世界をめぐる、銀白の翼
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第七章 C.D.の計略
奪われたモノ
「天王路の孫娘?」
仮面ライダー出現の報を受けて出動した「EARTH」。
その部隊についてきていたのは、他ならぬ局長の蒔風だった。
その蒔風に今回の経緯を話し、彼の反応を待つ四人。
自分たちはアンデッド関連の事なら専門家だが、こうして様々な事象が絡み合っているであろう事件あらば、この男の意見は参考になる。
「うーん、そっちのクイーンってのは多分単独だなぁ。そっちでなんとかしてくれ」
「はい?」
だが、蒔風の反応は極めてドライだった。
冬木地下大空洞の聖杯に現れた仮面ライダーオルタ
赤い夜に巻き込まれた少年少女たちの魔石を狙った仮面ライダー闘牙
トゥスクルに現れ、暴れていた絶鬼
結合しているからこその案件では、一歩間違えば世界がひっくり返るくらいの被害が出る。
だが、言い方は悪いがこのブレイドの案件はあくまでも「仮面ライダーブレイド」の範疇レベルの物。
新たなデミライダー出現に「EARTH」もこうして出張ってきたわけだが、今回は彼らに任せたいとのことだった。
「でも俺ら、カード盗られてるし」
「ンなもん盗られたあんたらが悪いでしょうが」
「うぐ」
至極まっとうな正論を叩き付けられ、ヘリで去っていく蒔風たち。
何やらディケイドのところにも同じようにライダーが表れ、その素性調査やらなんやらで忙しいのだそうだ。
「まあ、確かに次元世界という意味合いではあちらの方が大事だな」
「おのれディケイド」
「とか言ってる場合じゃないですよ。あの人、どうにかしないと」
「どうにか・・・っていってもなあ」
目下のところ、問題は大変に山積みだ。
どこから手を付けていいものやら。
正直、「EARTH」の救援がないのは苦しい―――――
「いや、まあ確かにそんな大事ではないんだけどさ」
なんてことはなく。
確かに、仮面ライダークイーンの脅威はある。
あるにはあるが、彼らにしてみれば相手のプロフィール的に面倒なだけで、ただ倒す敵としてみるだけならば全く問題に等ならない相手だ。
カードが足りない。
しかもそれらは奪われてあちら。
変身に使っているのはクイーンクラスのアンデッドカード
これだけの事象があれば、確かに大変な状況に思えるだろうが、忘れてはならないのがブレイドたちの経歴だ。
アンデッド融合計数最高値を保有する、最強のキングフォームを有する剣崎。
数多くの戦闘を経験し、剣崎、睦月に戦闘を教えた大ベテラン橘。
戦闘経験は少ないものの、地力にてスパイダーアンデッドを跳ねのけ、最新のライダーシステムの睦月。
そして、バトルファイト最強のジョーカーにして、ハートのキングマンティスアンデッドの力を使う始。
苦戦はしたとしても、今回のクイーンは敗北するような敵ではない。
事実、先の戦闘でも感情の昂ぶりによる一瞬の力には驚かされたが、後はいたって優位だったのだから。
問題は
「彼女にどうやって説明するかだよなぁ」
そんなことを話しながら、四人はあるところに向かっていた。
旧BOARD本部。
アンデッドが解放された時、壊滅したBOARDの跡地だ。
とはいえ、今ではすべての機材もデータも「EARTH」で回収され、建物の外観のみを残すだけである。
では、なぜ彼らはここに来たのか。
答えは単純。
