英雄伝説~光の戦士の軌跡~
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第八話
前書き
一月はマシとはなんだったのか
仕事やら何やらで忙しかったりで気力を削がれギリギリ三月内……
大変申し訳ありません
昼食を取り終え、自分達の武器などの準備を終えたカイム達は旧校舎の中にいた。
「さて、二回目の旧校舎探索だ。張り切っていこうや。」
「カイム何だか機嫌良くない?僕こういう雰囲気ある場所苦手なんだけどもしかして好きだったり?」
「人を陰気みたいに言うんじゃないよ。本格的なダンジョンは久しぶりだから若干楽しみなのは否定はせんがな。」
「一応学院の施設なんだけどな……。」
「とはいえ内部があれだ。ダンジョンと言うのもあながち間違ってはいまい。」
まだ入ったばかりのエントランス部分で魔獣などがいない事が分かっている為か四人は談話しながら地下へ続く扉に向かった。そして扉を開き中に入った四人は目を見開いた。
「これは……。」
「せ、石像の魔獣はいないけど……。」
「…………。」
「奴と戦った時より部屋が縮んでるな。しかも模様替えまでしていやがる。」
そう、部屋のサイズが小さくなり部屋の奥には見覚えの無い扉が出現していたのだ。ここにいる四人がどう記憶を引きずり出そうとあんな物はなかった。少しの間考えた後、このままでは埒があかないとなってまずは扉の向こうを確認することになった。そして扉を開け中に入ると……
「ほお。」
「…………。」
「驚いたな……。」
「ってココ、完全に別の場所じゃない!?」
やはりというべきかこちらも完全に変化していた。以前オリエンテーリングで通ったときよりも複雑になっており辺りをうろつく魔獣も心なしか前より強くなっているようだ。この事実に驚いた後消沈しているエリオットと少し楽しそうにしているカイムを尻目にガイウスがリィンに尋ねた。
「どうする、リィン?」
「―――学院長の依頼は旧校舎地下の異変の確認だ。こんな状況になっている以上は……。」
「手ぶらで帰るわけにはいかん。だろ、リィン?」
「ああ、いける所まで行こう。本当に危なくなったら引き返せばいいし、少し悔しいがカイムに道を開いて貰おう。」
「ま、本当にやばかったら勿論そうするさ。だがまあ……。」
そう言葉を止めてカイムは腰の後ろ側、制服で隠れている部分に手を入れた。そして取り出したのは一丁の拳銃だった。
「それは……。」
「ど、導力銃?」
「そんなもの取り出してどうしたんだ?」
「ん?いやなに、エリオットはまだ実戦慣れしてないだろ?そしておあつらえ向きに前衛は俺がいなくても二人いるんだ。だからなるべく安全に、しかしちゃんと緊張感を持って後衛の仕事が出来るように今回は後ろに下がろうと思ってな。」
「ええ!?で、でもその分リィンとガイウスが危険に……。」
「それをフォローするのが後衛さ。なにここの敵は確かに強くなってはいるがそこまで劇的にじゃない。ちゃんとしたサポートがあれば大丈夫なレベルさ。今後の為にも敵が強くない今の内に基礎ぐらいは覚えとかなきゃな。」
「そ、それはそうだけど。二人はいいの?」
「ああ、俺は構わない。さっき言ったのは本当に危なくなった時の事で道中の敵にまでおんぶ抱っこになるつもりはないからな。こっちの修行も含めてこっちから頼みたいくらいだ。」
「俺も依存はない。よろしく頼む。」
「とのことだ。」
「うう、分かったよ。出来る限りやってみる。」
「その意気だ。じゃあ行くとしますか。」
カイムの言葉に三人は頷き奥へ進んでいった。
あれから四人は魔獣を倒しながら奥へ奥へと進んでいった。戦術リンクを駆使した戦闘は互いの状況を直ぐに掴む事が出来る為、普通よりもずっと楽に連携が出来ていた。四人の中で一番成長しているのはやはりエリオットだろう。最初こそ慣れていないこともありリンクがあっても焦り戸惑っていたがカイム達の助言もあって最低限を超えるサポートが出来るようになっていた。
