エアツェルング・フォン・ザイン
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そのにじゅういち
「ねーねーお兄様」
「どうしたフラン?」
「お兄様とアリスって結婚してるの?」
「ぶふぁっ!」
フランの何気無い一言に俺は呑んでいた酒を吹き出した。
「私がこのバカと?無いわね」
「振られましたね、ざまぁ…」
ぶん殴るぞ居眠り門番。
咲夜と美鈴はそれぞれレミィとフランに付いている。
つまりフランの近くにはこの居眠り門番が居るわけで…
「おい…フラン、どうしていきなりそんな事を…?」
「んーっとね~気になったから~」
と言ってコップに入った酒を呑む。
その頬にはほんのりと朱が浮かんでいた。
「しまった…フランって酒呑むの初めてじゃねぇか…」
先程フランが自分も呑みたいと言ったのでアルコールの低い酒を渡したのだ。
オニキス・ミード、その名のように黒い蜂蜜酒だ。
効果は一杯/MEN(精神力、魔法防御)1UPだ。
ミードのアルコール度数は1%以下(アルゴ談)らしいので飲ませたが…
「ふふふふ~…」
酔ってる…
「おい、フランこの指何本だ?」
と言って人差し指を立てる。
「あ~お兄様が三人だぁ~」
「明らかに酔ってる!?」
「よってにゃいれすよ?」
「見事に御約束の返しじゃねーか!」
あー…コレどうしようか…
さっき魔理沙にやったみたいにポーション(まさか酔い覚ましになるとは…)を飲ませるか?
でもなぁ…せっかく気分良くやってるのに水を差すのもな…
でもな…
うーん…咲夜に聞こうかな
「咲夜ー」
「どうされましたか?」
呼んだ瞬間に現れた、流石は時間操作系能力者だ。
「フラン…どうしたらいいと思う?」
「先ほどの薬は使われないのですか?」
「うーん…せっかく気持ち良さそうなのを邪魔するのは悪いし…
かと言ってこのまま放置も不安だし…」
「妹様にとっては初めてのパーティーです…」
「あら?どうかしたのかしら?」
あ、レミィが来た。
「フランを酔わせたままにするか醒まさせるかって話だ」
「放置して大丈夫だと思うわ」
ふむ、レミィがそう言うならそれでいいか…
そう言えば…
「なぁ…レミィ」
「なんだザイン?」
「妹に身長抜かれた気分ってどんな感じ?」
「私が気にしてる事を言うな!」
レミィが子供っぽい仕草で怒る。
うん、なかなかカワイイな」
「にゃっ!?かっ、かわっ!?」
ん?どした?
俺が不思議に思っているとアリスがしゃがんで教えてくれた。
「口に出てたわよ」
マジか…
俺は真っ赤になったレミィを見て思う…
弄りたい!
俺はふわりと翔んでレミィの背後を取る。
そしてギュッと抱き締める。
「え!?な、何して…!?」
「レミィ…」
とても優しげな声で囁く。
「カワイイよ…」
で、そのまま顔をレミィの耳に近付け…
ふぅ~
っと耳に息を吹き込む。
「ひゃわ!?」
レミィの体が硬直しおかしな声を上げる。
おい、鼻血を拭けよメイド長。
「食べたいくらいだよ…」
ボフン!
「あぅあぅ…」
あ、ショートした。
「咲夜ー!お嬢様がショートしたぞー?」
と鼻から忠誠心を垂れ流すメイド長を呼びつける。
「あ、っはい。少々お待ちを……はいなんでしょう?」
一瞬で鼻血が消えた…
「お嬢様がショートしたぞ」
「わかりました、お部屋にお連れします」
と言ってレミィ諸共どこかへ消えた。
「あははー!おねーさまおもしろーい!」
爆笑するフラン…笑い上戸か?
このままだと某ブラック委員長みたいに『にゃははははー!』とか言い出しかねんな…
うーん…
「玉藻ー?」
「どうしたの?ご主人?」
「ちょっとフランを乗せれるくらいの大きさになってくれ」
「はーい!」
30~40センチくらいだった玉藻が大きくなった。
とは言えデフォルトほど大きくはない。
「フラン」
「なーにー?おにぃさまー?」
「疲れただろう?玉藻の背中で休むか?」
「うん!」
フランは玉藻に飛び乗った。
「わー!フカフカのもふもふだー!」
と言って玉藻の背中に倒れ込む。
「うぅん…すぅ…すぅ…」
案外あっさり寝たな。
まぁ初めて外に出て初めてパーティーをしたんだ。
疲れて当たり前か…
て言うかホストが居なくなったけどこのパーティーはどうなるのだろうか?
まぁ、どうでもいいか。
とにもかくにも楽しもう。
「おーい!まだ酒はあるぞー!」
取り敢えず、使用回数カンストでストレージの奥に死蔵していた酒を取り出すのだった。
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