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獣篇Ⅱ

作者:Gabriella
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6 料理のできる男は、モテる。

_「これらは着いてから着替えればいいかしら?」

_「ウン。それがいいネ。」


なにしろ今は、神威たち第七師団の格好、つまり男装をしている。長い髪はとりあえずポニーテールに結んでから三つ編みにしてある。こうなることを想定した髪型にしておいてよかった。


_「地球に着いたら、バラバラに目的地に入りましょ?じゃないと、あまりにも目立ちすぎるわ。」

あ、じゃあ、とついでに番傘風の武器(確か神楽ちゃんも持ってたやつ)持たされた。

_「無いとは思うけど、一応持っておいてネ。あと、あげる。」

_「これもらっていいの?」

_「いいヨ。それ、どうせ要らないし。使ってくれるならもうあげるヨ。」

_「分かった。じゃあ、頂きます。
 でね、私はちょっと地球に用事があるから、私はあとから行くわ。」


そう、何を隠そう、私は一応真選組の観察である。今回の件の報告書の為に、レポートを書いて、送らなくてはならない。あと、ついでに挨拶も。
真選組の制服は、持っているから言いとして、問題なのは、この人たちをどう撒くか、だ。今から行くときに、山崎(せんぱい)からトランシーバーでも借りよう。


じゃ、後でネ、と神威が去ったあと、もらった着物をきれいに畳んでバッグにしまう。髪型を変えるのが面倒なので、そのままの髪でいいように、袴の衣装を取り出し、春雨の格好の上からさっと着た。そして春雨のマントを羽織のように着こなし、持ってきておいた煙管を胸のあわせにいれておく。何時なんどき役に立つか、分からないからだ。
そして、宇宙空間でwifiが飛んでいるか、は不明だが、一応念のために真選組用のスマホと、鬼兵隊用のスマホに、それぞれメッセージを送っておいた。

何もかもを済ませた私は、することがなくなってしまったので、とりあえず神威のもとに向かった。


_「あ、零杏!来た来た。こっちだヨ。」

と手招きしている。
そちらに向かうと、阿伏兎が口を開いた。

_「零杏、もうじき地球だ。着くまでに軽く何か食べるか?」

_「朝ごはんでも出していただけるのですか?」

_「あァ。地球に着くのがお昼頃になるだろうから、まァ、昼飯と言ったところかァ?」

_「そうなんですね :)
ありがとうございます。」


と、私たちは食堂に向かった。
各自好きなところに座っていい、ということだったので、調理風景が見られるカウンター席に座った。
右には神威が、左には云業サンが座っている。

何がいい?と聞かれたので、オススメのもので、と言っておいた。

音と香りからして、どうやら麻婆豆腐のようだ。
ハイ、お待ちどう様、と定食が並ぶ。

_「いただきます」

と声をあわせてかぶりついた。
 
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