「まさか銃もここまで扱えるとはな。」
「見事な射撃だったな、こちらの死角の敵を素早く撃ち抜いていた。」
「本当、射撃まで凄いなんて脱帽だよ。」
「エリオットも大したもんじゃないか。予想よりも遥かに成長しているぞ。」
「ああ、アーツの援護や回復のタイミングもかなり的確になっているしな。」
「うむ、こちらも安心して戦える。」
「えへへ、それほどでも。というかもう怒鳴られたくないしね……。」
「「ああ……。」」
「俺そんなに怒鳴ってたっけ?」
そう、リィンとガイウスは前衛なので助言は戦闘後に話す為口調などは穏やかだ。無論カイムも戦闘後の助言は穏やかだが戦闘中は万が一もある為敵から目を逸らさず、かつ戦闘音に声がかき消されないように大声なので必然的に怒鳴る形になる。
「聞こえるように配慮してくれたのは分かってるんだけどね。」
「ああ、偶に喧しいのもいたから常に声を張り上げてたんだが……恐かったんならすまん。」
「ううん、気にしないで。おかげでそこそこ慣れてきたから。」
「そう言って貰えると気が楽だよ。さて……。」
会話をやめ四人は視線を前に向ける。視線の先には迷宮に入った直後に見かけたのと同じ装置にオーブメント用の回復装置、そしてその更に奥には扉があった。
「いかにもこの先になにかありますって感じだな。」
「この先から吹く風にはそこまで不穏な雰囲気はしないが……確かに何かしらありそうではあるな。」
「うう、不安になること言うなぁ……。」
「回復装置もあるしここで少し休憩しよう。その後で奥に行ってみよう。」
「「「ああ(うん)。」」」
リィンの提案に三人が賛同しこの部屋で一旦休憩となった。消費したオーブメントの導力を回復しカイムが昼食の片手間に作っていたサンドイッチを食べた後、四人は扉を開けて部屋に入った。そして少し先に歩いた時、突然空間が歪みそこから彼等よりも少し大柄な魔獣が現れた。
「うわぁ、な、何か出てきたよ!?」
「ありゃあ……ミノスデーモンだったか。見た目通りパワー型の魔獣だ、一撃をモロに喰らったりするなよ?」
「確かに、タダでは済まないだろうな。」
「だけど一体しかいない、撹乱しながら削っていけばあまりダメージを負わずに済みそうだ。」
カイムの説明にリィンがそう返した時、再び空間が歪みその中から同じ魔獣が二匹現れた。皆が唖然とする中、カイムがリィンを半眼で睨み付けた。
「おいリィン。お前が妙なフラグ建てたから親族の方が加勢に来ちまったぞ、どうしてくれる。」
「待ってくれ、それ俺のせいなのか!?」
「ふ、二人とも!漫才やってる暇ないよ!!」
「来るぞっ!」
カイムとリィンが緊張感の無いやり取りをしている間に三匹の魔獣が四人に襲い掛かってきていた。リィンとガイウスの二人とカイムは咄嗟に左右に別れ、その際カイムは少し反応の遅れたエリオットを二人のいる方向に押していた。結果、リィン達三人とカイムは分断されるがこれはカイムの狙いでもあった。
「上手い事別れたな……おーいお前等!」
「カイム、無事だったか。」
「おうとも。それよりだ、お前等三人でそいつ一匹でいいから倒してみ?」
「ええ!?」
「またいきなりだな!?」
「今のお前等なら一匹なら問題ないさ、もし二匹目がそっち行きそうだったらなんとか引き付けてやるから。倒せたら今度お前等に好物入った弁当作ってやるぞ。」
「いや、別に見返りはいらないんだが……分かった、二人ともやるぞ!」
「ああ(う、うん)!」
