レーヴァティン
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第四十五話 傾奇者その九
「そこをどうするか、だからです」
「それでか」
「やはり忍者、六人目の人物も」
これまでは五人目と思われていたが当季の加入で変わった、順番が一つ下がったのだ。
「男か」
「その可能性が高いですね」
「そうしたものか、どうもだ」
「外の世界から来ている人間はですね」
「男がかなり多い様だな」
「ははは、それもまた一興ぜよ」
男ばかりでもいいとだ、当季は笑って言った。
「男だけもそれはそれで面白いぜよ」
「そう言われますか」
「ああ、わしはのう」
謙二にも笑って応えた。
「おのこの趣味はないがな」
「それでもですね」
「ああ、わしはいいわ。そしてじゃ」
そのうえでとだ、また話した当季だった。
「遊郭があったら入るんじゃ」
「ここの様にでござるか」
「そうじゃ、おのこだけの旅もええもんじゃ」
「気兼ねすることがないからでござるな」
「そうじゃ」
智にも答えた当季だった。
「それもええのう」
「それはそうでありますが男ばかりだとであります」
峰夫は当季の言葉に頷きつつも疑問を呈した。
「むさ苦しいでありますが」
「だからおなごがいてもじゃ」
「それはそれで、ですか」
「ええぜよ」
そうだというのだ。
「わしはどっちでもじゃ」
「どちらでも楽しめるでありますか」
「そうじゃ、それではじゃ」
「どちらでもいい旅になるので」
「甲賀に行くか、これからな」
「わかった、ではだ」
英雄も一同を率いる者としてここで声を出した、それも強い声で。
「これから甲賀に向かう」
「よし、出発じゃ」
「甲賀の里で六人目に会うが」
「それまでにじゃな」
「魔物が出るだろうし賊もじゃ」
そちらもというのだ。
「出る、そのどれもをだ」
「倒すんじゃな」
「その時は期待している」
当季の武、それをというのだ。
「御前は確かに強い」
「わしは嘘は言わんぜよ、巨人でもな」
「一人で倒してきたか」
「そうじゃ、あんた達と同じじゃ」
その槍を使ってというのだ。
「片鎌槍が唸ってな」
「その槍の強さと捌きも見せてもらう」
「それではじゃ」
「行くぞ」
甲賀までというのだ、その道中でまた戦いがあることを念頭に置いたうえで。そして実際にであった。
温泉宿を出るとすぐに敵が出て来た、それは巨人だったがその巨人のうちの一体を早速その槍でだった。
跳んだうえでその眉間に突きを入れて倒した、そうして着地してから行った。
「まずは一体ぜよ」
「やはり出来たな」
「どんな奴でも急所がある」
「その急所を突けばな」
「こうして一撃ぜよ」
それで倒せるというのだ。
「敵の攻撃を受けたら終わりにしてものう」
「それなら受けなければいいだな」
「そうぜよ、やられる前にやれじゃ」
見れば他の面々も巨人達が動く前に攻撃を浴びせて倒している、英雄にしても前の瞬間に二体真っ二つにして倒している。
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