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獣篇Ⅱ

作者:Gabriella
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1 チャンスは利用するに限る。

動乱篇以降、私はあの功績と共に、「山崎の代わりにもなる存在」、として、鬼兵隊の監視をするために、役職を「監察」に移された。
このチャンスを逃すわけにはいかない。改めて、鬼兵隊に戻った。
こうしておけば、とりあえず真選組曲中法度に違反、と取られる心配はない。
という訳で、私は鬼兵隊に戻ってきた。帰るために晋助たちに(いつのまにか作られていた)グループLINEで送ったら、真っ先にまた子から返信があった。

_「零杏!お疲れッスよ~
もうすでに逃げたとばかり思ってたッス。戻ってくる気になったんスね?」

返信を打っていると、次は万斉からだった。

_「零杏殿、帰ってくるでござるか!?楽しみでござる。動乱篇で色々あったでござるが、また一緒に仕事ができて、嬉しく思うでござる。
零杏、今となりで晋助も見てるでござるから、代わるでござるよ!」



なんか万斉、キャラ変わってない!?



ありがとうございます、
よろしくお願いします。

と打つと、今度は晋助からのLINEだ。
というか、ホントにいつからこんなものができたんだ!?

_「零杏、やっと帰ってくる気になったかァ…待ちくたびれたぜ。
今から港に向かう。着くのは昼頃になると思うが、それまでどこかで待っとけや。オレが直々に迎えに行ってやらァ。ちなみに、部屋はおれんとこだ。覚悟しとけや。」


というか、口調は皆 しゃべる時と変わらないんだな。なんか、安心した。笑
荷物は、先に送っておいた。
宛先は、鬼兵隊。料金は、着払い。
なんて嘘。一応こちらから払っておいた。だって、恩は売っても、借りたくはないでしょう?www


新米の鬼兵隊隊士、ということで「真選組監察」として鬼兵隊に潜入し、「鬼兵隊監察」として真選組を偵察する、という所謂(いわゆる)二重スパイをすることになったのだ。


まぁ、いい。着いたらまた連絡する、というLINEのメッセージを貰ったので、それまで江戸っ子lifeをenjoyすることにした。

ショッピング三昧、
グルメを楽しんだあと、
皆に一個ずつお土産を買った。

全て終わると、もう八ツ時だったので、港に向かい、のんびりと煙管を咥えていると、メッセージ音と共に、一隻の船が現れた。
どうやら今着いたようだ。

お迎えでも来るか、としばらく待っていると、10分後くらいに晋助が直々にお迎えに来た。
_「オイ、零杏。
迎えに来てやったぜェ?」

_「あら、それはおおきに。
わっちを迎えに来てくれやんした?」

と、一服かましてやった。

_「ククク)
今度はなんだァ?花魁の真似でもやってんのかァ?ま、花魁にしちゃァ、もったいないくらいの美しさだがなァ。」


注意!
この人、のろけてます!www

_「まぁ、ありがたきお言葉。
感謝申し上げますわ。笑」


それより、
と話を変える。

_「なぜ今回、私をまた受け入れようとお思いになって?」


なんでだろうなァ?
と、晋助も袖から出した煙管に火をつけた。


_「ま、んなこたァどうでもいい。
オラ、いくぞ。」


と、腕を取られ、船に乗り込む。
 
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