カイムの言葉にリィンは苦笑いしながら答え、二人に号令をかける。二人はそれに答え三人で魔獣との戦いに移った。それを満足そうに見てカイムは残り二匹に視線を移した。そう二匹、いつの間にかそれぞれと相対せず間にいた一匹もカイムの方に向いていた。本能で悟ったのだ、向こう三人よりもカイムの方が脅威だと。
「なんだ手間が省けたな、そっちから来るなんてよ。さあ、かかってきな!」
そう言いながらカイムは導力銃をしまった後、迷宮に入って初めて刀を抜き同時に魔獣達はカイムに襲いかかった。
「……せっかく気合入れたんだがなぁ。」
戦闘が始まってから数分後、カイムは気落ち気味にぼやいていた。そんな彼に魔獣達は全力で殴りかかっているのだが……。
「振りが遅い上に単調、まあ最初ならこんなもんなんかね。もう終わらせるか。」
魔獣達はカイムにとっては期待ハズレの強さであったらしい。ラウラの時のように木の葉のようにひらりひらりと攻撃をかわした後、止めを刺すために後方に跳躍し距離を取った。そして前方に体重を掛け、一気に駆け出す。カイムが体重を前に掛けた時点で魔獣達は本能で危険を察していたが手遅れであった。
「二の型、疾風!」
後方に下がろうと後ろを向いた魔獣達を追い越し刀を振り切った状態でその視線の先にカイムは現れた。そして次の瞬間、魔獣達は苦しみながら崩れ落ち消滅していった。
「あっちももう終わるか。」
倒した事を確認するとカイムはもう一つの戦闘に目を向けた。視線の先ではリィンとガイウスがリンクを駆使し連携攻撃を行い、それで怯んだ隙にエリオットが魔獣にアーツを繰り出していた。道中で使っていた物よりも大きな氷の刃が魔獣を襲い、モロに喰らった魔獣はそのまま崩れ落ちた。
「お、終わったぁぁぁ……。」
「そうだな。お疲れ様、二人とも。」
「なんとか切り抜けられて良かった。」
それぞれ戦い終わった事に安堵している三人にカイムは近づいて声を掛けた。
「よう、終わったみたいだな。ほとんど無傷みたいだし思った以上に善戦出来たみたいだな。」
「うむ、戦術リンクの助けもあったからな。」
「そういうカイムは……聞くまでもないみたいだな。」
「息も切れてないしかすり傷すらないんだね……。」
「パワーはあるがそれだけだからな。ちゃんと攻撃の動作を見れれば楽だよ。」
「リィンとガイウスはともかく僕はちょっと厳しいかなぁ。」
暫く会話をした後、四人は辺りを見回した。扉も無ければ仕掛けも無い、完全に行き止まりであった。
「親玉倒してもなんも無い辺りここで終わりみたいだな。」
「ああ。それにしても地下の構造が完全に変わってしまうなんてな。」
「ちょっと信じられないけどね。」
「確かにそうだがこうして直に見て探索しまったからな……。」
「まあこうしていても埒があかんよ。先に進めないなら一旦戻らないか?」
「そうだな、学院長にも報告しなきゃいけないしな。」
カイムの提案に三人は頷き、四人は出口へ戻っていった。
旧校舎から出ると外は夕方に近づいており日は西の方に傾いていた。学院長への報告を済ませてあとは帰るだけだったのだが、カイムは一人生徒会館へと向かっていた。
「あんのズボラめ。こういうことになるから仕事をしておけと言ったのに。」
実はサラがトワに渡す書類を一枚荷物に挟んでうっかり持ち帰っており、このあと別の仕事があるからとこちらに頼んできたのだ。最初はリィンが行くと言っていたのだが、旧校舎のから出る時に入り口への転送装置を使った時に三人が驚きつつもホッとしていたのをカイムは見ており、思いのほか疲れていると判断し一番疲れていない自分が行くと名乗り出たのだ。すまなそうに礼を言いながら寮に帰る三人を見送り今に至る。
「さて着いたっと。失礼します。」
生徒会館に入り生徒会室の前でカイムはドアをノックし、返事を聞いた後に中に入った。
「あっ、カイム君お疲れ様っ!どうしたの?」
「サラが渡し忘れた書類を届けに来ました。」
