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ドリトル先生と奈良の三山

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第八幕その五

「そうしようね」
「それじゃあね」
「明日のお昼はそのお店ね」
「じゃあね」
「そっちも楽しみにしておいてね」
「元々奈良は山国だから」
 だからと言う先生でした。
「海の幸はないね」
「そうそう、どうしてもね」
「奈良は山に囲まれてて」
「海のない国だから」
「そこは仕方なかったわね」
「だからね」
 そのせいでというのです。
「昔は川の幸を多く食べていた筈だよ」
「そうよね」
「海の幸がないならね」
「川のものを食べるしかないから」
「だからね」
「必然的にそうなるわね」
「どうしても」
「そうだよ、そしてね」
 さらにお話する先生でした。
「こうして川の幸と一緒に飲んでもいただろうね」
「今はお豆腐や海の幸で食べてるけれど」
「山菜もあるけれどね」
「沢蟹やたにし、泥鰌を食べて」
「そうしていたのね」
「そうだと思うよ」
 こう言ったのでした。
「飛鳥時代とか奈良時代もね」
「そうよね」
「その辺りもね」
「面白いね」
「どうにも」
「そう思うよ、僕もね」
 先生もというのです。
「それぞれの時代の食文化を調べることも」
「そのこともね」
「いいよね」
「学んでいると」
「何かとね」
「さっきも話したけれど万葉集はそうしたことも書かれているし」
 当時の食文化を窺わせる歌もあるのです。
「中々面白いから」
「お味噌もお醤油もなかった時代ね」
「まだ日本には」
「けれどそれでも食文化はあって」
「皆食べていたのね」
「人間は食べないと生きていけないから」
 このことは絶対のことです。
「だからね」
「それでよね」
「じゃあ明日のお昼はそれね」
「川の幸を食べましょう」
「そちらを」
「是非ね」
 こうお話してです、そのうえで。
 先生達は皆でです、今は海の幸や山菜、お豆腐を食べました。
 そして次の日からです、まずは耳成山を見ますが動物の皆はその山を見て言いました。
「やっぱりね」
「この山おかしいよね」
「盆地の中にぽつんとあるし」
「変に低いし」
「山の高さにしては」
「そうだね、山の形にしても」
 先生も言うのでした。
「違うよね」
「普通の山とね」
「山の形もおかしいし」
「何でこんなに平たい場所にあるのかってなって」
「おかしな山ね」
「本当に」
「山にしては」
「そう、山としては」
 また言った先生でした。 
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