獣篇Ⅱ
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15 待ち合わせは正確に。
_「クッ)いよいよお出ましかッ!」
_「ひぃ、ふぅ、みぃ…一人はもう殺ったとして、でもそれにしては後一人足りねェなァ。」
_「オイ、寝ぼけてんじゃねェぞォ!誰が地球産だ!?こんな田舎もんたちと一緒にすんなヨ。こちとら根っからのシティ派ネ。」
_「参ったね、こりゃあ。もしや、とは思ったが、その傘、その肌。ようやくジイさんとの戦争を避けたと思ったらこのザマだァ。勘弁してくれよォ。オラァ、共食いは趣味じゃねェんだ。これも夜兎の血の宿命かねェ?死ぬまで戦い続ける、呪われた種族が。」
_「銀ちゃん、ここは私に任せるアル。行くヨロシ。」
_「バカか。三人がかりでもヤバい相手だ。」
_「行って下さい、銀さん。
神楽ちゃんは、ぼくが守ります。」
_「ハァ!?何言ってるアルか!?お前なんか、足手まといアル。さっさと行けヨ。」
_「足手まといです、銀さん!
さっさと行って下さいッ!」
_「オメェだ、ッつーの!」
_「ったーく、オメェーら?
待ち合わせの場所は分かってんだろうなァ?オイ、」
_「次会うときは、」
_「陽の下で、…」
_「上等だァ。」
銀時だけが先に走っていったようだ。
しまった、時間がない!
神威のところにワープする。
_「こんなところで何してるの?ひょっとして、お母さんでも探してるのかい?…、あり?どしたの?寒いの?大丈夫?ねェ、そんなに会いたいなら、オレについておいでヨ。会わせてあげるヨ?日輪に。」
はっとして、とっさに壁の影に隠れる。
_「おちょくってんのかよ!?アンタ、オイラたちの味方じゃない。鳳仙の味方でもない。一体、何なんだ?」
_「あいにく、吉原にもビジネスにも興味はないんだ。会いたくなった。あの夜王鳳仙を腑抜けになるまで垂らしこんだ女に…。」
_「会いたくなった。吉原中の女たちから太陽と呼ばれ、すがられる女に。オレはどうやら、今まで探し人を間違っていたらしい。さァ、会いに行こうか。吉原で最も美しく、強い女に。」
よし、今だ。
神威のところに向かう。
_「晴太くん…!良かった、無事に着いたのね?」
_「なんだ、零杏か。もう、ビックリさせないでヨ。」
晴太くんが、怯えた目でこちらを見る。
_「お姉さんは、神威の味方なの?」
なんて答えるべきなのか…。
_「正直に言えば、そう。でもね、神威にあなたをここまで連れてくるように、と指示したのは私。現に主は、神威とここに来たでしょう?」
_「うん。銀さんたちは?いつ来るの?」
_「んー…まだはっきりとは分からないけど、銀時はこっちに向かってきてるみたいね。おっと、私はここらへんで次のところに行かなくちゃ。じゃ、神威。あとは頼んだわね。」
と言って、私は去った。
新八くんたちのところにワープした。
何が起こったのだろうか。新八くんが押さえ込んでいる。
_「何の真似だ…?」
_「お前のためじゃない、銀さんと約束したんだ。神楽ちゃんは、ぼくが守るッ!ぼくが神楽ちゃんを…僕らが信じる神楽ちゃんを、守るんだァァッ!夜兎でも、イカれた兄貴の妹でもない、ぶっきらぼうで、生意気で、大食らいで、…でも、とっても優しい女の子。僕らの、…大切な仲間を守るんだァァッ!お前なんかの為に、神楽ちゃんの手なんか、汚させやしないィッ!目を覚ませ、神楽ちゃんッ!君の敵は、僕らの戦う相手は、こんなチンケなヤツじゃないはずだッ!神楽ちゃんんんんッ!」
あ、そうか。神楽ちゃんは夜兎の血に呑まれてしまったのか。目が完全にイッちゃってるもの。
とりあえず、銀時はどこだ?
もう着いたのか?
とりあえず後で戻るとして、一回神威に戻った。
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