銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
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第九話 それぞれの昼餉
ぎりぎり12日更新です
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第九話 それぞれの昼餉
帝国暦477年 7月7日 昼
■オーディン ノイエ・サンスーシ ベーネミュンデ侯爵邸 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
アンネローゼとラインハルトとの面会を終えたあと、お父様と馬車でお母様の待つ館へ向かう途中
「お母様の真似をして喋って見ました」
「はははそうかそうか」
どうやら誤魔化せたようです。
今日は昼餉をお母様とお父様一緒に食べるようにして貰っていますので、
あとは本人達の気分次第で落ち着くのではないかと思うのですが険悪なら私が出て仲裁を計るつもりです。
館に着いたらお母様がお出迎えに出てきていました、
やはり焦りがあるのでしょう普通なら執事が迎え入れる物なのですがね。
お母様はにこやかに「陛下きていただき有り難うございます」
ふむ普段の母上の苛つきが消えている良いことだ。
食事中は当たり障りのないお話や私の教育に対する話などだったのですがねー
デザートになるとお母様が『新しい寵姫の寝心地はどうですか』ってジャブな嫌味を一発
うわー母様ストレート過ぎます子供がいるのですよ
すると父様『テレーゼが嫌がったから、まだじゃ、元々国務尚書等が勧めてきたので仕方なくな』
すると母様少し考えてから、『若い寵姫を求めるのは仕方がない事ですがテレーゼの為にも館への行脚は出来る限りお願い申し上げます』
おっ母様手を未だ出してないと聞いて少しは和らいだ。
まあ数日前から母様をフォーローし続けたかいがあったよ。
他の寵姫の手前毎日来るのは無理だけど、出来るだけ多く来てくれると父様が約束してくれました。
家庭円満に成らなきゃだめだね。
結局その日はお父様はお母様と私の教育について話し合うことになり館に泊まることになりました。
お母様は夕餉の際には数日前までの苛つきやドンヨリした空気が無くなり晴れ晴れとしていました。
よかったよー。
けど今年の九月から始まる私の本格的な教育について話があったので、
私としては内容が厳しそうなのでブルーに成りましたよ。
てか、紅茶の銘柄だとか、お香の銘柄、とかいらねーー!!
ご学友を誰にしようとかも話が出たし、話が合うか不安だね、
こちとら、皇女でも根が庶民ですからね。
なまじ原作知ってるし下手に親しくなってその子が不幸になるとか知ってると耐えられないじゃん。
逆に災いになるのだとどうしていいやら。
なまじ軍事知識があるのも善し悪しで、口を出したいんだが出せないもどかしさ。
アルレスハイム、サイオキシン麻薬、イゼルローン攻防戦、ティアマト会戦とか
軍事的に教えたいのが教えられない、教えたら教えたで変に思われるし
暗殺の黒幕も未だに解らないし、下手に爪を出すわけにはいかないんだよね。
こまったもんだ。
相談できるブレインが欲しい今日この頃。
グリンメルスハウゼン爺さんに早く会いたいのに機会が全くない何とかしてくれーー!
帝国暦477年 7月7日 昼
■オーディン ノイエ・サンスーシ ベーネミュンデ侯爵邸 フリードリヒ4世
本日テレーゼが、新しき寵姫アンネローゼとその弟に会ってみたいと言われたために場を設けることにした。
わしは、娘には弱い父親なのでついついテレーゼに甘くしてしまう。
アンネローゼの弟に会うのは初めてじゃったが、あやつに会った時心地よさを感じてしまった、
あの目あの表情、普段皇帝たるわしに媚び諂い裏では罵っている者たちと違う
わしを恨み憎む目がはっきりとわかった。
あの者こそわしの長きに渡る鬱積とした心を流してくれるのではないか。
あやつは、わしの願いをかなえてくれるであろうか。
だがテレーゼとシュザンナを巻き込みたくはないものじゃ。
テレーゼも何か感じたのか、あの者に挑発的な態度で臨んでいたの、
普段のテレーゼとは何か違うテレーゼを見たようじゃ。
テレーゼ自体はシュザンナのまねをしたと言っておるが、
あれはわしと同じかも知れん、50年間周りを謀り続けたわしのように。
テレーゼがそうであれば、また違うやり方もできるやも知れん、
グリンメルスハウゼンに相談してみるか。
帝国暦477年 7月7日 昼
■オーディン ノイエ・サンスーシ ベーネミュンデ侯爵邸 シュザンナ・フォン・ベーネミュンデ
本日テレーゼが憎っくき女を見に行くという。
そんな女見に行く必要がないと言ったが、『お父様を連れてくるし泥棒猫を見てきます』と
健気なことを言ってくれたので送り出すことにした。
昼餉の用意をさせ待っていると、テレーゼが陛下をお連れしてくれた、
玄関へ迎えた時テレーゼとにこやかに手を繋ぎながら馬車から降りてくる姿を見たとき
今までの鬱積した気持ちが消えていく気がした。
けれども少しは陛下に怨みの一つも差し上げようと、
『新しい寵姫の寝心地はどうですか』いってあげましたわ。
陛下は慌てて『テレーゼが嫌がったから、まだじゃ、元々国務尚書等が勧めてきたので仕方なくな』
まあ寵姫のもとへ行くのも仕事のうちですから、そこのところは納得してあまり行き過ぎないように、
『若い寵姫を求めるのは仕方がない事ですがテレーゼの為にも館への行脚は出来る限りお願い申し上げます』と釘を刺しておきました。
今日のこともテレーゼが私のことを思いやってくれたこと、
本当にこの子は健気で可愛いのでしょう、
ずっとずっと守りますからね、私の大事な大事なテレーゼ。
帝国暦477年 7月7日 昼
■オーディン ノイエ・サンスーシ グリューネワルト伯爵邸
「ラインハルトいよいよ明日から幼年学校ですね」
「はい姉上」
「ラインハルト別に軍隊へ入らなくても、官吏とかでもいいのじゃない、あなたが危険なところへ行く必要はないのに」
「姉上僕は軍隊へ行って出世したいんです」
「無理をする必要はないのですよラインハルト」
「いえ自分の決めた道です」
「そうですか」
一人で大丈夫なのかしら、ジークが居てくれたら。
「ラインハルト一人で大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ姉上、もっともキルヒアイスが居ればもっといいでしょうけど」
「それではジークが言いといえば入学できるよう
皇帝陛下にお願いしてみます」
「姉上そんな事が出来るのですか?」
「ジーク一人なら可能だと思います」
「姉上よろしくお願いします」
「けどジークが行きたいと言ったらですからね、無理やりはいけませんよ」
「わかっていますよ、けど絶対キルヒアイスは来てくれます」
「そうなるといいわねラインハルト」
「ええ」
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