちの世界でもね」
彼等本来の世界でもというのだ。
「結構使ってるよ」
「結構かよ」
「こっちの世界じゃ頻繁にね」
「人は見掛けによらねえな」
「ははは、そう言われるよ」
淳二は久志に笑って返した。
「そうしたことは大好きだしね」
「それでか」
「ちなみに好きなのは未亡人とギャルだよ」
「どっちもかよ」
「人妻や彼氏持ちに手は出さないよ」
そうした相手にはとだ、淳二は久志に笑ったまま話した。
「大変なことになるのを子供の頃観て知ってるからね」
「おい、リアル修羅場かよ」
「うちの父方のお祖父ちゃんが奥さんがいる若い男の人を愛人にしてね」
「何っ!?」
久志は今淳二が話した言葉に我が耳を疑った、それは他の面々も同じで皆動きを止めて彼のその話に注目した。
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