彼女が来そうなところがここくらいしか思いつかなかったからだ。
元の天王路の家はすでに売られて別の建物が建っている。
そもそも人間という身体を捨ててバトルファイトに身を投じようとした男だ。それくらいの身辺整理はしていたのだろう。
そして、彼女のことも何も知らない。
天王路の孫娘、名前は久遠レイナ。
両親はすでに交通事故で他界。
彼女は天王路に育てられてたというわけだ。
人類に牙を剥くようなことをしていた天王路だが、それでも育ての親ならば懐かれもしたのだろう。
当然、四人は彼女の素性も知らべている。
だが、経歴はわかっても今の住所だとかそういったものは一切残っていなかった。
「まるで魔法みたいだな」
「え」
「こういうのは、現在だとかの情報を抹消したとしてもある程度は追えるものなのだが」
「誰か協力者がいるんですかね?」
「わからん。まあ聞いてみればいいさ」
と、このように彼女の居間については全くの謎なのだ。
だからこそ、こうして今彼らは彼女とかかわりのありそうで、自分たちの知っている場所に来ている。
それが、この元BOARD跡地だ。
「にしても、この土地って誰も買わないんですかね?」
「元はアンデッド研究施設。そう簡単に廃棄できないものもあるあらな」
「そもそも人がたくさん死んでますから・・・事故物件とかになるんじゃないですかね・・・・」
「なぜ人が死ぬと事故物件なんだ。人は死んだらそれまでだろう」
「いや始、怖いだろ。化けて出てきたら」
「化ける?・・・・ああ、幽霊だのなんだのってことか」
「そうそう」
「あいにくと俺はお前らとは感性が違う。そんなもので一々気にはしない」
施設内を進みながら・・・というよりは、散歩気味に見て回っているだけだが。
彼らはそんな会話に興じている。
「いや、生き物は死んだら魂だとかになって、残った感情が悪いものだと悪霊とか地縛霊とかにだな」
「そんなものを恐れる俺ではない」
「ははーん!いいんだよ始。俺だってぶっちゃけ得意じゃないし!な、お化け怖いのは普通ですよね?橘さん」
「む・・・まあ、非科学的なことは俺はあまり信じていない。ただ、暗闇に人は恐怖を感じる。その中に何かを見ることはあるだろうな」
「え。橘さん、幽霊信じてないんですか?俺こないだ望美とお化け屋敷行ったんですけど・・・・」
「普通苦手だよなぁ」
「はい」
「いいか二人とも。人は誰しも恐怖を抱く。だが、それはあくまでも自分の中の恐怖だ。それを打ち勝ってこそ、人は自分を乗り越えられるんだ。いわば、オレ達の戦いは恐怖との戦いともいえるわけだからな。それを乗り越えた俺たちに、お化けや幽霊ごとき恐れる必要はない」
「「なるほどー」」
「見ろ、相川始を。これだけの闇の中でも、一切動じることがない。ジョーカーであることは差し引いても、あそこは見習うべきところだ」
変わらぬペースで先に進む始を見て、解説する橘と感心する剣崎と睦月。
だが、それを一通り聞いて始がぼそりと一言
「・・・いや、俺は単純にだな――――そいつらはいたところで何かしてくるわけではないから無視しているだけなんだが?」
と、言ってのけた。
しかも、手やの天井隅あたりからグルリと見回すように視界を滑らせながら。
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ドドッ
ドドドドドドドドドオドドドッッ!!!!
バンッ!!!
