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ドリトル先生と奈良の三山

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第八幕その一

               第八幕  吉野には
 先生達は明日香村でのフィールドワークを終えました、それでホテルに帰って晩御飯を食べてお風呂に入ってです。
 飲みに奈良の街に出ましたがそこで皆先生に言いました。
「奈良県って色々都あったんだね」
「明日香だってそうでこの平城京もね」
「前も話したけれど」
「まさに国のまほろば」
「そんな場所だったんだね」
「うん、日本はここからはじまった」
 奈良からとです、先生も言います。
「そう言っていいね」
「実際にそうだよね」
「奈良県はね」
「調べれば調べる程それがわかるね」
「うん、前に吉野も行ったけれど」
 そこもというのです。
「あそこにも都があったしね」
「ええと、南朝だよね」
「南北朝時代の」
「室町時代の最初の頃だね」
「朝廷が京都とその吉野に分かれていて」
「南朝方の都があったね」
「そして天武帝が最初あそこに都を置いていたんだ」 
 先生はその飛鳥時代の方のお名前も出しました。
「あの人もね。そして当時はね」
「確か滋賀県の方にね」
「都が置かれていたんだったね」
「大津宮ね」
「あそこだったね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「あそこにもね」
「滋賀県にも都があった時期があったんだったね」
「僅かな間でも」
「あと難波宮っていって大阪にもあって」
「後福原にも」
「兵庫県にも」
「福原にもあったし何かとね」
 先生は奈良の夜の街を皆と一緒に歩いています、そうしつつ神戸にいる時に紹介してもらったいいお店に向かっています。
「都も移っているんだ、けれどね」
「基本はね」
「この奈良からはじまっていて」
「吉野も奈良県だし」
「入れていいわね」
「そうだよ、やっぱり奈良県はね」
 まさにというのです。
「国のまほろばだよ」
「日本がはじまった場所」
「ここからなのね」
「日本がはじまって」
「今に至るのね」
「そうだよ、神武帝が九州から近畿に入って」
 そしてというのです。
「都を定めてね」
「それからね」
「古墳時代から飛鳥時代を経て」
「奈良時代になって」
「日本が形成されていったわね」
「政治的にも文化的にね」
 まさにその両方でとです、先生はこうもお話しました。
「なったんだよ」
「先生が今学んでいることね」
「大仏さんも明日香も万葉集も」
「そしてこれからの三山のことも」
「そうだよ、今万葉集のことを考えているけれど」
 論文のテーマのうちの一つのです。
「いや、とてもね」
「とても?」
「とてもっていうと」
「恋愛や日常を奇麗に詠っているんだよね」
 そうしたものだというのです。
「憂いやほのかな気持ち、喜びも悲しみも」
「そうした人の感情を」
「全部なんだ」
「そうなんだ、防人の人も庶民の人も」
 そうした普通の人達もというのです。 
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