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ドリトル先生と奈良の三山

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第十幕その十二

「農業や大工の教えが土台になっているからね」
「それでなんだ」
「農業の宗教なんだ」
「そうして大工さんもなの」
「大工さんなのは天理教の創成期にかなり貢献した人で大工さんだった人がいてなんだ」
 だからだというのです。
「その人の影響が強いんだ」
「そうだったの」
「それで大工さんの教えも入っている」
「そうだったのね」
「そして本当に農業の教えが強いのは」
 またこのことをお話するのでした。
「日本が農業社会だったからだよ」
「この天理市もね」
「よく見たら今も田んぼが多いしね、ここ」
「そういうのを見たら」
「天理教が農業の宗教なのも当然なのね」
「日本で生まれた宗教だから」
「そうだよ、天理教は農業と大工の宗教だね」
 また言った先生でした。
「このことはよく覚えておくよ」
「先生もなのね」
「キリスト教やユダヤ教とはまた違う」
「日本の宗教ってことね」
「そう、日本は確かに山の人達もいたけれど」
 それでもというのです。
「農業社会よね」
「そうよね」
「神道もそうだしね」
「農業の宗教だし」
「特に稲作の」
「天理教もだよ、天理教と神道はまた別の宗教だけれど」
 先生はこのこともわかっています、天理教と神道はまた別の宗教だということを。同じ日本の宗教でもです。
「農業、稲作が土台にあるよ」
「成程ね」
「天理教はそうした宗教ってことね」
「そういえば教祖さんは女性だし」
「そこもユダヤ教やキリスト教とは違うし」
「天理市にいても女の人が多いし」
 今も法被を着た人達の半分以上が女の人です。
「神道も天照大神は女神様だし」
「女神も多いしね」
「それで天理教もね」
「教祖さんが女の人で」
「女の人も強いのね」
「そう、女の人の教会長さんも普通だしね」
 天理教ではです。
「それは女の人も働く農業文化からだね」
「そのことも農業が影響しているんだ」
「天理教は農業の宗教で」
「だから女の人も強い」
「そうした宗教なのね」
「そうも思うよ、天理教の論文もまた書く予定があるし」
 だからというのです。
「そちらも学んでいくよ」
「じゃあ今日ここに来てよかったね」
「奈良県に来たから」
「これも神様と仏様のお導きかな、宗教は違うけれどね」
 笑ってお話してです、先生は奈良市に戻りました。そうしてまた学問には励むのでした。 
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