「「「ウぉォォオオオオオ!!?」」」
けたたましい足音。
その後、扉が勢いよく開かれて三人が飛び出してきて芝生に転がった。
「いや、だからあいつら何もしてこないからそんなに怖がることはないぞ」
「「「そう言うことじゃねぇんですよ!!!」」」
始の話を聞いて、猛ダッシュで外にまで飛び出した三人は、走ってきたということだけではない息切れと冷や汗をこれでもかと吐き出していた。
芝生で思い思いに座り込んだり倒れている三人に、あとから来た始が話しかけるが三人はそれどころではないと叫んで返す。
と、そこに
「あ、あんたたち何でここに・・・・!!!」
現れたのは、件の彼女・久遠レイカ
あまりにもあまりな光景に、コンビニのビニール袋を落としてしまっている。夜ごはんだろうか。
「私を追って来たって事なの!?」
カチャ、とバックルを取出し、フォークイーンのカードを装填して腰につけるレイカ。
対して、四人は何も持ってないと表しながら両掌を前に出して待ったを掛けた。
「待ってくれ!話がしたいんだ!戦うつもりはない!!!」
「何をいまさら!あんたらにあってもあたしにはない!!」
叫び、バックルを待機状態にするレイカ。
あと一動作で、彼女の変身プロセスは完了する。
「いや、だから・・・」
やはり戦うしかないのか。
そう覚悟し、忍ばせていたバックルに徐々に手が伸びる三人。
たが
「この通りだ!!攻撃しないでくれェ!!!」
バタンと
その場に倒れて叫んだのは睦月だった。
見事な五体投地。
土下座すらをも超えた土下寝だ。
しかも、空中で一回転してから直接地面にビタンである。
そしてこの叫び。さすがのレイカもこれには苦笑い。
「む、睦月・・・?」
『何やってんですか三人とも!!早くやってください!!』
「お、おう・・・」
睦月の何とも言えない迫力に、三人ものそのそと横になる。
「見ての通りだ!俺たちに敵対の意思はなーい!!」
「そ、そうだ!」
「話をさせてくれ」
「・・・・ほんとに効くのかこれ?」
「う・・・うう・・・」
大の男四人が、何も持っていないと掌を上にしてうつ伏せで倒れている。
復讐に燃えていた久遠レイカは、なんとしてもあの四人の仮面ライダーをとっちめてお墓の前で土下座させるだけの気持ちがあった。
だが、どうだろうか。
こんな状況見せつけられて、じゃあ変身してぼこぼこにしてやる、とは言えなくなってしまったのだ。
「ふ、ふざけんな!!あんたらがじいちゃんを・・・」
「そう、それについても話したいんです!!ただ、気が晴れないならこの剣崎さんを思い切り踏んでください!!」
「はぁ!?」
「とりあえずこの場はそれで収めてもらって、話聞いてくれませんか!!?」
「睦月お前ズッリィぞおい!!」
「俺からも頼む、久遠さん」
「タディバナサン!?」
「ああ、今抑えられないならとりあえずこの男で発散してくれ」
「ハヂメェ!?」
「くっ、この・・・ッ!!!」
明らかにコントじみている。
それを感じ取ったレイカは、ふつふつと自分の中に憤りを感じていた。
最初はどうかと思っていたが、やはり気は収まらない。
いいだろう。
望み通り踏みつけてやる。その時もし気が晴れていれば、いいさ、最後の言葉を聞いてやる!!
「この、おじいちゃんの―――!!」
「はいそこまで」
「へ?」
と、剣崎を踏みつけようと目の前まで接近した彼女。
その彼女を、背後から一瞬で縛りつける睦月。
倒れている剣崎は、睦月の少し後方にいた。
つまり、自然と剣崎に接近すると睦月に背を向けていた、ということだ。
とはいえ、あまりに手際がよすぎる。
「え?ああ、望美と喧嘩したとき、許してもらうのにいつも使ってる手です。あそこまで全身全霊全力全開で謝れば誠意も伝わるってもんです」
いや、それは誠意とかじゃないと思う。
ちなみに捕縛のほうは蒔風とかに教えてもらったものらしい。
「え?縛るの?やだなぁ、そこまで望美にするわけないじゃないですか。しませんよ、ええ」
とは本人の談。
ともあれ、じたばたしながらも気に縛りつけられてしまう久遠レイカ。
