お母さん
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第四章
「だったらね」
「そうしていかないと駄目なのね」
「あんたとしてはジョゼフィーヌが一番可愛いかしら」
「私に懐いてくれてるから」
実際にとだ、由利香は母に答えた。
「だからね」
「そうよね、けれどね」
「ジョゼフィーヌが一番可愛くても」
「公平によ、贔屓はしないでね」
「そうして育てていくべきなのね」
「そうしなさいね」
「ううん、お母さんって大変なのね」
皆公平に育てないといけない、由利香はこのことを認識してそのうえで母に応えた。母は今も草を毟っている。
「この子達皆公平にって」
「そうよ、あんたは一人っ娘だけれどね」
「それでも皆がいたら」
「皆を公平によ」
「育てて可愛がって」
「そうしてね、あんたが若し他の子ばかり贔屓されたら嫌でしょ」
何人もいる中でというのだ。
「そうでしょ」
「ええ、そう思うとね」
実際にとだ、由利香はそうなった場合を想像して答えた。
「嫌よ」
「そうでしょ、だったらね」
「ジョゼフィーヌもその他の子達も」
「当然カトリーヌもね」
「公平にね」
「可愛がるyのよ」
「わかったわ、そうしていくわ」
確かな顔と声でだ、由利香は母に答えた。
「そうしていくわね」
「頑張ってね、それとね」
「それと?」
「その子達の世話が終わったら皆小屋に入れて」
「それでよね」
「後はね」
「草毟りね」
「こっちもお願いね」
こう娘に言うのだった。
「いいわね」
「折角部活もない日曜の休日なのに」
「日曜は家事をする日よ」
これが母の返事だった。
「だからよ」
「それでなの」
「家事をするのは当然でしょ」
それで草毟りもというのだ。
「わかったらやりなさい」
「そんな決まりあったの」
「うちではそうなのよ」
「日曜は家事をする日なのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
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