打って切って茹でて
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第二章
「ああなるの」
「成程な」
「そう、そしてそのコツは」
「何なんだ、それは」
「足なの」
のりは兄に一言で答えた、もう兄弟達は誰もテレビではなく麺のそれに話に専念していた。
「足を使って打つの」
「足をか」
「そう、足をね」
まさにそれをというのだ。
「使って打つとね」
「あのコシになるのか」
「そうなの」
「足か」
「踏むのよ」
のりはまた一言で答えた。
「麺をね、手である程度打って形を整えて」
「それからか」
「そう、ビニールで包んで」
その麺の生地をというのだ。
「後はね」
「踏むのか」
「そう、思いきり体重乗せて」
そのうえでというのだ。
「もう踏んで踏んで踏みまくるの」
「そうして打つとか」
「あのコシになるの」
「そうだったんだな」
「このやり方お母さんに教えてもらったの」
「へえ、お母さんにか」
「そうなの」
こう兄に話した。
「それでやってみたらね、最初はおうどんで」
「あのコシになったんだな」
「そうなの、お蕎麦でもラーメンでもしたら」
どの麺でもというのだ。
「コシが全然違ってて」
「やってるのか」
「そうなの」
今もというのだ。
「そうしてるの」
「成程な、そのお陰でか」
「あのコシになるのよ」
のりが打つ麺のそれにというのだ。
「そうなの」
「わかった、しかしな」
「しかし?」
「今度俺もやってみるか」
兄は考える顔で言った、自分もとだ。
「そうしてみるか」」
「じゃあ僕もそうしてみるよ」
「僕もね」
弟達も言った。
「お姉ちゃんみたいにやってみるよ」
「足で麺を打ってみるよ」
「それで美味しい麺が食べられるならね」
「そうするよ」
「そうしてみてね、じゃあ今度お家で麺類をを食べる時にね」
のりは兄弟達に笑顔でやってみた。
「皆でやってみましょう」
「そうしような」
兄が兄弟を代表して応えてだ、そうしてだった。
実際に家でうどんを食べる時にだ、兄弟全員でうどんの麺を足で打ってみた。手である程度打って形を整えてから。
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