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客の止め方

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第二章

「いいし」
「膝の裏ね」
「あれ悪戯でするけれど」
「あれ暴れてる人を止めるのもいいの」
「そうなの」
「そう、それもいいから」 
 こうした悪戯でする様なこともというのだ。
「当身以外にも。あと何でもいいから」
「何でも?」
「何でもっていうと?」
「まだ裏技あるの」
「そうなの」
「そう、そっと耳元でこう囁くの。比較的冷静さが残っている人には」
 どう言うかというと。
「今の姿ユーチューブにアップするぞとか秘密ばらすぞとか」
「それ効くの」
「脅しも」
「そうなの」
「酔ったりしていて完全に我を失っていたら無理だけれど」
 それでもというのだ。
「こうしたのもいいの」
「言葉もなの」
「それも効果あるの」
「そうなの」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「言葉もいいの」
「色々あるのね」
「暴れてるお客さんとか喧嘩の止め方も」
「当身以外にも」
「そういうのもあるのね」
「そう、あと裏技もあって。私は使ったことないけれど」
 ここでだ、かすみは凄みのある顔になって友人達に囁いた。
「怖い技もあるのよ」
「怖いっていうと」
「どんなの?」
「どんなのあるの?」
「合気道の技を使うとか」
 まずはこの技を話すかすみだった。
「女の人だと髪の毛を掴む、男の人だとあの急所を狙う」
「うわ、凄いわね」
「どっちもかなりね」
「髪の毛って掴まれると動けなくなるのよね」
「それだけでね」
「もう相手が有利になるわね」
「そうした技があるから」
 だからだというのだ。
「いざって時は使えばいいらしいわ」
「いや、どっちも駄目でしょ」
「もう禁じ手でしょ」
「どっちも使ったらね」
「もうアウトよ」
「アウト過ぎるわよ」
「あと相手の膝が伸び切っていたらその甲羅を軽く蹴ると」
 その禁じ手をさらに話すかすみだった。
「割れるらしいし手の指を掴んで逆方法に曲げたり」
「どれも普通じゃないわよ」
「殺人格闘技の世界じゃない」
「論外よ」
「けれどこうしたのもあるの」
 実際にというのだ。 
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