魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第七十話
「これで、終わりかぁ…」
「なに、引っ越す訳でもあるまい。そう悲観するな月日」
「そうだね箒ちゃん!」
卒業式が終わり、教室に戻って、仲間同士で話す。
前世じゃぁ、この時間を煩わしく思い、早く帰りたいと思っていたが…
なるほど、悪くない。
保護者はだいたい後ろの方で談笑中。
姉さんと柳韻さん達も後ろで話している。
たぶん、俺が神社から出ていくって言ったから、その話だろう…。
「むー…皆はいいよね、同じ中学でさ」
「そうか?家が近い訳なんだから土日は遊べるし通学路も途中まで同じだろ?」
頬を膨らませる千石を宥める。
俺、箒、鈴、弾の四人は同じ中学へ、月日と千石はそれぞれ別の中学へ進学する。
そこら辺家の都合などもあるから、あまり口出しはできない。
「まぁ、そう悲観するなよ。そうだ!卒業祝いにどっかでパーっとやろうぜ。
金は俺がだすからよ、暦さん達も呼んでさ」
「一夏君それ採用!」
と月日が言って、鈴や千石も賛成した。
「うーん…でも姫×王子が見れないのはなぁ…」
ボソッと千石が言った事が耳に入った。
「まだ引っ張るか、まだ引っ張るか?」
「だってさー…漫画の元ネタが無くなるんだよ?」
千石は、漫画を書いていて、それをオープンにしている。
「知るか」
「今度逆レ物書いて出版社に送ってやる…」
「勝手にしろ」
「無論一夏君が箒ちゃんに……ね?」
「やめろ、マジでやめろ。冗談にならないからやめてくれ」
「へー…ねぇ、一夏、どう"冗談にならない"のかしら?」
「鈴、黙れ」
「箒?何か知ってる?」
「あぁ、この前姉さんが一夏の水筒に媚薬をだな…」
「卒業の日までこんな生々しい話すんなや!
弾がさっきから無言じゃねーか!」
と、苦笑いを浮かべるイケメンに目をやる。
「いや、一夏、お前凄いよ。
こんな日まで箒ちゃんの膝の上だな」
言うなよ…
「………………………」
「おーい、顔赤いぞー?」
と目の前であからさまに煽ってくる弾がうざいので…
「ふん!」
「ぎゃぱ!?」
ギチギチギチギチギチギチ……
「ぎゃぁぁぁぁ!頭が!」
「ちょっと、だまってろ」
「イエス!マム!」
「こ、これが簪ちゃんが言ってたBLSMプレイ…」
いま物凄く聞き捨てならない言葉が聞こえた。
「千石?ちょっとその話詳しく頼む」
「撫子ちゃん、私にもkwsk!」
「お前は黙ってろ」
いつも通りの、何気無い話に花を咲かせる。
だって、違う学校に進んでも離ればなれにはならないのだから。
そうして時間が過ぎて、解散になった。
桜が舞う校門から、校舎を眺める。
前世では、虐められてて、忘れたくて、忘れた記憶。
だけど、二度目の小学生というのは、中々に輝いた思い出だった。
ファイアーシスターズのピンチを暦さんと打破したり…
弾と下らない事で盛り上がったり…
千石の漫画を手伝わされたり…
アイツ等とは、離ればなれにはならない。
だけど。
「先生」
「なんですか一夏君?」
この人には、言っておこう。
「今まで、お世話になりました」
この六年、御都合主義かよと言いたくなるような謎人事で、ずっと担任だった女性。
「本当ですよ…貴方達が問題を起こす度に火消しに回ってたんですからね!」
「やー…俺もどっちかと言えば消してる方なんですけどねぇ…」
特に月日とか火燐さんとか月日とか月日とか…
「止めなかった時点で同罪です」
「厳しいですね」
「居眠りばっかりしてるからですよ」
「でも鈴が来てからは、アイツの世話で寝る暇ありませんでしたよ?」
「そう言えばそうでしたね」
遠くで、箒が俺を呼ぶ声が聞こえた。
「呼んでいますよ?」
「そうですね。ではこれで」
「はい。また何時か。織斑一夏君」
「ええ、また会いましょう。愛宕先生」
緑がかった長髪の女性に別れを告げ、箒の下へと向かった。
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