そう言いながらカイムはトワに書類を差し出した。書類を受け取ったトワは暫く読んだ後、嬉しそうに笑った。
「ああっ、良かったぁ!一枚足りなくてどうしようと思ってたんだ。」
「うちの担任が本当にご迷惑を……。」
「あわわ、別にそんな謝らなくても……。」
サラに変わり謝罪した後、カイムはトワの机の上を見た。まだ書類などがそこそこあり仕事が終わってないようだ。
「もしよければ手伝いましょうか?」
「ええ!?そんなの悪いよ、カイム君も疲れてるでしょ?」
「いやあ、あれくらいなら結構経験あるんで。それに書類仕事ならよく王都で手伝ってたんで役に立てると思いますよ?」
「……ふふっ、ありがとう。カイム君は優しいね。それじゃ、あとちょっとだけ手伝ってくれる?」
「了解。」
それから暫くトワの仕事を手伝い、会長であるトワがやらなければいけない仕事以外は全て片付けた後、休憩としてお茶を飲んでいた。
「本当に助かっちゃった。まさか私の担当のやつ以外全部終わらせてくれるなんて。」
「元の所属が所属なもんで。助けになったんならなによりです。」
「……そういえば本当にいいの?生徒会の仕事、教官に言われたからって絶対にやらなきゃダメってことはないと思うしそっちのお仕事もあるんじゃない?」
「ああ大丈夫ですよ。ペース配分は整えてますし、こっちの事情知ったみたいで基本はリィンがやるって言ってくれましたし。本当に駄目なら任せるんで。」
「そうなの?でもリィン君は?」
「俺も聞いてみました。そしたらまあ深くは言ってはくれませんでしたが自分の為に是非やりたいとか言ってました。まあここに入るくらいだし何かあるんでしょ。」
カイムはそう言うが実の所彼の素性も実家の事もしっかり知っている。だからこそ彼の悩みのようなものもおぼろげながら察しはついていた。とはいえ彼自身がまだ語らない上にかなりプライベートな部分に踏み込んでしまうのでカイムも深くは聞いてはいないが。
「自分の為かぁ。あ、そういえば。」
「何か?」
「カイム君は何で士官学院に入ったの?ほら、カイム君ってもう軍人さんだし確か爵位も返還されたって聞いたから。」
「ああ、それですか。まず一つは周りのせいですね。」
「周り?」
「俺エレボニアに帰る前は大陸のあちこち回ってたんですよ。そんなんだから例え爵位があっても教養が無いと思われてる訳で。」
そう、カイムは確かに伯爵の爵位を再び持ってはいる。しかし直ぐには帰らずに大陸中を回っていたが故にいきなり戻った挙句皇族の身辺警護に就いたために不満が出たのだ。四大名門のように格上かつカイムの実力を知る機会のある大物はともかく同格か格下の爵位の貴族からの不平不満が五月蝿かった為に、皇帝もやむを得ず箔をつけさせる為にカイムを士官学院に入れることにしたのだ。
「そんな事があったんだ。ごめんね?嫌な事思い出させて……。」
「いいんですよ、ぽっと出がいきなり皇族の横に着けばこうなりますから。会長も宮仕えの際はお気をつけて。あいつら結構ねちっこいですよ、なんなら数倍返しで奴等に地獄を見せる方法でもご教授しましょうか?」
「あ、あはは、遠慮しておくよ。一つって事は他にもあるの?」
「ええ、二つ目はちょっとした仕事ですね。ただこれは色々あるんで追求はご勘弁を。」
そう言いながらカイムはトワに向かってウインクし笑みを浮かべながら口元に人差し指を立てた。その仕草にトワは頬を染めながらも笑いながら了承した。
「ふふ、分かったよ。」
「どうも……っと失礼。」
最後の理由を話そうとした時、カイムのARCUSが鳴り始めた。カイムはトワに了承を得て通話ボタンを押し通話を始める。
「もしもし。」
『カイムか?今何してる?』
「会長室で会長の仕事手伝った後に世間話。」
『そ、そうか。まあとりあえずそろそろ帰れないか?もう殆ど帰ってきてるし日も大分落ちてるし。』