放せ!ブッ飛ばしてやる!!と睦月に叫びながも、当の本人はあとはお願いしますと橘にバトンタッチしてしまった。
その光景を見て、始は思った。
(縛りつけられている女性。囲む男4人・・・犯罪現場だな)
間違いない。
だが、そうも言ってられないのが現状である。
とにかく、今までの戦いの事。
アンデッドとBOARD、そして天王路のことを掻い摘んで説明する橘達。
対して、レイカも激しく反論するが、提示された証拠や天王路の音声データなどを見せられては黙っていくほかない。
そして
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「そ、そんな・・・おじいちゃんが・・・・そんな・・・?」
「ショックかもしれない。だが、これが事実なんだ」
「オレ達だって、好き好んで倒したわけじゃない。だけど」
言い訳かもしれないが、天王路は人間であることを捨てていた。
人造アンデッドケルベロスと自らを肉体レベルで融合させ、バトルファイトに参加するアンデットとして現れたのだから。
もはや引き剥がすことは叶わず、彼自身も人間であることを捨て不老不死に取り付かれていた。
ならば、やれることはただ一つ。
その不浄の魂、肉体を残らず焼き尽くし、完全に滅することだけだ。
「信じられないかもしれないけど」
「あー、これは・・・これ以上反論できないわ」
「どうか信じてアレェ!?」
「・・・これがねつ造されたものだとか、考えないのか?」
「いや、これそういう跡ないしね」
「わかるのか」
「ちょっと。誰が私の個人情報消したと思ってんの」
どうやらこの女、相当のやり手ハッカーらしい。
ともすれば、データの改ざん、偽造など見ればおかしいところなどはわかるという物。
無論、データの話なので音声画像はともかく文書のほうは見た目ではわからないが。
総合的に見て、その線は薄い、と判断したのだろう。
「あーあ。納得。しかし悔しいなぁ・・・・」
「何がだ」
「踊らされてたあたしに」
一応まだ縛られている状態だが、どうやら戦意はなくなっている様子のレイカ。
今までの気持ちは一体何だったのかと、虚無感すら出てきたところだ。
「しかし誤解が解けて良かった」
「まあ確かに仇かどうかと言われれば確かにそうなんだけどな・・・」
「んなこと言ったらおじいちゃんだって・・・あぁ、なんでそんなこと・・・」
「おじいさんのことを君が後悔する必要はない。むしろ、許せないのならビンタの一発でもしてやればいい。けんz」
「橘さんに」
「橘さんに」
「橘にだ」
「何故だ!?」
ともあれ、久遠レイカはすでに敵とはならない。
のであれば不当な拘束は必要ない。
そう思い、縄を解こうと近づく睦月。
「でも、どこでそのバックルもらったんです?」
「え?これ?これは―――――」
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おいおい、説得されてんじゃないよ
何だよ
その復讐心使えると思ったんだけどな・・・
だがまあいいさ。
こうなったらなったで手は一応あるんだ。
ひとまずは、その力の出どころゲロっちまう前に・・・・
「嬢ちゃん、それはちょっと――――」
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「え?なによ」
「ん?」
縄をほどこうと後ろに回った睦月。
その彼が耳にしたのは、彼女のつぶやき。
変身バックルはどこでもらったのか
この問いの返答かと思ったが、何か様子がおかしい。
彼女の目は誰かを捉えているかのようだったが、その前には誰もいない。
彼女の耳は何かを聞いているかのようだったが、語り掛けている者はいない。
「ちょっとなによ、なんなのよ・・・その記憶、私は知らない・・・何よこれ、なにすんのよ!!!」
「うわっ!?」
ブォン!!と、彼女が大きく身体を振り、その足が危うく睦月を蹴り飛ばしそうになる。
突如として暴れ始める久遠レイカ。
