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本当の強さ

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第三章

 それでだ、怪訝な顔で先生に問い返した。
「一体」
「先生のお知り合いっていいますけれど」
「誰ですか?」
「その人は」
「ああ、来てもらってな」
 そしてとだ、先生は倫子達に答えた。
「お話を聞けばわかる」
「そうですか」
「じゃあその時にですね」
「その人とお会いして」
「お話を聞けばですか」
「わかるんですか」
「そうだ、その時に皆色々わかる筈だ」
 先生は部員達に真顔で話していく。
「そのわかったことを忘れるな」
「わかりました」
「それじゃあ日曜にですね」
「その峯川さんとお会いして」
「そのうえで」
「お話を聞かせてもらいます」
「では今日の部活はここまで」
 お互いに挨拶をして掃除をしてだった、倫子達は着替えて道場を後にした。そしてだった。
 下校中にだ、倫子や一緒に下校している凛達に話した。
「どんな人かしらね」
「やっぱり空手の人でしょ」
「先生の知り合いなんだから」
 凛と千代がこう答えた。
「それで空手部の部活に来られるから」
「空手関係の人でしょ」
「先生のお師匠さんとかじゃねえのか?」
 これが春奈の予想だった。
「先生五段だから六段とかな」
「六段って」
「そんなのじゃないのか?」
「無茶苦茶強い人なのね」
「そうじゃないのか?」
「だから私達のところに来てもらって」
「その強さを見せてもらうんだろ」
 その空手の力と技を、というのだ。
「やっぱりな」
「そうなのね」
「六段ともなるとな」
 それこそとだ、春奈は唸る様にして言った。
「もうな」
「物凄い強さよね」
「ああ、やっぱりな」
 そうなるというのだ。
「こりゃ日曜凄いのが観られそうだな」
「瓦何枚割れるのかしら」
「十何枚とか?」
 凛と千代は空手の腕試しの一つであるこちらを話に出した。
「もう一気にね」
「一撃で全部割るとかね」
「そうするかも」
「気を出すとかね」
 硬気、それをというのだ。
「そうした技も使われるのかも」
「何か凄そうね」
「日曜凄いの見られるかも」
「これは楽しみね」
「そうよね、本当に強い人よね」
 倫子も期待に目を輝かせて言う。
「どんな強さかね」
「日曜お会いしてね」
「それで見せてもらいましょう」
「そうしような」
 凛達も笑顔で応えた、そしてだった。
 その日曜日を楽しみに待った、それで倫子達は日曜日の部活にいつもよりも勇んで行ったが。
 そこにいたのはだ、ごく普通のスーツを着た礼儀正しい感じの七三分けの髪型で眼鏡をかけたサラリーマン風の細い身体の男だった。年齢は先生と同じ位だが体型は全く違う。
 だからだ、倫子達はその人を見てすぐに先生に尋ねた。 
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