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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第六十八話 華陀、益州に戻るのことその十

「またここに来た時にだ」
「その時に倒す」
「そうされますか」
「そうだ、そうする」
 左慈は断言した。そうしたのである。
「わかったな」
「了解です」
「それでは今は」
「この洛陽に留まるのですね」
「そうです。話は着々と進んでいます」
 于吉が妖しい笑みを浮かべながら述べた。
「それも順調に」
「そうだな、順調だな」
 左慈もその通りだと述べる。
「あの書の力も増幅し」
「そしてオロチに常世もです」
「どれも順調に進んでいる」
「ならです。我々はです」
「特に焦る必要もないな」
「焦ればそれで全てを失ってしまうでしょう」
 于吉は今は余裕を見せている。
 その余裕を顔に浮かべてだ。彼は話すのだった。
「むしろ落ち着くべきです」
「わかった。では于吉よ」
「はい」
「酒でも飲むか」
 仲間にだ。それを誘うのだった。
「そうするか」
「そうですね。ではオロチ一族の方々もお誘いして」
「それで飲むとしよう」
「はい、それでは」
 こう話をしてだ。彼等は今は悠然としていた。そしてその頃。
 華陀達はだ。都を脱して別の世界の仲間達と合流してだ。そのうえだ。
 彼等に対してだ。こう話すのだった。
「それで漢中に行くことになった」
「益州の北にね」
「そこに一旦行きましょう」
 華陀だけでなく怪物達も刀馬達に話す。
「支度を整えてからまたね」
「活動を再開しましょう」
「用意か」
 ギースはそれを聞いて鋭い目になって述べた。
「この世界では何かとあるのだな」
「ああ、そっちの世界と同じだろうな」
 華陀が微笑んでギースに話した。
「その辺りはな」
「我々の世界よりも多くのことがある様だな」
 クラウザーは冷静な顔で述べる。
「むしろな」
「まあそっちの世界の話もまとめて来てるからね」
「かなり凄いことになってるのは確かね」
 怪物達はクラウザーにこう答えた。
「それでその対策の為にね」
「一旦そこに行くのよ」
「わかった」
 最初に頷いたのはミスタービッグだった。
「それでは。そこに行くか」
「よし、じゃあ出発だ」
 華陀は微笑んで仲間達に話した。
「俺にとっては戻るってことになるがな」
「戻る。そうですね」
 命は華陀のその言葉に頷いてから述べた。
「華陀さんにとってはそこが拠点ですからね」
「ああ、そこに五斗米道の本山があるんだ」
 実際にそうだと話す華陀だった。
「だからだ。俺にはそうなる」
「ではそこに皆で行くとしよう」
 今言ったのは獅子王だった。
「是非な」
「左様だな。では我々も」
 天草もだ。彼等と共にいる。
 そして彼等はだ。皆華陀達と行動を共にすることになった。
 こうして彼等は一旦益州に入った。これもまただ。大きなうねりの一つなのだ。


第六十八話   完


                  2011・3・15 
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