レーヴァティン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四十八話 バイキングの戦いその二
「それだと」
「そうですね、まさに」
「それだけ深いならね」
「クラーケンが潜ってしまえば」
「もう何処にいるかわからないよ」
「そうなります」
「というかそんなに深いのかよこの湖」
正は眉を顰めさせてこのことについて言った。
「何千メートルなんてな」
「そう言われています」
「それでその湖の底にか」
「クラーケンがいるかも知れません」
「そうなんだな、それでクラーケン以外にもだよな」
「深い場所にも生物はいます」
「深海魚みたいにか」
ここでこうした生物達を思い出した正だった。
「ああいうのもいるか」
「そうかと」
「この場合は深海魚じゃないな」
このことにだ、ふと正は気付いた。
「ここは湖だからな」
「言うなら深湖魚ですね」
「そうだよな、そうなるよな」
「そこには魔術の船で入ることが出来ます」
「潜水艇みたいにか」
「はい、それで調査をしている人もいまして」
湖の底をというのだ。
「何千メートルの底を」
「それでそこにはか」
「多くの生物がいます」
「深海と同じか」
「そうです」
まさにという返事だった。
「この湖の底は」
「何かそこも行ってみたいな」
「興味が出ましたか」
「ああ」
正は順一にこう答えた。
「俺もな」
「ではですね」
「機会があればな」
「魔法の潜水艇で、ですね」
「潜ってみるな」
「そうしてですね」
「底を見るな、それにな」
さらに言う正だった。
「そうした場所にこそ色々なものがあるよな」
「では」
「武器だの防具だの魔法の品があればな」
「湖の底まで行きそのうえで」
「手に入れたいな」
「そうだね、そうした場所にこそね」
源三も言ってきた。
「あるからね」
「そうしたものがだな」
「うん、だからだね」
「機会があればな」
その時はというのだ。
「潜りたいな」
「それじゃあな、しかしあくまでな」
「機会があればだね」
「その場合はだ」
あくまでと言った正だった。
「何もなくて潜るのはな」
「しないんだ」
「流石にそれはいいさ」
こうも言ったのだった。
「それまではな、しかし湖がそこまで深いとなると」
「この島の底もでござる」
進太が正に応えて言った。
「かなりのものでござる」
「そうなるな」
「一万はあるでござろうか」
「それ位はあるか」
「底は」
「そう思うと本当に大きな島だな」
「大陸でござるな」
文字通りにとだ、進太はこうも言った。
「この島は」
「そしてその島の下にね」
今度は淳二が言ってきた。
ページ上へ戻る