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一つ目小僧

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第一章

               一つ目小僧
 この時三上未佳と津田あかりは二人で教室で話をしていた。
 未佳は髪の毛を金髪にしていてややつり目の大きな目を持っている女の子だ、まだあどけない顔立ちで顔は白い。小柄だが胸は中学二年生とはとても思えない大きさだ。金髪の髪の毛には白い髪飾りもある。
 あかりは楚々とした大人しい目をしていて眉は細い。顔立ちも大人しく黒髪をおかっぱにしている。背は未佳より少し高いが胸は未佳に負けていない。未佳は黄色いセーターの下に白いブラウスと紺のミニスカート、あかりは紺のブレザーと同じ色のミニスカートに白いブラウスという制服を着ている。二人共胸には青い可愛らしいリボンがある。
 未佳はあかりにだ、彼女から言った。
「うちのお兄ちゃん八条大学に通ってるけれど」
「あっ、そうだったわね」 
 あかりは未佳のその言葉におっとりとした口調で応えた。
「未佳ちゃんのお兄さんは」
「そう、あそこの教育学部に通っててね」
「将来は学校の先生にって思ってるのよね」
「それでね」
 未佳はこのことからさらに話した。
「あそこの大学というか八条学園って妖怪とかの話が多いけれど」
「それは私も聞いたことがあるわ」
 あかりは未佳のその言葉にこう返した。
「世界屈指の心霊スポットでね」
「怪談も多いのよ」
「そうだったわね」
「それでね」
 未佳はあかりにさらに話した。
「何でもね」
「何でもっていうと?」
「一つ目小僧も出るらしいのよ」
「一つ目小僧っていうと」
 この妖怪の名前を聞いてだ、あかりはすぐに言った。
「あの有名な」
「そう、お顔に一つだけ大きな目があるね」
「あの妖怪よね」
「時々お豆腐持ってたり片足だったりするね」
「大抵小坊主さんの恰好してるわね」
「あの妖怪も出るらしいのよ」
「それで何かするの?」
 あかりは八条学園に出るという一つ目小僧の行いについても尋ねた。
「それで」
「さあ」
 これが未佳の返事だった。
「それが出るだけで」
「それだけなの」
「それで人が驚くでしょうけれど」
 一つ目小僧の人間とは異なる姿にだ。
「けれど特にね」
「何もないのね」
「そうみたいよ」
「ただ出るだけなの」
「それだけみたいよ」
「何かそれって」 
 そう聞いてだ、あかりは首を傾げさせそうして未佳に言った。
「意味ないわよね」
「そうよね」
「人を驚かせるだけで」
「それでお兄ちゃんが言うにはね」
 未佳は自分の兄から聞いた話をさらにした。
「そうした妖怪多いらしいわ」
「そうなの」
「日本の妖怪にはね」
「一つ目小僧だけじゃなくて」
「から傘とかろくろ首とか」
 こうした妖怪達もというのだ、どちらも日本においてはかなり有名な妖怪で日本人なら誰でも知っていると言っていい。
「そうした妖怪と一緒で」
「一つ目小僧もなの」
「その妖怪もね」
「ただ人を驚かせるだけで」
「他にはね」
 これといってというのだ。
「特にね」
「何もしないの」
「そうみたいよ」
「そうなの」
「それでね」
 未佳はあかりにさらに話した。 
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