艦隊これくしょん~男艦娘 木曾~
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第五十五話
前書き
どうも、暇なので書いてたらできてた。現実逃避が酷いぞぉ…………。
「バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカッ!!」
俺は春雨にマウントポジションを取られ、何もできない状況で胸倉を掴まれ、ただひたすらバカと言われていた。
…………おぉ、なんだろうかこの背徳感。春雨に対して色々やらかしすぎて、どれに対する背徳感か分からねぇ。
春雨との勉強の約束破ったり。
ボロボロになったり。左腕落としたり。
レ級とキスしたり。
散々だ。
バカと言われても仕方ないかもしれない。
「…………よぉ、春雨。勉強に付き合えなくてすまんかったな。」
俺はとりあえず、一番謝りたかったことを口に出した。とりあえず、ここからだ。
「……ッ!バカッ!そんなこと…………今はいいんですよ!」
春雨は、そう言うと、俺の左肩を触った。
「あなたの…………左腕っ、がっ…………~っ!!」
春雨はそこまで言うと、ボロボロと泣き出してしまった。流した涙は俺の頬に落ちていった。
…………俺は幸せ者だなと、頭のどこかで考えていた。
泣いてくれる人が居るんだから。
「…………仕方ないと言えば、仕方ないさ。提督が義手を用意してくれるらしいし、さ。」
兎に角、心配してくれてありがとう。
そして、心配かけてごめん。
俺はそう呟くと、春雨の頭を撫でた。サラサラした、綺麗な髪の毛だった。
「…………こちら、こそ…………守ってくれてっ…………ありがとう、ございます…………。」
春雨はそう言うと、寝転んでいる俺に抱きついてきた。
「生きて……帰ってきてくれて…………ありがとう…………ございます…………!」
あぁ、俺は一生をかけて、この子を幸せにしなきゃと思った。
「……ひっぐ…………ぐすっ…………。」
俺はそのまま泣いている春雨の背中に右腕を回した。片腕しかないのが、初めてもどかしいと思った。
「どうってことないさ。」
俺は春雨が泣き止むまで、ずっとその状態でいた。
…………幸せと思う反面、覚悟も決まった。
絶対、この戦いを終わらせてやる。
絶対、春雨に普通の女の子になってもらうんだ。
か弱い少女を抱き締めながら、人知れず覚悟を決めた。
―医務室の外―
「…………木曾、何してるんだい?」
オレが医務室の前で立ち尽くしていると、提督がやって来た。何やら書類を抱えていた。
「…………ラブコメの邪魔をしないように待ってるとこ。」
あんなにイチャイチャしてる奴等の所に入ってくるのは忍びなさすぎる。
「あー、確かに。」
提督はそう言うと、オレの隣の壁に寄りかかった。
「…………オレは、アイツのことが理解できなかった。」
オレは、ぽつりぽつりと話し始めた。
「あのとき、なんで立てたのか。なんで艤装が回復してたのか。なんで笑えたのか…………理解できなかった。」
千尋だけじゃない。レ級に関しても、何がしたいのか分からない。
理解できないことだらけだ。
「んー、前二つには即答できるね。『始祖』の息子だからだよ。」
…………やっぱり、アイツは人外だった。
「明石と話したんだけどね。恐らく千尋の特徴は、『自動修復』だね。ある程度の艤装ダメージだったら勝手に回復できるらしい。」
それは…………反則じゃないか?
