アイドルの義務

「水着でベッドの中に入るシーンもあるでしょ」
「はい、グラビアだと」
「お風呂に入ったりもするけれど」
「あれって考えてみたら」
　郁美も言う。
「ベッドの中じゃ下着ですよね」
「そうでしょ」
「だからもう水着と下着の違いは」
「デザイン位よ」
「実際のところそうですね」
「昔はアイドルも水着までだったのよ」
　グラビアの時はだ。
「けれど今じゃね」
「下着もですね」
「その時も増えたのよ」
「実は水着と面積が変わらないから」
「そうなったのよ、あとね」
「あと？」
「水着や下着のグラビアになるでしょ」
　今度はこのこと自体の話をする聡美だった。
「それ男の子、男の人が見るでしょ」
「何の為に見るか、は」
「わかってるでしょ」
「はい・・・・・・」
　俯いて答えた郁美だった、このことは。
「私の水着姿や下着姿を見てね」
「そうしたことを想像してよ」
「そうしたことをですよね」
「してるから」
「じゃあ色々な男の子や男の人が私を、ですね」
　自分自身のことから言うのだった。
「そうした目的で」
「色々と想像したりもしてるから」
「一体どんな想像されてるんでしょうか」
「その人それぞれだけれどね」
　このことはまさに十人十色だとだ、聡美は郁美に答えた。
「まあ考えるべきじゃないわよ」
「ですよね、やっぱり」
「そうよ、だからね」
「こうしたことは」
「そう、もうね」
　それこそというのだ。
「考えたら負けよ」
「そうなんですね」
「そう、というかアイドルは水着姿や下着姿になるのは義務でしょ」
「アイドルの必須ですね」
「もう避けられないことだからね」
　アイドルになったその時点でというのだ。
「今のトップ女優さんでも若い時は水着になってるから」
「前にお話されましたね」
「それでその水着姿や下着姿でね」
「そうしたことをされたりその時に色々と想像されたりは」
「これももう義務よ」
「そういうのが嫌ならですね」
「アイドルにはなれないわよ」
　そうなるというのだ。
「もうね」
「そうなんですね」
「そう、だからね」
「アイドルはそうされることが義務」
「そういうことよ、あと某巨大掲示板に郁美ちゃんのスレ出来たけれど」
　今度はこの話をした聡美だった。
「見てみる？」
「ひょっとしてそこには」
「もうそういうこと書かれまくってるわよ」
　早速そうなっているというのだ。
「ユーチューブやニコニコでも動画あがってるし」
「動画もですか」
「ニコニコは書き込めるでしょ」
　聡美はニコニコ動画の機能の話もした。
「もうそこではね」
「私をどう想像してるかとかどうしたいとかですね」
「書かれまくってるわよ」
「何か見るのが怖いですね」
「欲望全開だから」
　男のそれがだ。