そう言われて窓を見ると日は四分の一ほど沈んでいた。確かにこれ以上遅くなるとサラやフィー辺りがまた文句を言いそうである。
「あー、そうだな。そろそろ帰るわ。今日のお手伝いさんは?」
『アリサだな。ただまだ帰ってないんだ。』
「……ラクロス部というのはそんなに熱心なのか?」
『分からない、そっちも頼めるか?』
「あいよ、じゃ。」
電話を切ったカイムはトワの方に振り向き電話の内容を話しお茶の礼を言って生徒会室を後にした。そしてその足でラクロス部が活動しているグラウンドに向かうとアリサが一人で片付けをしていた。
「どうなってんのかねぇ……。」
そう呟き内心イラつきながらアリサの方に向かっていった。
「……今日はありがとう。」
「気にすんな、俺が手伝いたかっただけだ。」
あの後カイムはグラウンドに向かいそのまま片付けの手伝いを行っていた。アリサの方は遠慮していたのだが、ほぼ聞き流しながらどんどん片付けていったのでそのまま一緒に終わらせてギムナジウムの更衣室で着替えを終わらせた後共に帰路についていた。
「一応聞いとくが苛めの類じゃないんだろうな?別に嘘はつかんでもいいぞ。物騒な真似はしない、ただ説教をして次の日から暫く人が変わったように礼儀正しくなるだけだ。」
「十分物騒よそれ……別に先輩は悪くないわ。本当ならもう一人私と一緒に入った子がいるんだけど……貴族の子らしくてね。色々、難しいのよ。相手も───自分も。」
「……お人好しだねぇ、面倒に巻き込まれたり苦労する典型だぞそれ。」
「それ、あなたにだけは言われたくないわ。初めて会った時とかそうだし今だってこうして私の事手伝ってるし。」
「いや、友達助けるのは普通だろ。まして俺にとっちゃ……まあ始めての友達らしい友達だし?割と贔屓にするよ?」
「それは……うん、嬉しいわよ?けど私が悪い時にはあんまり贔屓にしてほしくはないけどね。」
「そういう時のアリサは大概意地張って後で自己嫌悪だったりでグダグダしてるだろうから若干からかいながら背中押してやるよ。」
「質悪いんだ。」
「知ってる。」
そう言って笑い合いながら二人は晩御飯の買出しの為にブランドン商品へと入っていった。二人が入ると店主のブランドンが声を掛けてきた。
「はい、いらっしゃいってカイム君じゃないか。」
「どもです。また色々買いに来ました。」
「おお、どんどん買ってってくれや。にしても……」
そこで一旦言葉を切り顎に手をやりながらニヤニヤと笑い続きを話し始めた。
「二週間ぐらい前は青髪の凛々しい女子と一緒に来たみたいだし今日は金髪の可愛い女子とは、お前さんも隅に置けないねぇ、色男め。」
「いや、二人とも友達なんですが。」
「そうかぁ?少なくともその子は満更でもなさそうだが?」
そう言われて横を向くとそこには顔を真っ赤にしているアリサの姿があった。アリサはカイムの視線に気が付き、先程のブランドンの言葉もあってまくし立てる様に話し始めた。
「い、いつまでも入り口で立ち話してるのは迷惑だし早く買いましょう!?今日の献立はなにかしら!?」
「ん?あ、ああ、今日はハンバーグにポテトサラダで最後にアイスも予定してるから……。」
「だったら最初はお肉ね!さあいくわよ!」
「お、おい引っ張るな!?」
完全に照れ隠しによる勢いで会話を終わらせたアリサはカイムを引っ張りながら買い物を進めた。必要なものを買い終え店を出る時に、ブランドンから「頑張れよ~」という言葉を受けまた顔を赤くしながらカイムを引っ張り第三学生寮に戻っていった。
後書き
散々遅れた上にこんな感じですはい
もしかしたらいずれ書き直すやもしれません
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