オレは提督の言葉を自分の中で何回も噛み砕いて、理解しようとしていた。
「多分、千尋は今回が初めての大破だからね…………それで発動したんだろう。」
「…………おう。」
百歩譲って、そこは認めよう。
「笑ってたのは、多分…………春雨と同じ存在になれたとでも、思ったんじゃないかな?」
…………それは、予想外の答えだった。
「アイツ、春雨の事を好いてるからね…………味方になれると思ったら、嬉しかったんじゃないかな。」
最早、ポカンとするしか無かった。
色恋沙汰に全く興味の無かったオレからすれば、どんな感覚なのか分からない。
「…………分かんねぇよ。」
「そうかい。まぁそれは、いつか分かるかもしれないし、分からないかもしれない。」
理解しようとしなくてもいいと提督は言うと、その場から立ち去って行った。
「…………んなもん、分かんねぇよ。」
オレは再びそう呟くと、その場にうずくまった。
どうしようも、できない気がした。
―数日後―
「…………義手ってここまで性能上がってたんだな。」
俺は左腕に付けられた俺の新しい左腕を動かしていた。
明石さんはその様子を見て満足気な顔をしていた。
「あったり前よ!私が丹精込めて作ったんだから!」
義手となった左腕は、自由に動かせるのだが、感覚は全くない。慣れるのには時間がかかりそうだ。
「さてと、それじゃあ執務室に行って来ますね。なんか、俺と春雨と夕立が呼び出されてたんだよ。」
俺は明石さんにそう言うと、その場を後にした。
―執務室―
「さてと、君たちを呼び出したのは他でもない。本部から辞令が来たんだ。」
執務室に三人揃ってはいると、提督は資料を見ながらそう言った。
「辞令?」
「読み上げると……『辞令 呉鎮守府所属 夕立 春雨 木曾(二号)の三名を、九月二十五日付で佐世保鎮守府所属とする。』…………と言うことだ。」
佐世保ってーと…………九州辺りだっけ?よくわかんねぇや。
「今回なぁ…………佐世保鎮守府の前提督がアレ過ぎてな。新しい提督を配置することになったんだけど…………そいつが君達を貸してほしいって言ってきたんだ。」
…………おいちょっと待て。
「まさか、その新しい提督って…………。」
「うん、僕の事だよ。」
振り返ると、そこには提督の制服を着ていた拓海が立っていた。
「拓海くん!カッコいいっぽい!!」
冬華は拓海に飛び付いていた。犬だ。ぽいぬだ。
「…………おいおい。お前も退学届け出してきたのかよ。悠人泣くんじゃね?」
俺は冬華に飛び付かれて倒れ込んでしまった拓海に笑いかけた。
「まぁ、最初っから途中退学の予定だったし、仕方無いよ。悠人には、一発殴られただけで済ませて貰ったよ。」
それで済ませる所がアイツらしいやと、俺は笑った。
「だいたい、二、三ヶ月位かな?そうしたら帰ってきてもよし。帰らなくてもよし。」
提督はそう言いながら笑いかけた。
「兎に角、今晩は君達の追い出し会だ。存分に楽しんでくれ。」
呉との、暫しのお別れだった。
―キャラ紹介のコーナー―
どうも、なんか久しぶりのこのコーナーに戸惑いを隠せないV・Bです。
さてと、今回は夕立ちゃんの紹介と行きましょう。
園崎 冬華(十六)女
呉鎮守府第二船隊所属(九月二十日現在)
艦種 夕立
身長 一五八センチ
体重 (強制規制)
練度 七十三
長所 従順
短所 夜戦バーサーク 拓海盲目
好きなもの 拓海くん 拓海くんとのデート 拓海くんの(自主規制) 拓海くんとの(自主規制) 甘いもの
嫌いなもの 拓海くんとのイチャコラを邪魔するもの全て ピーマン
趣味 拓海くん(自主規制)で(自主規制) 拓海くん抱き枕作り(十一個目)
最近の悩み 拓海くんがカッコよすぎて世界がヤバイっぽい
千尋や悠人との幼馴染みであり、拓海の恋人。中学生の時に夕立の適正が見つかってしまい、艦娘になった。
基本的に人懐っこい性格をしており、他人にはよく犬っぽいと言われる。
こと夜戦となるとバーサーカーとなり、その状態での近接能力は木曾に匹敵するとまで言われている。
拓海の事をこよなく愛しており、二週間に一回位やって来る拓海の事を尻尾を振って待っている。
裏設定として、このキャラは某有名アニメのヒロインが元となっている。分かった人はコメントしてみよう(おい)。
後書き
読んでくれてありがとうございます。まさか連日投稿だけでなく、連続投稿までするとは思わなかった。いやぁ、執筆楽しいぜ!これで明日も投稿しようとしてるからな…………何してんだろうか俺。
それでは、また次回。
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