レーヴァティン
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第四十四話 琵琶湖その十一
「三人一度に一晩相手にしていた」
「それはまた」
「そうして楽しんだが」
「それはまたです」
峰夫も言うのだった。
「豪の者です」
「そうなのか」
「まことに」
「やはり三人はでござる」
また言った智だった。
「恐ろしいでござる」
「英雄殿の意外な一面であります」
「そうか、店でも言われたが」
「それは言われるであります」
「三人一度の相手はか」
「恐ろしいであります」
実にというのだ。
「全く以て」
「そうか、それでだが」
「後は良太殿でござるな」
智が言ってきた。
「何処におられるか」
「もう外に出ているだろう」
店からとだ、英雄は智に応えて述べた。
「あいつも」
「では」
「暫く歩いて探すか」
「そうするでござるか」
こう話して良太を探していると実際にだった、良太が道を歩いていてそのうえで三人に言ってきた。
「私も楽しんでいました」
「そうだったか」
「はい、しかし三人は」
良太も言うことだった、智達から聞いて。
「凄いですね」
「御前もそう言うか」
「それもはじめてですね」
「そうだ」
「余計に凄いです、最初から三人同時に一晩となると」
かなり真剣な顔で言う良太だった。
「末恐ろしいですね」
「そうなのか」
「はい、恐ろしい色豪になりますね」
「ならそちらも目指してみるか」
英雄は良太の言葉にまんざらでもない感じで応えた、ただしその表情も声の色もいつも通りである。
「こちらの世界でもな」
「こちらでもといいますと」
「女はよかった」
それをまさに肌で感じ知ったからこその言葉だ。
「だからな」
「あちらの世界でもですか」
「楽しみとするか」
「そして色豪をですか」
「目指すか」
二つの世界でというのだ。
「そうしようか」
「お金には気をつけて、そしてそれ以上に」
「風俗以外でだな」
「複数の女性と交際しますと」
どうなるかと言う良太だった、現実の世界のことを。
「最悪刺されます」
「そうなるか」
「はい、何度も刺され命を落とし」
さらに話す良太だった。
「首を落とされ持って行かれることも」
「縁起でもないな」
「そうもなりますので」
「だから起きた世界ではか」
「はい、複数の方を相手にされることはです」
風俗店以外の場所ではだ。
「危険を伴います」
「恋愛のもつれか」
「そして先程申し上げた様に」
「刺されることもか」
「有り得ますので」
だからだというのだ。
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