今まで体を縛っていた縄だったが、ブチリと引きちぎって唸り声を上げている。
突然の変貌に、驚きを隠せないまま暴れる彼女から一歩下がる四人。
「なんだ?」
「おい、どうしたんだ!!」
「が・・・ぁ・・・・知らない、この、記憶・・・おじいちゃん・・・・死んだ・・・殺された・・・なんで・・・」
頭を押さえ、ブンブンと振りながら叫ぶレイカ。
見たところでは頭が痛んで暴れているようだが、あまりにも唐突過ぎる。
しかも、その節々から漏れ出てくる言葉が不穏だ。
「違う、あれは仕方ない・・・でも、見た・・見た?私、おじいちゃんが死んだのを・・・?誰が・・・誰がぁ!!!!」
「これは・・・・何が・・・・」
「とにかく、彼女を抑えよう!」
何かが起こっている。
何者かによる介入であろうか。
とにかく彼女を落ち着かせなければならない。
そのために走り出そうとする4人だが、その目前にそれを邪魔するものが現れた。
「おっとみなさん、邪魔しないでくれ」
「何だお前!!」
彼らの前に現れたのは、一人の男だった。
だが男とはいっても、声質から判別できるだけだ。
正確には「男なのだろうか」といったところか。
彼らの前に現れたのは、男の声が聞こえてくる黒いモヤだったからだ。
それは空間に空いた穴なのか、それともただの黒い霧の塊なのか。
ボシュぅ、とその場に吹き出したそれは、その得体のしれない迫力は―――――彼らがそれより前に踏み出さないように押しとどめるだけの力を持っていた。
そして、そのモヤの中からフードをかぶった男が出てきた。
剣崎達は知る由もないことだが、ディケイドとディラインの戦場に姿を現したあの男である。
「剣崎・・・」
「まて始・・・こいつヤバい」
「なに?」
強さならば、おそらくこちらの方が上だ。
橘か始のどちらかがここで戦えば押しとどめられるくらいの力量しか感じない。
だからこそ、二人は前に出ようとして剣崎に声をかけた。
先に行けと。
彼女のほうは任せると。
しかし、それを剣崎が止めた。
仮面ライダーブレイドとして戦う彼は、他の三人よりも「戦った敵の多様性」においては多いと言える。
「EARTH」の戦いで、様々な現場に駆り出されてきたからだ。
その彼が、過去の経験から感じ取ったのはこのフードの男の力量ではない。
戦闘力などの力とはまた別の、もっと異質な力を感じ取っていたのだ。
過去何かで感じたことがある。
これは相手にしてはいけない。
これを相手にできるのは、これと同じ力を持つものだけだ―――――
「っと、ブレイドが気付いてくれてよかった。そう、俺とあんたらじゃ強さどうこうではなく「勝負にならない」ってな」
そこまで言って、男がわきに退いた。
なんだ?と身構える四人。
と、そこにいたのは苦しむ様子もなくこちらをまっすぐに睨みつける久遠レイカ。
だが、その眼がおかしい。
さっき解消されたはずの殺意、憤怒、怨嗟がありありと込められている―――――
「お前、その子に何をした!!」
「なぁに、真実を教えてあげただけさ」
「真実だと・・・・?」
「そう、例えば」
「おじいちゃんをよくも殺したな」
「とかね」
「な・・・!!!」
おかしい。
先ほどそれについては解決したはずだ、納得したはずだ!!
何が彼女に起きたのか。
まったく理解できないまま、彼らの前に立つ彼女はその手にバックルを握り締める。
「戦ってもらわないと、こっちとしては困るわけよ。なんで、荒療治だけどあんたらには仇になってもらいました」
「なんだと・・・・!?」
「多分ちょっとすれば記憶ももどる。無理やり挿し込んだ「記憶」だからな。だけどそれまでは相手をしてくれ」
「待て!!お前は一体――――」
「変身!!」
《open up》
問い詰めようと叫ぶ剣崎。
だが、それを遮るようにレイカが仮面ライダークイーンへと変身する。
「殺したんだ殺したんだ、お前らがおじいちゃんを殺したんだ!!」
「まて!!オレ達は」
「ウガァァァアアアアああ!!!!」
吼えるクイーン。
それは、先の戦闘で見た鞭の舞いではなく
ドォン!!!
