アズールレーン とある鎮守府の物語
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#2
「あー…疲れたぁぁ…」
「そうか、書類は全部片付けたのか?」
「片付けたわよー…ねぇ汝ー」
「なんだ。…あ、次これ宜しく」
そう言い不機嫌そうに羽を揺らしているヴァンパイアに一枚の紙切れ渡す
「むー汝の意地悪ーワーカーホリックー」
むすーっとしながらも彼女は手渡した紙に目を通す
「えーと…?…これって」
「しれーしょ。そこに書いてある奴ら揃えて連れてきて、終わったら部屋の棚にあるヤツ1個飲んでいいk」
「今すぐ行ってくるわ!」
そう言い残して羽をパタパタさせながら彼女は部屋を飛び出していった
「ったく……」
コンコン
「はい、どーぞ」
応えると入ってきたのは第二艦隊、クイーン・エリザベスを旗艦とした…同僚内での言い方だと「ロイヤル艦隊」というやつか
「で?私達を呼び出してなんの用よ?指揮官」
「いや、今聖域が見つかってその調査にいろんな方面が動いてるのは知ってるか?」
「当然よ、それが?」
「うちからも調査艦隊を出すことになってな…第一を出す予定だったんだが…きな臭い噂が出てな、念には念をだ、第二も出てもらおうとな。リアンダーとシグニットも改装出来たわけだし」
「私?うん、頑張る」
「ふぇ?う、うち?うん、うちも頑張る…よ?」
「まあそんなとこだ…ベルファスト、ウォースパイト、レパルスもすまないが頼む。調査が終わったら長期の休みを取れるようにするよ」
「いえ、お構いなく。旦那様のお役に立つのが仕事ですから」
「そうよ、指揮官は気にせず指示してくれたらいいの」
「そうは言ってもなぁ……。…調査は明日からになる、宜しく頼むぞ」
その日の夜
「ねぇ、指揮官様?」
「ん…?」
「悪い噂…とは何ですか?」
「……」
「言えないのでしたらそれでも-」
「聖域がセイレーンの実験場かもしれない、という噂だ。まだ未確認の噂だがな…だから堅実な方法をとった。ウチは誰も沈めないのがモットーだから」
「指揮官様は優しいですね。…それだから少し嫉妬しちゃいますけど」
美しい白の長い髪をふわりとさせながら、彼女は膝の上に頭を乗せて嬉しそうに羽を揺らしながら眠る少女の髪を梳かして言う
「…それは…すまない」
男は自分の肩に頭を寄せて眠る癖のついた髪の女の手を撫でながらそう答える
「うふふ…それが指揮官様ですから。…ずっと一緒に居て下さいね?」
「勿論」
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