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レーヴァティン

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第四十七話 海はなけれどその十二

「あれはね」
「そういえば星座もな」
「本で書いてあったよね」
「十二の星座もな」
 黄道のそれもというのだ。
「そうだったな」
「やっぱりその十二の星座がだよ」
「星座の中心ってな」
「本でも書いてあったね」
「ああ、黄道のな」
「それも一緒だしね」
「星座見てもな」
「方角がわかるからね」
「確かに南西だな」
 久志は地図と方位磁石で方角を確かめていた。
「今俺達が向かっているのは」
「うん、それで例の彼が行ったっていうのも」
「こっちだったな」
「そう聞いたからね」
 湖に出る時にバイキングにだ。
「だからこのまま進んでいくとね」
「見えてくるか?船が」
「そうだと思うよ」
「ちょっと先を見る術を使って確かめるか」
 ここでこうも思った久志だった。
「そうしてみるか」
「それもいいね」
「だよな、しかしこの湖はな」
 今度は湖の話もした久志だった。
「すげえ広さだな」
「この広さは海だね」
 剛が言ってきた、見れば釣った魚を術で焼いて調理してそれを食べている。鱗は既にナイフで奇麗に取っている。
「まさに」
「ああ、本当に海だよ」
「僕達の世界で言うとカスピ海かな」
「ロシアのあそこか」
「そんな感じだね」
「あの湖は凄いらしいな」
「あまりにも広くてね」
 それでというのだ。
「海だってね」
「言われてるんだよな」
「そんな感じだね」
「この湖はか」
「面積的にはそこのカスピ海より大きいかもね」
「この島自体大きいしな」
 久志はこのことも既に把握している。
「大陸並にな」
「東の島もそうだよね」
「ああ、どっちの島もな」
 まさにとだ、久志は剛に答えた。
「大きくてな」
「大陸だよね」
「それ位の大きさだな」
 まさにというのだ。
「オーストラリアみたいなな」
「そんな感じだね」
「大陸か」
 自分達が今いるこの島のことをだ、久志はこうも思った。
「じゃあ俺達がはじめる戦いはな」
「大陸の統一だね」
「そうした戦いってことだな」
「うん、そうだよ」
「そういうことだな、オーストラリアか」
「あの国は知ってるよね」
「ああ、八条学園にもあそこから来てる奴多いからな」
 つまりオーストラリアからの留学生も多く来ているのだ、そうして日本のことも学んでいるのである。
「俺も聞いてるぜ」
「オーストラリアのことを」
「でかくてな、まさにな」
「そう、大陸だからね」
「一つの島がな、そうだな形は違ってもな」
 島のそれがだ。
「それでもな」
「大陸は大陸だよ」
「そこを統一か、島の地形もわかってるしな」
 このことも理解していて頭の中に入れている久志だった。
「十二人揃ったらな」
「それからね」
「これだっていう場所で旗揚げしてな」
「統一をはじめようね」
「そうだよな、しかし今の俺達はな」
 少し自嘲気味に笑って言う久志だった。 
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