ドリトル先生と奈良の三山
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第十一幕その二
「本当にね、山と木ばかりで」
「凄かったから」
「同じ奈良県とは思えない」
「そんな場所だったわね」
「そうだったね、奈良県は」
本当にというのです。
「北と南で違うよ」
「それで北はこうね」
「開けてて」
「昔から人も集まって」
「三山みたいな場所も造られていたのね」
「人工の山だと仮定して考えると」
まだ結論は出ていないのでこういったのです、そしてです。
ここで、です。こうも言った先生でした。
「かなり古くから日本の中で人が集まっていたね」
「この奈良には」
「それは本当に間違いないわね」
「どう考えても」
「だから日本の中心だったしね」
その太古からです。
「ここは、他にも開けた場所があったし」
「京都も大阪もね」
「そうだったわね」
チープサイドの家族がお話しました。
「関西はね」
「昔からそうだったのよね」
「あっ、そういえば暮らしやすい場所が多いね」
「そうだね」
オシツオサレツも気付きました。
「京都だってね」
「お水も奇麗だし」
「だから昔から人が多くて」
ダブダブも言いました。
「日本の中心にもなったの」
「愛媛もいい場所だったけれど」
それでもと言うトートーでした。
「関西はまた別格な感じがするね」
「日本で一番農業に向いていて商業もしやすくて」
人が多いだけじゃなくて交通の便や川もあってです、そうしたことから考えた老馬でした。
「栄えるのも当然だね」
「東京の方も開けてるけれど」
それでもとです、ジップが思うには。
「あそこは確かお水も地質もよくないから」
「あっちは長い間開けていなかったんだったね」
チーチーは前から先生から聞いたことを思い出しました。
「江戸時代までは」
「そうそう、江戸時代から栄えて」
ポリネシアも言います。
「それまではずっと関西の方がずっと開けていたのよね」
「今だと信じられないね」
東京のことをこう言ったホワイティでした。
「あんなに賑やかなのに」
「変われば変るもの?」
ガブガブはこう思いました。
「場所も」
「というか横浜も全然開けていなかったなんてね」
先生も同じ考えでした。
「僕にしてもだよ」
「信じられないわよね」
「東京も横浜も昔は人が少なくて」
「全然開けてなくて」
「街どころか草原だったなんて」
「それこそ見渡す限りの」
「それがああなったんだよ」
世界屈指の大都市群が形成されたというのです。
「徳川家康さんが江戸に大きなお城を築いて幕府を開いてね」
「何か無理にあそこに移らされたんだよね」
「けれどその縁でああなったって」
「思えば凄いね」
「元々は愛知の人なのに」
「全くだよ、けれど奈良県はね」
ここのお話に戻しました、皆の前に畝傍山が見えてきました。
「もう最初からだね」
「日本という国が出来て」
「その頃から人が多くて開けていた」
「農業も営まれていて」
「政権も出来たのね」
「そうだよ、本当にね」
実際にというのです。
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