天国と地獄<中世ヨーロッパパロディー>
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9 友達と図書館で勉強したいのは、多分女子の本能だ。
_「チッ、なんなのよ。
でも、手を出そうにも手が出せないわ。だって学校は全て監視下に置かれてるもの。」
_「あと、零杏に手を出そうもんなら、晋助様が黙ってないわ。」
_「そこが面倒くさいのよね。」
_「あの女のために晋助様直々に制裁が加えられるなんて、ゴメンだわ。」
_「そうね。それくらいなら、彼の目を零杏ではなく、私たちに向けさせればいいのよ。」
_「というか、そもそも晋助様には麗奈様といったれっきとした婚約者がおられるでしょう?」
_「もし晋助様が零杏なんかと結婚したら、この戦争は終結するのかしら?」
_「逆に、戦争が悪化しかねないわ。あと、万が一零杏が白の騎士団に入ったら、悪魔族が痛手を被るのではなくて?今はそっちの心配をした方がいいわ。」
とかいう話をしていたそうな。
***
そうこうするうちに、晩御飯の時間になった。いつものように校長先生の合図とともに食事が現れる。
食事をしながら、銀時と、いつ皆でその案件について話し合うか、議論しあった。
_「ねぇ、銀時?
晋助の件、いつみんなに話すのがいいかしら?」
ライスを頬張りながら、銀時は言う。
_「夏休みに入ってからだろうよ、」
_「じゃあどこで?」
_「お妙ん家はどうだ?」
_「いいのかしら、お妙さんの実家なんか借りてしまって。」
話を聞いていた神楽ちゃんが口を挟む。
_「零杏、ソレ私たちに任せるネ。
姉御に私たちから相談してみるネ。」
_「そうだ、そうだ。
零杏は、自分のことだけを考えてりゃいいんだ。お前は、オレたちが何としてでも守るからな。」
ありがとう、と呟いた。
早速 妙先輩に聞いてみてくれている。
_「零杏ちゃん、一応この件を父上と母上に聞いてみるけど、たぶん大丈夫だと思うわ。」
_「ありがとうございます、先輩!」
満面の笑みを浮かべた。
さて、デザートも食べ終わり、図書館へ向かう、となった時、土方さんや総悟も一緒に、私と神楽ちゃんと勉強することになった。
仲間が増えるのは嬉しいことだ。
だが、神楽ちゃんはいつも総悟と言い合いをしているので、そこのところは心配だ。
オレたちは後から行くので、先に行ってて下せェ、
ということだったので、私たちは先に図書館へ向かった。
_「でも、今日のラテン語の宿題は、さすがに鬼だよねー、」
_「そうアル。全くどうかしてるネ。あ、今日は何だったアルか?」
_「確か、ダンテの『神曲』の一部だったわ。なんだろう、でも確か、『地獄篇』のところだったよね?」
_「よく覚えてるナ。もう忘れたネ。」
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