ただただ荒れ狂う、暴風のような破壊の鞭打であった。
変身し、戦闘を開始するブレイドたち。
その戦いは、先に語ったようにブレイドの勝利に終わる。
だがその時すでに、フードの男は跡形もなく消えていた――――――
------------------------------------------------------------
まさかクイーンが説得されちまうとはな。
まあ過去の記憶をいじってやればあんなもんよ。
契約者じゃないから、一時的だけどな。
ついでにバックルの出どころもいじっといたから、まあそう簡単にばれることはないだろうけど
さて、これを旦那のとこに届けてくるかね。
ディラインの時はヘマこいちまったからな。
さぁて、次はだれを差し向けようかな・・・・
残りは・・・・
男は向かう。
その手の中で、コロコロとクイーンのマスクをかたどった指輪を転がしながら。
「旦那」と称する者のところへと、それを届けに向かった。
残るライダー
まだ出現していないデミライダーは―――――
to be continued
後書き
はい、お久しぶりです!
武闘鬼人です!!
仕事とFGO第2章が忙しすぎて時間貧乏に。
今回でブレイド編は終わりです。
クイーン相手に負ける要素は何もないので、これだけで終わらせてます。
次話で簡単に書く予定ですが、彼女は「EARTH」に搬送。
意識もはっきりせず、記憶も混濁し整合性がないため入院となります。
ではここでクイーンの草案をば
仮面ライダークイーン
変身者は久遠レイナ
変身に使用するカードは4カテゴリの「Q」を融合させた「クイーン」
BOARD理事長であった天王路博史の孫娘。21歳。
「世界を平和にする」という話を祖父から聞いていた彼女は、彼の死を独自に調査し、四人のライダーに行き当たった。
実際には天王路の「世界平和」とは、人類を滅ぼして新たに作り出した都合のよい人類による支配だったのだが、それを彼女は知らない。
レンゲル・上城睦月とカリス・相川始からQと数枚のカードを盗み出し、その後にギャレンを不意打ちで襲撃してQのカードを奪う。
最後に対峙したブレイドジャックフォームとの戦闘中にアブソーバーを奪取し、すべてのQをそろえることに成功。
こうして、仮面ライダークイーンは誕生した。
彼女は四人のうちの誰か、若しくは全員が祖父の仇と信じている。
ちなみに、四人は彼女が天王路の孫であることを知らない。
必殺技は、クイーンのカードを読み込ませてから放つクイーンロールダンス。
ウィップラウザーを巻き付けた敵を、浮かせてから思い切り引いて宙で回転させる。
そしてその敵に向かって真上から叩き付ける蹴りで大地に叩き伏せる。ただしこの蹴りの際に四肢はすべて地面につくため、大きな隙ができてしまう。
「しらばっくれるな!!おじいちゃんを殺したのは誰だ!!」
「どんなことがあったのかは知らない。でも、おじいちゃんが死んだときに何もできなかったお前たちは許さない!!」
「私は負けない。私はクイーンよ。天王路博史の後を継ぐ、女王!!」
仮面ライダーの評判から、悪人であるとは思っていない。
だが、ならばなぜ祖父を救えなかったのかと恨み、仇だとして襲い掛かる彼女に彼らはどんな言葉をかけるのか。
「そんな・・・・じゃあ、私はどうすればいいのよ!!」
ステータス
クイーン・・・チェンジ
武装・醒鞭ウィップラウザー
所有カード(四人から奪ったもの)
ブレイド
タイムスカラベ
トリロバイトメタル
カリス
バイオプラント
リフレクトモス
フロートドラゴンフライ
ギャレン
ロックトータス
レンゲル
ラッシュライノセラス
リモートテイピア
カテゴリーQ(アブソーブ)
カプリコーン
オーキッド
サーペント
タイガー
剣崎
「まあ強いけど・・・ねぇ?」
さて、次回は誰編!?
蒔風
「次回。記憶改変・・・というよりも、これは過去を・・・だな」
ではまた次回!!
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