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ドリトル先生と奈良の三山

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第九幕その五

「新たな資料を探す」
「それしかないの」
「遺跡なり文献なり」
「そうしたものを」
「それからなの」
「それを探すのは考古学だね」
 こちらの学問になるというのです。
「じゃあそっちもね」
「やっていくのね」
「これからは」
「先生も」
「そうなるよ。日本の考古学は」
 どうかといいますと。
「言うまでもなく奈良にね」
「かなりの重点があるのね」
「そうなのね」
「この場所に」
「そう、古墳も特に多いから」
 だからだというのです。
「九州の吉野ケ里遺跡や関東にも注目すべき場所も多いけれど」
「それでも奈良ね」
「何といっても」
「ここになるのね」
「そうだよ、そちらからも」
 考古学からもです。
「調べていくね」
「三山のことを」
「これからも」
「そうしていくよ、さもないと」
 考古学からも研究していかないと、というのです。歴史学や神話つまり宗教学からだけでなくというのです。
「わからないみたいだからね」
「そうするんだね」
「地質学や植物学からも検証してるし」
「考古学からも見ていく」
「色々な学問からそうしていくんだね」
「うん、目は一つじゃなくて」
 そしてというのです。
「見るポイントも一つじゃないね」
「そうだね、確かに」
「学問は一つじゃないしね」
「それぞれの学問から見て」
「総合的に考えていくものだね」
「そうするといいよ、ただ」
 ここでこうも言った先生でした。
「オカルトからも考えていこうかな」
「そっちからも?」
「先生オカルトも研究してるしね」
「学問の一環として」
「そうしてるしね」
「オカルトと一口に言って馬鹿にする人がいるけれど」
 そうした人はよくいます、ですが先生はそうしたことは絶対にしません。何でも馬鹿にせず公平に見て考える人だからです。
「こちらから考えることもいいよ」
「科学も魔術も錬金術も元は同じ」
「先生よく言うしね」
「民間療法には確かな根拠がある」
「まだ発見されていない生物もいるって言ってるしね」
「そうだよ、アフリカにもね」
 先生が皇子の母国のことをお話しました。
「水ライオンや岩ライオンがいるというね」
「所謂UMAだね」
「本当にいるかどうかわからないけれど」
「まずいるかどうか確かめる」
「それからだね」
「そう、オカルトは間違っているか」
 それ自体がというのです。
「全てを断定したら駄目だからね」
「一つ一つを検証して」
「それが事実かどうか確かめる」
「それが大事なんだね」
「そうだよ、何でもプラズマが原因と言ったり」
 こうしたことをする大学の教授も日本にはいます。 
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