おぢばにおかえり
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第四十四話 二人でお外に出てその六
「そうしてもいいですよね」
「阿波野君がそう思うならね」
私は阿波野君の心から楽しんでいるお顔を見つつ答えました。
「この町に住んだら?」
「そうですよね、ずっと」
「ええ、それで教会に来たいならね」
勿論私の実家の教会です。
「何時でもね」
「はい、同じ奥華ですしね」
「よかったらね」
何故かこのことはごく自然に言えました、教会に来てくれるなら誰でもというのがおみちですし。
「お父さんとお母さんもいるし」
「いい人達ですよね」
「ええ、妹達もいて」
「何よりも先輩が」
「私はいないわよ」
何か阿波野君の言葉が気になって返しました。
「だって高校はおぢばだしこれからもね」
「おぢばで、ですか」
「暫くいさせてもらいたいから」
少なくともその気持ちです。
「だからね」
「ここにはですか」
「大学卒業位まではね」
少なくともその年齢位まではです。
「おぢばにいさせてもらうから」
「そうなんですね」
「そう、大学に受からなくても」
つまり天理大学に合格しなくてもです。
「おぢばで伏せ込みさせてもらうわ」
「そうですか」
「そのつもりなの。おぢばでなかったら」
あそこで伏せ込みさせてもらえない場合はです。
「大教会で、ってなるかしら」
「あと詰所ですか」
「大学は詰所から通わせてもらうつもりだし」
合格した時はです。
「あと四年半はね」
「おぢばにおられるんですね」
「そうなの」
あくまでそのつもりです、実際にどうなるかはわかりません。
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